パナマンズのブログ ~頑張れ日本のおじさん おばさん~

仙台発 オリジナルジャパニーズレゲエバンドパナマンズの情報他、今考え、今感じることを綴るきまぐれな日記、コラムです。

しまたろう

2007-04-15 23:56:40 | コラム
「しまじろうだ~」そう言うと、娘はダッシュでかけだした。
 久々に来たリナワールド。
 以前は入園料がタダだったのだが、システムが変わったらしい。
 予想外の出費である。
「へー。でもしまじろう(うちの娘が大好きなベネッセの虎キャラ)の着ぐるみがいるなんて、なかなかリナワールドも頑張ってんじゃない?」と俺。
「でも、なんかちょっと違うみたいよ」と妻。
 よく見ると、顔の作りが微妙に違う。
 服も違う。
「うーん。ニセじろうか」
 そんなことはお構いなしに、娘は、奴と握手したり、ハグしたりして大喜びである。
 うちの娘は、とにかく着ぐるみが大好きなのである。
 でも、着ぐるみには本物(?)と中に人間が入っている偽物の2種類があると思っていて、たとえば、街中の店の前で、看板か何かを持っているクマの着ぐるみを見ると「あれって、中に人間が入ってるんだよね」と冷静に言うくせに、先日見た、どうみても出来悪すぎ!の人間の形に近いドラエモンの着ぐるみを見たときには「えー。ドラエモンわざわざここまで来てくれたんだー」としばし感激にひたり、記念撮影までした始末である。

 俺は観覧車の中で、俺はちょっと意地悪な質問をしてみた。
「ねえ、さきのトラさ、しまじろうと、ちょっとちがうんじゃない?」
「あれは、しまじろうじゃないよ、しまたろうだよ」
「しまたろう?」
「しまじろうのお兄さんだって言ってた」
「お兄さん」
 うーん。敵もなかなかやるもんである。
 
 その後、いろいろなアトラクションに乗り、帰り道またゲートへと向かう。
「あ、しまたろうだ!!」
 もうすっかりしまたろうの虜(とりこ)になってしまった娘は、またも奴とハグしたり、踊ったり、撫でたりしている。
 とにかくいい表情である。
「ねえ、パパも来なよ!しまたろうだよ、早く、早く」
 仕方なく、苦笑いをしながら近くに行くと、なんと娘と手をつないでいた奴は、俺にもう一方の手を差し出したのである。
 一緒に踊ろうの合図である。
 そして俺と、しまたろうと娘は、春の暖かな日差しの中で、丸くなって輪になって踊った(恥)。
 中にはどんな奴が入っていたのだろうか。
 なかなか、いい奴である。

 次の日は、買い物で、エアリに行った。
 そしてたまたま、サンリオの前を通りかかると、娘が半狂乱になった。
「キティーチャーン!!」
 今度はキティーの着ぐるみである。
 しかし、今回の奴は違った。
「500円の限定20人の写真撮影会なので、チケットの無い人はだめです」
 そう、冷たく言われた。
「あのーせめて握手だけでもだめですかね」
 悲しそうな表情の娘とは関係なく。
「うーん。だめです」との係員の冷たい返事。

「キティーチャーン!!」
 娘の号泣が始まった。
「キティーチャーン!!」
 5歳児の全身全霊?の鳴き声は凄まじく、すれ違う人すべての失笑をかっていたような気がする。
 だっこしてその場を早く立ち去ろうとした俺は、まるで誘拐犯のようであったに違いない。
「キティーチャーン!!」
 なめんなよ、キティチャン。限定何人、写真撮影500円、なんて言わないで、たくさんの子供とふれあって夢を与えるのが、あんたの仕事じゃないのか?
なあ、キティーチャン。

 

 

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