今回は、トゥルクに率いられた軍隊での葬儀について物語ろうと思います。
その前に一般的な世界の葬式に言及しますと、そこでは概ね神様が強調されております。
日本の仏教も神格化されており、インドのブッタは死後の世界を「無記」としたのですが、中国で後付された儀式によって日本に伝わったのは葬式仏教でした。
私はこうした死後のファンタジー(神秘)を頭ごなしに否定する気はありませんが、あまり神格化するのも時代遅れに思えるので、「神秘」は大自然の宇宙に委ねたいと思います。
物語ではすでに、セイがトゥルクに覚醒するシーンで臨死体験による「星の旅」に触れ、夫のパルにはその体験を話してもいますが、今回またそれを死に行く兵士達に語って貰います。
それは地上で最も多くの星が近くに見える、雲の上のチベット高原の凍える夜で、身を寄せ合って体温を下げないように苦心し、眠ったら死ぬかも知れない兵(つわもの)達へのララバイでした。
ここでセイが語る物語は、3000人の死者を乗せて地球から旅立つ「銀河鉄道」についてで、彼等はまだ列車というモノを観たコトがありませんが、まあその辺は想像に任せましょう。
銀河の「無限軌道」を巡る旅は一年に及ぶと語られ、それは移動速度の関係から地球での1万年に相当し、次は現代に転生するというのも橋渡し的な価値があるでしょう。
旅で巡る星々は素晴らしい生命を育んでおり、その魂と交流するシーンは映画「コンタクト」の様に神秘的なモノとして語ろうと思います。