On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

裏方ボランティアのこと

2006年07月03日 | 音楽活動
以前より時々除いているプロ音響組織のHP「日本音響家協会」のコラム欄「転載人語」には、いくつもの心得るべき文章が見受けられる。
ここです

まず、「音響家に求められるもの」と題された会長の文章には音響家の心得・役割が端的なコトバで綴られている。1つ引用しよう

「私たちの仕事は、技能だけで通用しない面がある。音響家の仕事は、芸術表現なのだが、演出家や音楽家の代理、または観客の代表という要素がある。」

私自身ライブにおけるPAオペレータ即ち自分の立場は最後の「観客の代表」であるべきと考えてきた。1つにはOn楽工房の起源が「自分が生の音楽に触れたいので」ということがあったこと。そしてもう一つは、なんのことはない、やってたら自然と分かるからである。自分が一番いいなというバランスにもっていく、それは自分が聞きたい形にコーディネートすることだから当然と言えば当然なのである。これは至極当然なのかも知れないが、やってる音楽(または演劇や講演会でも同じ)に個人として興味をもてない場合にはなかなか難しい物だ。聞きたくもない音楽を数時間に渡って聴かされつつその最適なバランスを探っていくって仕事のつらさは想像にかたくない。幸い私はその点では幸せな活動をしていると思う。何度も書いたけど私はPAオペレータとして一番上等の音を聞かせて貰っている。また一番良いところでそれを体験させて貰ってることも多い。私は観客の代表になりつつ最高の観客席に座らせて貰ってる訳だ。自分の感性・センスを何十人、何百人の方に押しつけねばならない立場であること、それは結構恐ろしいこともである。

また次の「丹波篠山における裏方ボランティアスタッフ誕生秘話」には相生でこれからホールスタッフの育成を考えているこの時期、とても参考になる事例としてよくかみしめておかねばならない文章が書きつづられている。

相生よりも人口的には小さな当時の丹波篠山市でたんば田園交響ホールを建設し、そこに財源的な問題からホールスタッフ、それもプロにちかいような人材を育成してきた経緯が綴られている。そこには昔からの根強い文化創作活動が根付いていたその都市の独自の風土はあるかもしれないが、相生でやれない訳はないように思う。

丹波篠山市でのステージオペレータ講座は以下のように始まった。

講座は舞台・照明・音響の機器操作を基本として、専門用語や舞台製作の基礎知識を週一回、全15回 (三ヶ月)学ぶのである。修了後はホールの専門職員がチーフをつとめている舞台・照明・音響の部門の一つを選択して、はれて裏方集団「ステージオペレータークラブ」に入会するのである。
講座終了した後も当然、現在にいたるまで各部門に分かれて研修を一ヵ月に一度は行っているのである。

げんざいは100名ほどの人たちが活動し、市民オペラの開催、貸し館業務、野外コンサートや自主イベント等までこなしているという。

現在、このような市民ボランティアによるホールスタッフはたつの市などでもされているようだが、相生市も今後そのような方向へと行くのであれば実績のある行政から学び、形だけではなく実務的、継続的に熱意を持ってボランティア活動が進められるよう旗を振って行く必要があるであろうし、そのための情報収集や橋渡しの役割を我がOn楽工房がやっていくということもかんがえたら良いのではないだろうか。

日本音響家協会という組織はあまりよく知らないのだが、今月高砂で行われるコンサートに裏方を募集していたので応募した。裏方は全てボランティアで、プロ音響家だけでなく学生や一般市民も参加していると聞き、また昔から名前だけはよく聞いていた「及川公生」という方から学んで居る方もおられるようでマイクセッティングなどを見てきたいと思う。(今回はビッグバンドである)
事務局の方から丁寧な返信を頂き「変に迷惑になるのでは」という想いも払拭されたのでコンタクトを取る意味もあり一度顔を出してこようと思っている。上に述べたようなホールスタッフの養成についても助言を頂ければいいのであるが。
また、この日本音響家協会では技量の認定講座を行っているようだ。ビギナーズコースあたりを受けてみたいと以前から思っているのだがなかなか開催されない(年1回全国のどこかで、って感じ)のが残念である。

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