自身2回目の訪問です。今回徒歩で行ったのですが、
随分小高い丘の上に建っていたのですね。人間の
記憶はあいまいです。
相変わらず垂直水平がはっきりとしていて、端正な
プロポーションです。あえて斜めからアプローチさせる
ことによってそれをより明確に感じることができます。
先日行った「香川県立東山魁夷せとうち美術館」でも同じ手法が
使われていました。自己主張を抑えているようで、実は建物の
見せ方を知り尽くしているのです。
この建築の一番の見せ場である大きな吹き抜け空間。
障子を思わせる柔らかい光が入り込んできます。
最上階から最下階までを一気に見下ろせる迫力もさすが。
時々刻々と作り出される陰影が、やや単調な形態に多彩な表情を
映し込んでゆきます。抑制の効いた空間構成は質素でありながら
時に大胆。単純な形態ほど実は奥が深い。それを学ばされる。
うーん。良いものを味わいました。訪れて良かったです。
豊田市美術館
所在地:愛知県豊田市小坂本町
設計:谷口建築設計研究所
敷地面積:30,041m2
建築面積:6,804.25m2
延床面積:11,120.75m2