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yuki

消費生活アドバイザーの目

英語はフィリピンで! 時代は変わったな・・

2011-07-15 10:56:38 | Book
世界一週中の若い友人、太田英基君から突然ですが出版しますとのメールが届いた。

タイトルは『フィリピン「超」格安英語留学』(東洋経済新報社)7月28日発売

彼が仲間と始めたベンチャー企業を辞め、
これも突然に「外国に行って見聞を広めてきます。」と言われ、
「英語はしゃべれるの?」と聞いたら
「大丈夫です。フィリピンに語学留学します。」と明るく答えたことを思い出した。

フィリピンは英語が公用語で、韓国の企業戦士が英語力を身につけるために大挙して留学しているそうだ。

聞くところによるとフィリピンの語学留学は、1ヶ月10万円程度で、毎日6時間のマンツーマン英語レッスンに、3食+宿泊施設も付いているそうで、日本では考えられないコストパフォーマンスだ。

効果の程は太田君が3ケ月の留学で世界一周をしながら多くの友人を作っていることで証明されている。

この本の出版に至る経緯がまた面白い。
著者が、南米ペルーのマチュピチュ遺跡を巡って、隣国ボリビアへ移動している途中
『執筆依頼』のメールが届き、ブラジル~アフリカ~ヨーロッパと旅の途中で書き上げ、原稿の校正もディスプレイで行なったそうです。
地球の裏側でコンタクトを取り、編集者とは一度も合わずに本ができたと言うのも時代を感じさせます。

内向き志向が強くなったと言われる日本の若者が「フィリピン「超」格安英語留学」に啓発され『グローバル志向』に少しシフトすることを願いたいですね。




辺境から世界を変える 加藤徹生

2011-07-09 16:40:48 | Book
辺境から世界を変える~ソーシャルビジネスが生み出す「村の起業家」
 ダイヤモンド社 加藤徹生著

目から鱗の本です。
石油会社に勤めていたが「灯油」が”明かり”を得るためのものであることを忘れていた。
日本では、「灯油」は冬場の暖房や給湯用に使われ「灯火(ともしび)」の「油」=「灯油」とは異なった用途になっている。
でも、アジアの貧困地帯では「明かり」を得るために「灯油」を求めるために貴重な数時間と収入の20%近く費やさざる得ず、貧困から抜けざせない要因となっている。

インドのセルコ社は、太陽光発電とLED電球を毎日払える金額で提供することで、貧困地帯の労働者が稼げる時間を増やしたり、新しい収入源を得る機会を与えた。

本書では、アジア地域で活躍する889件の社会起業家の事例から、ビジネスとして成功し、社会的インパクトもある7例を紹介している。

厳しい環境に置かれた「問題の当事者」こそが世界を変えられる。
著者が現地で当事者たちと接して肌で感じた本質だと思う。

「90%の人たち」のためのデザイン=発展途上国の人たちのための社会起業は、当事者の視点を持ちながらビジネスの手法をフルに活用することが大切と考えさせられた。



ネクスト・ソサエティ

2011-07-06 16:33:36 | Book
ベップユケムリ大学教養部 書評カフェで、~もし、「もしドラ」の次に読むのなら~とP・F・ドラッガーの「ネクスト・ソサエティ~歴史が見たことない未来がはじまる~」を取り上げるので改めて読んでみた。

2002年に出版された未来予測の本だが、古さを感じさせない・・というより殆どその通りに驚かされる。

過去の延長線上にはない、今までの価値観では測れない社会に変貌しつつある現在を生きるものとして、もう一度よく考えてみたい。
15日の書評カフェでの若い人たちとの意見交換が楽しみ。

インテリジェンス

2011-06-09 00:00:01 | Book
内閣情報調査室の人と話す機会があり、「インテリジェンスですか!ジェームス・ボンドみたいにシャンパンと美女の世界で羨ましい!」と言ったら、「あれは映画の世界です。溢れる情報の中から価値あるモノを選び出し分析、真実を見つけ出すのが仕事です。」といなされてしまった。

