《以下引用》
「イラク西部アンバル県のアル・アサド空軍基地を訪問したブッシュ米大統領は3日、同行記者団に対し、「いまの成功が続けば、米軍の要員を削減しても同水準の治安を維持できるとの報告を受けた」と語り、今年前半からの部隊増派が成功しているとしたうえで、駐留米軍の削減の可能性についても示唆した。ロイター通信などが伝えた」(9月4日『産経新聞』)《引用ここまで》
ウソでしょ!といいたい。なにを持って「いまの成功が続けば」といっているのか、その根拠が全く薄い。Dod(国防総省)が毎日発表しているイラクにおける米軍兵士の死者数を見て、一体どこから「いまの成功が続けば」という言葉が出てくるのか。
今年の4月から8月までの数字。毎日平均3.5人が殺されている。2日に7人が戦死していると言うことだ。これで「成功」だといえるのか?ますます泥沼に追い込まれている、といった方が正しい見方だ。因みに、9月2日までの死者は、イラク開戦以来3742人に及ぶ。
ブッシュ大統領は兵士たちを前に、駐留米軍の削減を開始するときには、恐怖や失敗からではなく、強い立場から行う、と述べたという。つまり議会多数派となった民主党の攻勢を交わそうという狙いなのだろうが、裏腹にあるのはブッシュさんの弱気も見て取れる。
なんとか名誉ある撤退の道を探るには、いまのイラク情勢はアメリカがつけた道筋通りに進んでいる、と強調すれば民主党の撤退論にも与しやすいし、民主党に言われて撤退したのだ、という批判もかわせる。そういうことだろう。
背中を見せ始めた権力者というものは、いつもそうだ。なんとか花道を見つけ出そうとする。国民のためではなく、自らのために。ブッシュさんと安倍さんと、なんとも似たもの同士、とどうしても思ってしまう。
引き際が見物だ。
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