ようやく少しずつ春の足音が聞こえてきたこの頃、みなさんいかがお過ごしですか?
日本時間の9日午後、突然のニュースが飛び込んできました。
われらがドイツのヨアヒム・レーヴ監督(通称ヨギヨギ)が、今夏のEURO2020(2021年開催ですがUEFA規定の決定により、呼称は2020のままです)大会をもって代表監督を辞任すると公式に発表されました。
副監督としてドイツ代表に携わることになったのが2004年。
その2年後、2006年からヨギヨギの代表監督としてのキャリアがスタートしました。
本日現在、公式戦は189試合。そのうち勝利は120試合、引き分けは38試合、敗戦は31試合。
2016年には歴代最多勝監督の記録を更新し、現在も単独首位としてその記録をのばしています。
約17年の長いキャリアを、自らの意思で2022年の契約満了を前に終了することについてヨギヨギは「誇りと感謝の気持ちをもって、この一歩を踏み出します。同時に次のEUROに対する大きなモチベーションも維持している」とコメント。
「母国に関われるというのは、とても特別なこと。そして17年間、国内トップの選手たちと共にはたらき、その発展に同行することが許されたことを誇りに思っています。そこでは大きな勝利や痛々しい敗北がありましたが、2014年のW杯の勝利のみならず、多くの魔法のような瞬間がもたらされました。そのために常に最高の環境を整えてくれたDFBには感謝しかありませんし、今後も感謝し続けるでしょう」
「EUROに対しては無限の意志とエネルギー、勝利への野心を感じている。この大会で素晴らしい成功をおさめ、ファンのみなさんに喜んでもらえるように最善を尽くす。この気持ちはチーム全体にも伝わると思っています」とヨギヨギ。
目線を変えると今回の辞任の早期表明は、2018年以降不調が続くチームと低迷するファンの気持ちを奮い立たせるための“最終手段”ともいえます。さらに早めの報告で、DFBにとっては次のW杯を担う監督候補の選出に時間をもてるというプラス面も生まれました。
ヨギヨギの辞任表明にあたって、世論はおおむね感謝の意を伝えるものが多く、批判的な意見はごく一部とのこと。2000年代で初の頂点制覇、それも南米の地で世界を制したという大記録の立役者としての功績を称える声が、国内外からも届いています。
共に代表チームでの苦楽を共にしてきたビアビア(オリバー・ビアホフ独代表チームマネージャー)は、辞任の一報を受け「この17年、一緒に多くの成功をおさめてきました。彼の尽力によって、代表チームは信じられないほどの成長と進化を遂げたのです。今回の彼の決断を寂しく思いますが、いまはあえて別れについては考えません。これから夏までの間、彼の集中力とエネルギーはEUROのためだけに使われます。その共通の目標のため、我々は力を尽くして臨みます」と、その気持ちを述べました。
また、ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOは「彼の決断は多くの尊敬に値する。彼はそのキャリアの中でドイツサッカーに素晴らしい結果をもたらしてくれました。この夏、選手たちは彼にふさわしい別れのためにも、その役割をしっかり果たさなければならない」とコメント。さらにレヴァークーゼンのルディ・フェラーSDは「彼の決定をリスペクトする。W杯優勝はドイツのスポーツ界での偉大な成果だ。今夏のEUROは彼にとって最高のフィニッシュの舞台となるチャンスがある。我々は誰もが彼の成功を祈るよ」とメッセージを送っています。
ブンデスリーガ界でも、もちろん辞任が話題に。ゆりあんさん(ユリアン・ナーゲルスマンRBライプツィヒ監督)は「悲しいニュースですが、彼はまだ在職中。重要なのは彼が今も大きなトーナメントに取り組んでいることでしょう。ドイツサッカーに大きな影響を与え、一時代を築いた彼にとって、EUROが最高の終幕になることを願っています。そして彼が次に何に取り組むのかも、ね」とコメント。
ちなみに彼を含め、新たなドイツ代表監督候補は現在のところリバプールのユルゲン・クロップ監督、バイエルンのハンス=ディーター・フリック監督、チェルシーのトーマス・トゥヘル監督、U21のシュテファン・クンツ監督、元ドルトムント監督のリュシアン・ファーヴル氏、現在レッドブル・グループでサッカー開発に携わるラルフ・ラングニック氏、さらにドイツ代表OBからはマティアス・ザマー氏やローター・マテウス氏などの名前が挙がっています。
まあ、誰が次に就任しても若い選手そっちのけでセンター張れるお笑いキャラはいない……かな?
ほらー! センターがいないと、このおとなしさ!
やっぱりこのほうが、断然お笑い感で画が締まります!
そんなHUGO BOSSですが、代表関連では唯一松(マッツ・フンメルス選手)だけが現在も独占契約を結んでいます。
意外とモデルの副業で儲けているな、松よ……(⊚‿ ⊚)
いずれにせよ、ヨギヨギの代表監督としての最後の花道を飾るのはEURO2020。なお、5月ごろにテストマッチを含む代表戦が入ると考えたうえで、順当にいけばちょうどEURO決勝がヨギヨギにとって代表通算200試合目あたりに差し掛かります。
もう、すでに舞台は
整っているやんけー!!
このヨギヨギの“背水の陣”ともいえる決断を通して、現在の代表メンバーがどのように今後ふるまい、プレーするのか……。そしてEURO2020への布石がどんなものになるのか、まずは今月の代表戦招集メンバーの顔触れによって見えてくるものがあることでしょう。
目指すはもちろん優勝のみ。そしてもしEURO制覇が叶えば、ヨギヨギはドイツ統一後のW杯、コンフェデ杯、EUROを制覇した唯一の監督となり、ドイツサッカーの歴史にひとつの金字塔を打ち立てます。
狙うタイトルはただひとつ!
1972年、1980年、1996年に続く栄冠を、なんとしてもチーム一丸となって手中に収めることを祈るばかりです。
また、今回の辞任についての会見は現地時間11日に行われます。追ってその様子もお届けしますね。
では、また☆☆☆☆
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女性カメラマンによる白と黒の静謐な世界で表現された、2012年のEUROの記録。 レジーナ・シュメケン著 |
Hatje Cantz Verlag Gmbh |
2014年W杯のドイツ代表を完全記録した写真の豪華装丁版。 |
Edel |
2014年W杯のドイツ代表を完全記録。 |
Edel |
2010年W杯メンバーによる写真集。 エレン・フォン・アンワース著 |
Zeitgeist Media Gmbh |