元NHKワシントン特派員で外交ジャーナリストの手嶋 龍一の「インテリジェンスの賢者たち」には、そんなインテリジェンスたちの物語が紹介されている。

その中の一つに「マリガン大統領」としてビル・クリントンが登場する。
仲間内でティーショットを何度も打ち直す行為で、ゴルフ好きの大統領がスコアメイクのためにやっていたのではとマスコミから追いかけられていたことがあったそうだ。
「インテリジェンスの賢者たち」では、外交においても同じことをやっていたと対中国政策での事例を紹介、歴代政権が苦心して構築した対中・対台湾政策を台無しにしたと手厳しく指摘。

人権外交を振りかざしながら、老獪な中国に通用しないとみるや融和策に転じた政治スタイルは、まさにマリガン大統領としている。

翻って日本の政界にも高く掲げた理想が実現しないと見るや言い訳を並べ延命を図る指導者もおり、中には引退を表明しながら政争に乗じて復権を図ろうとする政治家もいる。

大衆に追随するポピュリストでなければ政治の中枢になれない日本の政治は情けないが、逆に言えば、国民が明確な意思表示をすれば、それが実現する極めて民主的な政治社会かもしれない。

あと100年「賢人政治」の登場を待つより、ポピュリストが「人類が最も幸福であった時代」を実現するために邁進せざるえなくなるよう「高い志」と「それを実現するための痛みを厭わない」ことを示し行動する国民になりたいものです。

【マリガンとは】ゴルフ用語-ゴルフ.ナビから
朝のスタートが、第1打を失敗したときにペナルティなしで打ち直しを許す方法。これは、正式なルールでは認められていない。仲間内のプレーのときだけのやり方。マリガンと言うのは人名でカナダのデビット・マリガンの発案で作られたやり方。

トレードオフ

2011-06-08 00:00:01 | Book
「USA Today」でテクノロジー担当だった、ケビン・メイニーの「トレード・オフ」は、「上質」と「手軽さ」の切り口で起業の盛衰を分析している。

まだ若かったころ、会社の先輩が「大事に使って子供に譲る!」と誇らしげに見せてくれたコーチのバッグ。

いかにも上質な皮で職人が手間を掛けて作ったと素人でもわかるラグジュアリーなバックだった。
いつかは自分も持ちたいと憧れのブランドだったのに、やっと手が出る年代になったころには、どこにでもあって誰でも買える魅力のない商品に転落してまっていた。

売り上げを伸ばすために、従来の価値観(オーラ、個性、高価)とは異なり、手に入りやすさ・安さ・手軽さに軸足を移し「身近なラグジュアリー」を狙った戦略の誤りとメイニーが失敗事例で紹介している。

別の角度から、安さには安さで対抗するのではなく智慧で対抗したケースとして、格安航空会社「ピープルエア」と「アメリカン航空」を紹介している。
安値チケットで殴り込みをかける「ピープルエア」に対して、「アメリカン航空」は安ければ勝てるものではないと、「上質」と「手軽さ」の両方を実現する「イールドマネジメント」を採用することで勝ち残った。

安いだけで勝負しようとしてデフレスパイラルから脱却できない日本経済が、もう一度輝きを取り戻す切り口の一つが「上質」と「手軽さ」で、勤勉さ・技術力プラス智慧で新しいビジネスフィールドを構築してほしいものだ。

キーワードの”中途半端では勝ち残れない”はいつの時代でも通用する鉄則ですね。

【イールドマネジメントとは】exBuzzwordsのHPから
 ホテルや航空機のように供給量が固定的で制限があるサービスの提供者が、サービスの提供による収益を最大化させるために行う予約、価格管理のこと。
ホテルや航空機のようなサービスの場合、サービスの利用有無にかかわらず、一定のコストが生じるため、需要の状況に応じて価格を調整し、収益の最大化を図る必要がある。この管理をイールドマネジメントと呼ぶ。