『日本書紀』神武天皇 16
卅有一年夏四月乙酉朔。皇與巡幸。因登腋上嗛間丘。而廻望國状曰。妍哉乎國之獲矣。〈妍哉。此云鞅奈珥夜。〉雖内木錦之眞迮國。猶如蜻蛉之臀呫焉。由是始有秋津洲之號也。昔伊弉諾尊目此國曰。日本者浦安國。＊細戈千足國。磯輪上秀眞國。〈秀眞國。此云袍圖莽勾爾。〉復大己貴大神目之曰。玉牆内國。及至饒速日命乘天磐船。而翔行太虚也。睨是郷而降之。故因目之曰虚空見日本國矣。
≪英訳≫
In the summer of the thirty-first year of the reign, on the first day of the fourth month, during the lunar year of 乙酉, the Emperor embarked on a royal tour. Ascending the hill of Waki-Kami-no-Hohoma, he gazed upon the shape of the land and exclaimed, “What a splendid country we have obtained! Though it may be narrow, it resembles a land where dragonflies engage in mating flights, with mountains linking and enclosing the nation.”
As a result, the name Akitsu-shima was given for the first time. In the past, Izanagi-no-Mikoto named this land, saying, “Yamato is a country of peaceful hearts, abundant fine weapons, and superior organization.”
Additionally, Ooanamuchi-no-Ookami bestowed the name “Country Enclosed by Beautiful Walls” upon it. Nigihayahino-Mikoto, riding the Ame-no-Iwafune, soared through the vast sky, descended upon this land, and named it “Yamato, the Land Gazed Upon from the Sky – a chosen land viewed from the heavens, a beautiful country.
≪この英文の和訳≫
天皇は在位31年の夏、4月1日〔乙酉の朔（ついたち）〕に御巡幸なさいました。腋上の嗛間（わきかみのほほま）の丘に登り、国のかたちを望みながら、「なんと素晴らしい国を得たことでしょう。狭い国ではありますが、蜻蛉（あきつトンボ）がトナメ（交尾）しているように、山々が連なり囲んでいる国ですね」とおっしゃいました。
これにより、はじめて秋津洲（あきつしま）という名前がつけられました。以前、伊奘諾尊（イザナギノミコト）がこの国を「日本（やまとは）心安らぐ国、＊良い武器が沢山ある国、優れて良く整った国」と名づけたことがありました。
また、大己貴大神（オオアナムチノオオカミ）は、「玉牆（たまかき）の内つ国（美しい垣のような山々に囲まれた国）」と名づけました。
饒速日命(ニギハヤヒノミコト)は、天磐船(あめのいわふね)に乗って大空を飛び廻り、この国を見てお降りになったので、名づけて「空見つ日本(やまと)の国（大空から眺めて、良い国だと選ばれた国・日本）」と呼ばれた。
＊細戈千足國「良い武器が沢山ある国」
「くわしほこ」は精巧な武器、「ちだる」は十分備わっている意》日本国の美称
(コトバンク)
考古学的な発掘調査や美術品の研究も、日本の鍛冶技術の発展と高い水準を裏付ける証拠となっています。神武天皇の時代にまで遡ると、具体的な武器や鍛冶技術に関する情報が限られているため、確定的なことは言えません。しかし、古代日本では鉄製品の生産が行われ、刀剣や甲冑の存在が確認されています。また、後世の歴史書や伝承によると、神武天皇の治世にも武器や戦闘技術が重要な役割を果たしていたとされています。これらの事実から、当時から鍛冶技術の発展や優れた武器の存在があった可能性が高いと考えられます。≪Chat AI≫
令和5年12月25日(月) 2023
