On楽工房奮戦記byよっさん@アコギ

わたしの音楽活動、楽器、PA、読書についての勉強を綴ります。

相生ボイスフェスティバル2006

2006年12月23日 | コンサート
相生ボイスフェスティバル2006を無事に終えたので報告する。
今回のボイフェスは2年振り2回目の開催であったが、内容的なもの、特にテーマというのは前回とそれほど変えていない。人間の声ということでコンサートを行うと言う趣旨である。出演は合唱グループが3、ゴスペルが1、オープニングアクトに声の美しいという(私たちの勝手な解釈で)2組をお呼びした。
仕込は前日に少し準備したので朝9時入り。既に舞台関係の方は準備に掛かられていて、平台やバトンも降りて仕込に掛かっていた。音響機材は搬入済みだったので音出しをしてサウンドチェック。いつものようにホワイトノイズでのイコライジングののち、少し時間があったのでマイク(58)を使ってハウリングのチェックを行う。オモテの音と結構ハウリングを起こしやすい状況があり、この作業はリハ終了まで気が付くたびに行った。とてもデリケートなものだ。この作業をプロの方は自分の声だけで行うんだから、恐れ入る。

さてPA席は客席の中央通路の後ろ、3列ほどを占有させて頂きセッティングした。まず席と席の間の隙間に、テーブルを作る。高さ調整のために、箱馬を2台おき、その上に会議机を普通に立てる。机の天板と後席(実際に我々がオペのために座る席)との隙間を埋めるために巾60cmのベニアを天板にのせ、布テープで固定する。この上に卓と機材を並べるのだ。ここから下手袖までマルチケーブル(24ch+4リターン)を引っ張り、更に舞台後方を回ってもう1本マルチを上手まで送った。
返しはSX300(コロガシ)を主に用い再度フィルは補助程度で。メインSPはSX300を2台という構成である。

今回は生音で行うグループも多く、PAを全体的に行うのはハンドベル、オープニングアクトのNadjaさん、ぴゅあの3組、それにゴスペル。
ハンドベルは会議机3台に各1台ずつバウンダリーマイクを置く。マイクはゴムの集めのシートの上に載せてテープで固定。これにより振動を防ぐ事になった。出だしのリズムを取るのにカスタネットを叩かれるのでゴム無しでは強烈な音を拾ってしまうのだ。PCC160は大変収録範囲が広く、少々離れていてもいろんな音を拾ってくる。ハンドベルの音はそれはそれで結構な音を出しているのだがホール全体にステレオでPAする事にし、ミキサー上でサブグループに送った後ステレオのグライコをインサートして音を作った(というより気になる音やハウリング気味の音を削る感じ)。以前はスタンドマイクを沢山立ててPAしていたんだけれどバウンダリーにするとやはりすっきりして見栄え上ではベストであろう。
オープニングアクトのNadjaさんはフルコンのグランドピアノを使用、マイキングは蓋を開けて垂直下向きに2本(真ん中編と少し上のあたりの弦を狙う)。出てくる音はEQで調整。あとはPerc用マイクを1本とVo、というシンプルな構成だ。声量があるのでPAしやすい。返しはフロアモニター(SX300)を横に置く。
ぴゅあは3名(シンセ2,Vo3)シンセはDIでピアノ音と電子音の組み合わせであった。3名のハーモニーはリハの時にバランスを取ってゆくといきなり美しくなった。声量は違いがあるがPAで整える。やはりハモリは気持ちがいいね。また、割と和風なメロディなので私好みである。
ゴスペルは最初3名(全てスタンドマイク)、SEをバックに2曲とアカペラである。このグループは前回出てくれたFAKEの流れをくむ教室の生徒さんである。相当練習しているんだろう、期待以上にいい感じでやってくれるだろうと思った。
その後2人(夫婦)が上下(かみしも)から加わり5名、そして2名が入れ替わって残って歌うという趣向である。
ハーモニーAiはPTAから発生した女声合唱グループで、これもピアノはフルコンを使用しての生音でも伴奏(ノンPA)。人数は30名近くいるので声量もすごい。歌い慣れてるなと言う印象である。
バッカナーレは男性合唱、Venusは女声合唱グループだ。それぞれ10人、4人と少ない。以前はV&Bという混声合唱団がこの2つの合唱団のなかから結成されていて出演いただいたはずである。バッカナーレは夜楽祭にも出て頂いたし今年は結構あちこちで活躍されているはずだ。いずれも生音での演奏である。(MCのみマイクを通す)

リハーサルはほぼ時間通り(順序は狂ったが)の終えた。全部生音で行きましょうというグループもあったので私は主にオープニングアクト・ハンドベルに重きを置く仕事になった。

本番は各30分ずつ。思ったよりお客さんが少なくて(特に後半は)、いろいろ反省点も多いコンサートであったけれど、大ホールで自分たちで企画するコンサートは実質ボイスフェスくらいなものだから、スタッフ一同皆勉強になったであろう。集客の点で盛り上がりに欠けたような感じを皆思っているようだけれど、1つには相生で演奏の出来る喜びを出演者の皆が持ってくれたこと、そしていい音楽を来てくれた人に聞いてもらえたこと、事故もなく無事終えることができたことで良かったと思っている。
最後に前回同様合同合唱があり、On楽工房の若いメンバーが企画を担当していたのだが、オモテで持て居る限りとても楽しそうな、いい企画であったと思う。いろんが音の出る物を鳴らしながらの入れ替わりの合唱が見ていてとても良かった。惜しむらくは「終わり」の演出がうまくいかなかった(企画通りに行かなかったのかな?)のでエンディングという雰囲気があまり出てなかったように思う。最後のブラックアウトの所はうまかったけれど。「おじぎ」とか「間(ま)」とか、ね。満員のお客さんであれば、ほっといてもそう言う雰囲気になるのであろうけれど。

今回のボイフェスにご出演下さったみなさん(特に遠くから来て頂いたNadjaさんや藤田さん、ぴゅあのみなさん)、ステージセッティングを一所懸命してくださったバッカナーレはじめ出演者の方々、MCを長時間にわたりお願いした土居さんに御礼を申し上げます。そして見に来下さったお客さんに感謝申し上げます、またいい企画を練り直してホールでのコンサートを市民の手でやりたいと思います。
スタッフの皆さんお疲れ様でした。

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