自分で引用しておいてすぐに忘れてしまう今日この頃でございますが
『SARS-CoVの激しい呼吸器症状はウイルスの高い増殖に伴う直接的な細胞損傷というより、
ウイルスが誘発する宿主反応が大きく影響していると考えられている。
SARS-CoV感染で見られている肺炎は、
大量のサイトカインによる強い炎症反応に類似し、大量のサイトカインが産出され(cytokine storm)、その結果宿主の異常なまでの強い炎症反応を誘発した結果ではないかと考えられる。』
とありましたように、高齢者がSARS-Cov-2感染後に重篤化するのは、
感染によって生じた炎症反応が速やかに収まらないからだと思われます。
こども・若い人と高齢者の間の違いがここではないかと。
要するに、年をとってくると
風邪は治ったのに咳がずっと続く
とか
怪我した後傷が治るのに時間がかかるようになった
とか
疲労回復に時間がかかる
とか。
の延長線上にあります。
危険な副作用のある薬剤によってウイルスの増殖を抑制するより、
高齢であってもウイルスと闘うところまではできるので
(それができなくなった時点で寿命と私は考えています)
その後の炎症の処置が重要なように思われます。
ところで
子宮頸がんワクチンの副反応である自己免疫疾患について調べていたところ
自己免疫疾患なら治療は日本で受けたいと、
海外在住の日本人医者がTwitterで発言していたのを目にしたことがあります。
どうもこういうきめ細かい塩梅(制御)が必要な医療に長けた医師が日本にはいらっしゃるようです。
(そして、そのおかげで子宮頸がんワクチン被害者も亡くなる方が外国に比べるとはるかに少ないのかもしれないとその時は思いました。)
新型コロナウイルス肺炎が重症化するかどうかは、
ウイルスが消えた後の宿主の免疫の暴走(自己免疫疾患と共通)をいかに制御するかにかかっているのだとしたら
そんな日本の医師の腕のよさが、CTや人工心肺などの医療機器数が豊富なことと相まって
新型コロナウイルス肺炎による死亡者が日本で少ない理由になっているのかもしれません。
ところで最近話題になっているADE(antibody-dependent enhancement :抗体依存性感染増強現象)ですが、
論文報告されている
『動物実験においてSARSワクチン接種後、コロナウイルス感染よって誘発された臓器の損傷』は、
disease enhancement と呼ばれる現象で、
抗体依存性(antibody-dependen)かは結論されていないはずです。
・ADEについての総説はこちらにあります。