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最低なおバカのテーゼ ゆうじよ神話になれ

2016年01月23日 11時56分54秒 | おバカとゆうじシリーズ
「今日という今日は、もう許さんぞ!」

ゆうじは、今まで沢山聞く事になった言葉を又しても聞く事になった。
無論、その言われた相手は自分では無い。
その声があった方向を向くと、おっかない顔した妙齢の女の人と
それに対し、耳に小指を突っ込んで耳垢をかっぽじって机の上に腰掛け
片手を机に突いているという礼儀作法に五月蝿いほどの厳格な人が見たら
間違いなく怒鳴り上げ、時には殴りつけ、蹴り上げるであろうなくらい舐め切った態度で
座っているゆうじと同世代の少年が居た。
しかも、その表情は不快さと面倒臭さの混じった如何にも
"何でアンタなんかに、そんな事言われなきゃならないのさ?"と言いたげなのが
ゆうじの目にもそれが判る。
当の本人はというと、女の人に向かって相変わらず
お前の説教なんか聞きたくねえよと言わんばかりの舐め切った姿勢だ。

「このおバカッ!」
「あん?何だよババア。」
「バ・・・!アンタねえ、誰に向かって口聞いてんのよ!?
アタシはこれでも今年二十二よ!アンタにババア呼ばわりされる筋合いは無いわよッ!!」
「その割りには老け顔じゃねーか?あ?テメエ、自分の顔を鏡で普段は見ねえのかよ?」
よくもまあ、女の人に向かってそのような失礼な事が言えるものである。
確かに、普段このゆうじとおバカが呼んでいるさくらこと新藤さくらは
声を荒げず眉をひそめたりせず黙っていれば結構なレベルの美女だ。
だが、元々短気な上に世の中の暗愚と無能なヤツが大嫌いという
他人に対し、何処までもとことん厳しい性格だ。
この他人に完璧である事を要求したがる厳格な気性の女は、当のゆうじをしても
いささか、いい加減にしてもらいたいと思う所もあるのだ。
だが、おバカと違ってゆうじが反論しないのは
下手におバカのヤツの真似して反論を試みようものなら、
凄まじい甲高い金切り声で捲くし立てるように怒鳴られるのが判り切っているからだ。

「何ですってッ!アンタねえ?よくもそんな失礼な事を平気で言えるわねッ!?」
「思った事を言うコレの何処が悪いんだよ!テメエだってこっちの事を普段、
クソガキクソガキ言ってんだろが!?」
「誰に向かってテメエ呼ばわりしてんのよ!
だいたいアタシはアンタより年上よ!?少しは目上を敬うという事を知りなさいよッ!?」
「あ?敬えだと?テメエは、今までこっちが敬うに値するだけの事を、何時何処で
やったんだよ?いつもいつもガミガミ怒鳴りつけ、
しょっちゅう手を上げてばっかの暴言暴力三昧のアンタが?」
いくら恨みつらみがあるとはいえ、よくもまあここまで言いたい放題が言えるものだ。
ゆうじなんかじゃ、こうは行かないであろう。
「それはアンタが日頃から悪さばかりし、碌な事しないからでしょが!!
それじゃアンタに訊くけど、アンタは何でみんなから苗字の尾場の姓をもじって"おバカ"って
少しは考えた事あるの!!?」
「そりゃ知ってるさ。」
それはゆうじも判り切っている。だが彼の乱行・奇行ぶりも元はといえば
彼に言わせれば世間の方が先に毛嫌いし疎んじ、排斥するために色んな嫌がらせを
働いたのが原因だ。彼の立場になって考えればゆうじとしても
腹が立つし毛嫌いされる筋合いは無い。んで今は亡き親の方はというと
我が子を守るべき保護者としての本文を果たそうとしなかったばかりか
父親の方は彼が居ると、既に居る兄弟たちに説明がつかないばかりか
市議会議員を続け街の有力者と癒着が出来ないからという、要するに
保身と利権の方を優先するというまるでテレビドラマや漫画や小説に出てくる
悪役の代議士か企業の代表取締役みたいな価値観に陥っていた。
それで母の方はというと、彼が居ると金のある男が寄り付かず
金のある男に大金を貢がせてその半分を預金するという事が難しくなるという
世の中の我が子を虐待する母親に割とありがちな考えになっていた。
こんな両親だけでも、おバカとしては不信を抱くに足るのに
そこへきて周囲の人間までもが、あたかも両親の尻馬に乗るかのように
おバカのヤツに辛く当たりすぎたため彼としては、この世に真の正義など無いと思うようになり
自分と金以外あまり省みず、むしろ自分と他者とは狐と狸の化かし合いの関係なのだと思っているのを
知り、ゆうじとしては彼を少しでも真人間にしてやろうとかテレビドラマの
サスペンスモノにおいて主人公が真犯人を説得するような青臭い言葉を発して彼に
人間としての良心を思い出させてやろうといった愚かな真似はもう止めた方が良いと思うようにした。
ゆうじに出来る事は、彼を怒らせ彼の蛮行や悪事の餌食になるような選択を採らぬよう
言動や振る舞いに細心の注意を払い、時には彼にいささかのフォローしてやる一方で
彼のこれ以上の蛮行に及ばぬよう他者に対する好事への関心を可能な限り削ぐ。ただそれしかない。
まあ他人からすれば我が身可愛さの保身とその為に相手に事大するという事になるだろう。
無論、そういうのをさくらも含めて世の人々は、ゆうじの事を責めるだろう。
されど、今のゆうじにおバカに対して今の態度の事で諫言出来るだろうか?
そりゃ周囲の人々の言うとおりにするのは簡単かも知れない。
だが、本人の立場になって考えて見よう。
もし周囲の言うとおりにしたとしよう。それで相手はこちらの言葉に聞く耳を持つだろうか?
下手すれば、向こうにとってはそれを自身に対する裏切り行為と受け取られるだろう。
その時、散々こっちに対して煽って来た者たちは自分らのした事と言葉に責任を取れるのか?
それを考えれば、自ら向ける矛先を違えるような真似など出来はしない。

