勝手しったる方には怒られるかもしれませんが、中国都市部の経済発展を目の当たりにして「愕然とした」というのが今回の訪問の率直な感想です。
好きか嫌いかと問われると「好きではない」私が、10年以上続く「議会交流」を果たす議員団の1人として、初めて中国を訪問させていただきました。色々なご縁を頂戴いたしましたし、先方には歓待をいただきましたので、情が移っていることも確かですが、できる限り客観的にレポートをさせていただきたいと思います。
まずは
「青島市」
チンタオはここです。
山東省に位置する副省級市ではありますが、岐阜県とほぼ同じ面積に人口約900万人。都市部には400万人が集まっています。中国では人口では12番目の都市とのことであり、新潟と同格程度の都市規模なのかなあとも思っていましたが、全然違いました。
◆全然違うのは「人の規模」「都市の規模」
写真のとおり、インフラは我々の想像を超えるスピードで整備が進んでおりました。ハード面の「凄さ」においてはあきらかに青島市の方が格上。(建築の技術はマダマダと思いますが)ただし、新興都市の問題である交通、環境についてはまだまだ追い付いていないというのは、おそらく中国の他都市と同様であると容易に推測できます。都市部の車は350万台。ほぼ人口と同数です。人の気質もあるのだと思いますが、クラクション戦争の中、緊張感を持って運転しなければ必ず事故になるレベルです。都市交通はバス中心。地下鉄の建設も始まっており、2014年開通予定だったとのことですが、地盤が「岩」のため大苦戦を強いられている模様です。バスは半数が「電気」であったと思われます。
◆やっぱりPM2.5は気になります
PM2.5について、青島市は比較的に状態は良いとのことでしたが、当日は60レベル。日本の規定にははまっていません。快晴だとは思うのですが、なんとなく黄色がかった空が印象的でした。鼻をかんでも耳を掃除してもやはり「真黒」な状況。ただ、青島ではマスクをしている人はほとんどいませんでした。私は小学校4年の時に東京は目黒に住んでいたのですが、その時の空に似ているかな。当時は4~5キロ先の「東京タワー」がかすんで見えませんでしたから。
それにしても都市部の発展にはびっくり
◆意外だったのは都市部の「清潔さ」
新しい都市ということもあるのか、都市部は本当に綺麗でした。煙草はどこでも吸えるのですが、「ポイ捨て」は見当たらないですし、「痰」はきもそれほどでもない。いわゆる「ゴミ」は日本よりも無かったかと思います。これは「都市部」だからだとは思いますが、この「都市部」の広さは半端ではありません。国策としての「環境対策」も口だけではないのだなぁと感じました。
◆バイク、自転車はどこへ行った?
郊外はノーヘル、二人のりのバイクがちょこちょこ走っていましたが、おそらくこれは自転車代わり。「青島は坂道ばかり」という事情もあるのでしょうが、ほとんどが「車」でした。しかもBMW、ベンツ、そしてレクサスなど蒼々たる車がうじゃうじゃ。路駐はひどい状況で・・・。歩道にも停車しています。
◆人の生活感はあまり感じられず
1軒屋はほとんどありません。都市部は高層マンションのオンパレード。ここでは人の香りはいたしません。皆さんどこに住んでるのでしょう。という感じでした。ただ、よく言う「スラム街」のような郊外地域はほとんど目につかなかったというのが現状。農村部にいかないと解らないところまで開発が進んでいるのでしょう。
写真は郊外の開発の状況。鉄道敷設に苦戦しています。岩山掘るのも重機を移動させるのも大変です。
◆ドイツの香りと中国女性の
1900年代初頭。青島市はドイツの租借地として開発が進みました。その異国感は都市部とはちょっと一線を引いて残っています。教会の前ではウェディングドレスを着た女性が2~30人ほど。壮観です。カップルで撮影会をするのが定番だそうで。女性の結婚式への想いは万国共通ですが、その光景を見ていると「女性の強さ」は日本よりも「強烈」だと思いました。
(皆さんポーズがタレントです。私もカメラマンに混じりました。)
◆テレビ番組は53局、インターネットは遮断されました。
ホテルは日本と同等レベル。でも細かい所までは気が効いてはおりません。テレビは53局ありました。日本語は1局のみNHK。バスケット、バレーボール、サッカーが好きなんですね。当然ですが野球はどこもやってません。夜中はやはり戦争ものが多数。人民軍が日本国相手に戦っているシーンが目に余りました。インターネットは遮断。この時、中国にいることを実感します。
◆反日感情
青島は2012年に大規模な反日デモが起こりました。我々にもその時の映像の記憶があると思います。ただ、ガイドさんも言っていましたが、インターネットなどで情報が取れる市民、特に一般層はそれほど反日ではないのでは?これが実のところ正解なのだと思います。ただ「反日教育」についてはテレビも含め閉口です。
◆「なんで日本人が減っているの?」
多くの中国人が感じていることだそうです。実際に青島の邦人も3割減。観光客も大幅に減っています。実は尖閣問題などの領土問題、環境問題など我々の「事情」「感情」は先方にはあまり伝わっていない。少し日本の方の報道の方が「偏っている」のかも知れません。
◆ドラえもん、まるこちゃん、キティちゃんそして「ミッキー」
いっぱいいました。これは報道どおり。笑ってはいけませんが、笑えました。ただ「ミッキー」はいない。これはやはり日本の対応の甘さが起因しているのだと思います。
◆これからの新潟との関係は?
