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頭の整理:自転車はなぜ逆走するのか

前回、前々回の論議をふまえて、次回掲載予定の「意見をはっきり言う」のをなぜ日本人が嫌うのか、あるいはできないかにまで思考を及ばせていきたいと思っていますので、未見の方はよかったら前回、前々回を読んでください。

時吉秀弥氏の著作「英文法の鬼100則」の中に「日本語:自分がカメラになって外の風景を映す言語」「英語:外から、もう一人の自分が自分を眺める言語」という認知言語学の話から考えてきました。

つい先ほど、私は横断歩道を渡るときに、はっきりと肩からまっすぐ手を挙げてわたりました。

すると中学生か小学生ぐらいの声で「手を挙げてわたってはる!」的な発言が、笑い声とともに聞こえてきました。

ふと小学校の給食の時間を思い出しました。

アイスかゼリーを私が食べていた時に、周囲の子が私の食べ方(スプーンをへこんでいる面を裏返して出す)のに注目し、はやし立てたことがありました。私からすると「へえー、みんなはこうして食べないんだ・・・、ほんまか?べつにどっちでもいいけどなあ」ぐらいの感覚で、ずっとそのまま悠然と食べ続けました。皆、私が無反応なので、はやし立てるのをやめました。隣にいたお調子者の子が「おまえ、強いなあ」と言いました。

こんなこともありました。

学級会の時に、いの一番に意見を表明して、あとはどうぞ、という感じでやっていたので、「お前は意見をはっきり言うからずるい」なんて言われました。その子は少しうらやましそうでもあったのです。

ぼく自身は、なんでみんな言わないんだろう、とむしろ不思議でしたが、横断歩道ではっきりと意思表示することをかっこ悪い、と子供ですら思うならそうだろうな、と思うのです。

例えば、日本でI have a pen とわざわざ言うのは、誰かが何かに書こうとしていて、ペンがないなあ、という動作をしたときでしょう。

しかも「ペン、あります」と言うと思います。

前回のお茶の例で言うなら、わざわざ主語を出してしまうと「私がお茶を入れ(てあげ)ました」というニュアンスが出てきてしまうわけです。

僕でもそんなことは言いません。せめて「お茶入れたよ」です。

僕が英語がそんなに不得意でなかったのは、ずっと西洋風の個人主義だったからかもしれません。

基準が、他者からも自分から見えているものを基準にしての表現、あるいは物の見方であったなら、そりゃあ英語が不得意なはずです。

文法が、世界の見方が違うからです。

 

それで表題の自転車はなぜ逆走するのか、ですが、逆に「車やバイクが逆走しないのはなぜか」という問いに変換します。

答えは、他の車・バイクが左側通行しているから、になります。

自分が左側通行のルールを守って走行している、と意識している人は少ないのではないでしょうか。

「車が動いている」あるいは「運転している」であって、ほかの人が左側通行しているかそれに倣え、としているのではないか、という仮説です。

もし自転車がたくさん左側通行していたら(物理的にも難しいですが)、逆走はしないはずです。

周囲に何もない(見えない)ので、左右どちらかを気にしなくなってしまうのではないか。
自分から見えている路側帯や歩道に近いところを通ってしまうのではないか、そのように考えてみました。

もし英語の思考様式で、自分を外から見るカメラがあったら、車やバイクと同じ方向に進もうと考えるのではないでしょうか。

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