「だったら何で、態度を改めたらどうなのよッ!?」
「なら、そっちこそオレやゆうじに対する罵声や暴力を止めろよっ!!?」
「うるさいわね!アンタがいつも碌な事しないからでしょッ!?」
ゆうじの苦悩も知らず気に相変わらずお互い、言いたい放題の口論だ。
このくだらない言い合いにはゆうじ自身は、そろそろ潮時として貰いたいものだが
ここで下手に両者に分け入るような愚かな事はしたくない。
ちなみに、このさっきからの罵り合い。話が見えないようだけど
何でこうなっているのかは、ゆうじとしてはおおよその理由を把握している。
恐らく数日前、コカコーラに一本1000円以上する滋養強壮ドリンクを混ぜたモノを
彼女に想いを寄せているという知り合いのに飲ませ、コカコーラに催淫効果のある
薬物を混ぜたモノをその知り合いにとっての想い人の女の子に飲ませた上で
両者を森の中で引き合わせたらしい。最初は両者とも初々しいのか会話もあまり進まなかったが
やがて異変が起こるのにそれほど時間はかからなかった。
その後、その男の子と女の子は薬物が原因なのか片方は勃起が収まらず
もう一方も催淫状態に陥り、やがてとうとう両者は
成年漫画の一シーンもかくやという結末に至ったという。
あの事情を知ったさくらがその二人の内どちらか(恐らく女の子の方)に訊いた結果
おバカによる仕業だと断定し、さっきに至るのだ。
ちなみにその男の子と女の子は現在は結構なバカップルで通ってるようだ。
「オレがやった事の何が問題だってんだよ!?
 この前のあの件か?カップルが出来たんだから感謝して欲しいね?」
「不純異性交遊させるコレの何処がカップル成立させるための功労なのよ!?」
「うっせぇな!だったら、てめえならどうやれたってんだよババアッ!!」
「大体、誰に向かってババア言ってんのよこのクソガキッ!?」