今は文化都市としての交流レベル。でもこれは大切なんだと思います。議員間交流も然り。今は細々ですが、やはり継続は大事だと改めて感じました。インバウンドは「ソフト」が大事。まだまだここには「日本の魅力」が詰まっています。新潟は何を軸にしていくのか。メディカルツーリズム、食、農、伝統技術、大陸的な彼らがこれから望むものは何なのか。少し先になると思いますが、「爆買い」だけが彼らの目的ではなくなることは間違えありません。本当の意味でのリゾート。これも整備が必要です。
新潟大学とも交流のある青島農業大学を視察。生徒数3万人。規模が違いますが、学術交流もまだまだ可能性は拡がっていると思います。
◆経済の行く先
経済については、新潟だけのレベルでは語れない何かがあります。多くの日本企業が進出していますが、今後はどうか。
「亀田製菓」さんもその企業の一つです。進出して10年以上が経過していますが、今は3代目。今までは技術系の方が現地法人の代表だったそうですが、初めて「営業系」の代表となったそうです。「米の菓子」を根付かせるのに苦労の連続との話もお聞きしました。
人件費の高騰などで、中国への経済戦略は大きく変化しています。「中国産」という文字が消えることもそう遠い話ではないようです。
消費先としての中国はやはり魅力ですが、国家としての信用がどうなるのか。
さて次回は
「延辺」へ。空路2時間。ロシアと北朝鮮のすぐそばです。寒さ対策を忘れた私に待っているものは・・・
中国訪問3日目。大都市青島からここ延辺へ。
写真のとおり北朝鮮との国境地帯。もう少し北へ行くとロシアに入ります。
◆延辺(エンペン)朝鮮自治州とは
中国 吉林省に位置する朝鮮族の自治州ですが、全人口約217万人のうち約6割が漢民族。朝鮮族は4割とその人口は逆転。
北朝鮮、ロシアと国境を接しており、青島と同じく平成20年以降、議員間も含め定期的に交流を行っています。
州都 延吉市は旧新潟市の人口とほぼ同レベルの54万人。都市規模も似ていると感じました。
3年前に約800億元(約1兆5千億)の投資で街を大規模開発。
◆寒さ対策を忘れ・・・
空港を降りて真先に思ったこと。
とにかく「寒い」
上着を着ていない私には過酷な寒さが待っていました。気温は8度ほど。夜は零下になりました。
◆延辺との関係は
下の看板は空港の前に設置されています。
この航路はご存知のとおり頓挫していますが、そう、行き先は「新潟」です
街はこんな感じです。整然とした新しい街。
◆「求めていた中国」がやっと目の前に
現地に進出している日本企業「北本電機」さんと「秀愛食品」さんを視察させていただきました。
最初は恥ずかしがっていた現地の方々も少しずつ会話が成立。
秀愛食品の坂本さん。次の日飛行機で一緒でした。
延辺には私が想像していた「中国」が存在していました。
◆人代の主任とは
メガネの方は人代常務委員会の主任、車光鉄氏。時間の関係でいきなり祝宴となりましたが、896万人を代表する人民の代表です。
車さんに親書をお渡しし、両市の関係の発展に向けて意見交換を行いました。
翌日、延辺の博物館を視察させていただき、帰路につきました。
延辺のまとめも後ほど。
早起きして内山議員と街を散策です。
都市部の発展は予想を遥かに超えるものでした。
写真は日本総領事館が入るビルの45階から撮影したものです。
快晴ですが、少しずつスモッグ。PM2.5は大したことないとのことですが、微妙です。耳掃除をした綿棒は真っ黒になりました。
さて、本日は少し郊外に足を伸ばし、お茶の工場と博物館を訪問。
博物館では、非売のお茶、紅茶を振る舞っていただきました。
昼食後、日本総領事館を訪問。
その後、青島人大、いわゆる議会を訪問。
その後、人大の方々との招宴で親好を深めました。
明日は空路で移動し、延辺自治区へ。
詳細はのちほどまとめます。
とにかくメール、FB、ラインなどは直ぐに遮断されました。
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