シアターゲーム2 その4
最後に加えられたボールは、僕自身は観客をあらわすんじゃないか、と考えています。
「僕自身は」と前置きするのは、演技をするのに観客を意識したほうがいいと考える派と、そうは考えない派と両方いるからです。
映像であったり、俳優は演技に没頭すべき、なりきるべきと考える人は、観客のことを意識しちゃうなんてとんでもない、と考えると思うと思います。
ですが、僕は完全に舞台の人なので、観客に届いたものが作品だし、観客のいる空間で演じられなければ意味がないと思うので、舞台作成の共同作業者として観客を意識したいです。
観客の意識がどこにあるのか、集中しているのかどうか、そういったことを気にしながらも、
俳優の意識は集中を持続している状態が望ましいのではないか、と思うのです。
このゲームで一番理解してもらいたいのは、そうしたとても複雑な動きを俳優がしている、意識を分散させながらのスーパープレイをしていることです。
それを体感し、理解してもらうことで、少しでも舞台俳優のすごさを実感してもらいたいなと思っています。そのようにして俳優の仕事への理解が社会的に広まっていってくれたら、と考えています。
ちなみに、このボールゲームは稽古の一環として、本名の代わりに役名を用いたり、実際にセリフを言ったりして行うものへと高度化していったりもします。
最近の「演技・演出演習」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事