ゆうじは心の中で思った。
いい加減さくらの方も、おバカのヤツの事に関して学習しろと言いたい。
大体、この手の人間にとって上から目線の叱責は例えどんなに正論でも
言い方がキツければ喧嘩腰の言い方としか受け取らないのだ。
あんなヤツなんかに丁寧語は勿体無いと思いたいのは判るが、
どんなに自分の言葉が正しくて道理があろうとも、言い方がキツくては
相手は腹を立て意地になるだけだという事を理解して欲しいものだが、
よく世間じゃ軍人も含む公務員の頭は、鋼鉄かジュラルミンで出来ているのでは
ないのかと形容されてはいるが、このさくらのような庶民の端くれのゆうじにでさえ
"お前らごとき愚民なんか話にもならんわ"とでも言いたげな姿勢を見ると
納得せざるを得なくなる。
まあ、自分ごときが殊更口出ししてても詮無いかもしれないけれど。

そろそろ双方とも言い争いは疲れてきただろう。
その証拠に双方共に口数とそのキツイ言い方の割りに、お互い説得力に欠けている。
頭が疲れてきている証拠だろう。
この辺でコーヒーでも淹れてやるか。
ゆうじは、コーヒー豆があらかじめ挽いてある
パックの中にお湯を入れ、コーヒーをカップに注いで用意してやる。
そのコーヒーの香りを感じたのかお互い、言い争いを水入りにしてくれたようだ。
「砂糖とミルクは要るか?」
ゆうじは二人に問う。
「済まんな。宜しく頼む」
おバカの方はゆうじから淹れたてのコーヒーを受け取り
スティックシュガー二本とコーヒーフレッシュを入れてもらう。
「アタシはコーヒーだけでいいわ。」
さくらの方はコーヒーをブラックで頂くようだ。
「んで、そのさっきからの言い争い、見た所、おバカが面倒を見てあげたのが知り合いの
男子と女子のデートが結果的に、思わぬ事になったのが好ましく思ってないようだが?」
ゆうじは一言発する。
「不純異性交遊させるために、二人の飲み物に一服盛るこれの何処が
面倒見てあげるっていうのよ!?」
さくらは感情的なのか声を荒げ怒鳴り上げる。
「何言ってんだよ?少しばかり助け舟出さねーと、まったく進歩しねーじゃん。あの二人って?
その内、横から誰かがやって来て掻っ攫いされちまうわ。それくらい判らねーのかよ?
世の中の人間、ババアみたいに逞しいのは百人中一人か二人ぐらいなモノだぜ。
まあ、ババアは異常なほどだけどな?」
「何よ?アンタ喧嘩を売ってんの?」
さくらはおバカの悪態ぶりに思わず憤る。
「おバカ、そのくらいにしてあげてやれ。さくらもいちいち腹を立てるな。」
ゆうじも止めに入る。
「とにかく、親御さんからはアンタに対する苦情は来ているんですからね?」
さくらはおバカに対して睨みつけて言う。
「けっ。」
おバカは左手の小指で鼻糞をほじくりながら足を組んで横柄な姿勢の座り方をする。
「いい?明日にでも親御さんの所へ謝罪に行かなかったら警察に身柄拘束される事になるわよ!?いいわね!」
そう言いたい事を言うと、さくらは部屋を出た。

「んで、どうすんだ?まあ、お前としちゃ善意でやったのに凶悪犯とされる謂れは無いんだろ?」
「当たり前だ!人の気も知らんとあのババアとあの二人のジジババどもめは!?」
「たがこのままでは拙い。一応、行くだけ行っておけ。但し無理に謝罪しろとは言わん。
相手の仲を取り持つ事を目的にしたのだろ?」
「ああ、そうだ。」
「なら、行ってあげればいい。行って相手を説得し、
むしろこちらの誠意を感謝して欲しいと言った方がいいだろう。言い方と接し方次第では
向こうも納得はしてくれるかも知れないしな?」
「それもそうだな。」
ゆうじは自分なりに上手くおバカを説得した。
翌日、おバカは二人の男子と女子のそれぞれの家の親御に赴いた。
無論、相手は予想したとおり感情的だったが、おバカのヤツは
超一流詐欺師も顔負けの言い回しが上手いのか相手方は
当初のおバカの事を今すぐにでも殴り殺しかねないほどの感情的だったのが
いつの間にかおバカのヤツと、まるで交流ぶりでもあるかのような盛り上がりのようだ。
別れ際には、又来てもいいよという歓迎ぶりのようだ。
これを聞いたゆうじは、やはりただの友人では無いという非凡さを
改めて感じ入られずに居られなかった。


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