さて、ホントに時間があって裸足になれる現場では、足のマッサージから始めます。
だいたいこんな説明をします。
第一にリラックスしてもらいたい、ということと、私たちは舞台に立ち演劇をする以上、身体をいかに動かすのかについても知らなければなりません。
音楽家が自分の演奏する楽器の作りについて良く知っているように、俳優もまた自分の商売道具である身体について知らなければなりません。
実際、小さい人体模型(骨)を持って来て説明してくださるアレクサンダーテクニークの先生もいらっしゃいます。
僕は機会があったら見てください、というだけですが。
さて足のマッサージですが、まずは土踏まずを片手で軽くたたきます。もちろん座ってあぐらをかき、片手は持ち上げて。
柔らかくしていくのが目的です。温めるのと。
次に足の指をまず触り引っ張ったり回したり揉んだりして足の指に気持ち良くなってもらいます。
この気持ち良くなる感覚を探すっていうのも、のちのち行うワークに関わっていきます。
片足五本の指が終わると片手五本の指を足の指の間に入れてぐるぐる回します。
この作業の間に、「足の指って長さが違うんですよねえ」とか「手と違って人差し指が長かったりしませんか」など、先ほどの楽器を知る要領で、いろいろ観察してもらいます。
足の裏最後に、かかとを揉んだり叩いたりしてあげます。
そのあと、足の裏を床につけてもらい感触を味わってもらいます。
この時によく、まあメンバー構成にもよりますが、ガンダム話をします。
第一話「ガンダム大地に立つ」とかプラモデルとか。
真に話したいのは、人間の足はガンダムみたく平べったい訳ではない、ということ。足の裏はべたーっと床にくっついてないということです。
いわゆる扁平足は疲れるようですね。
多分その場合でも完全についてはいないと思います。
ちなみにプラモデルのガンダムもかかとはあります。
この時に大体自分は創造説を信じている、という話をします。
人間は神が創造された傑作だと。
足の裏も本当にうまく創られているんだと。うまく立てるように。
実はこの話もあとで伏線になります。
私たちも創作する時に「必ず意図が必要になる」と。
「偶然は何も産み出さない。必然になるように創作しないといけない」→進化論は有機物のスープから偶然生命が生まれたとしている。
まあこのときは、「立つ」というのもリアクションなんですが、何に対するリアクションかわかりますか?と質問します。
これは僕の尊敬する俳優さんの受け売りなんですが、地球の質量が発生させる重力に対してです。
この重力も人間が動くのに実はちょうどいいんですね。もし少しでも重いとかなり大変です。(重力が倍になりましたっていう話をあとでするので)軽いと人間の生存に大事な大気が全部外に逃げていってしまいます。
という話をしたりもします。
ここで簡単に、僕は演技とはアクションとリアクションの積み重ねだと思うと、まとめておきます。
結構ここで話す内容は、よく考えるとわりと多いですし伏線張りまくりですね。
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