火曜日の話。
吉祥寺でまずい昼飯をカッ食らった後、知人と別れ、デザインが一新されたステンレス製の冷たい中央線に乗って水道橋へ。
後楽園の場外で翌日の大井競馬の馬券を買う。ここには競馬新聞に赤ペンという、今ではほとんど見かけなくなってしまったオーソドックスな日本のオヤジ像を貫くナイスミドル達が集結している。今日は平日の昼間だ。
そのあと、何のあてもなくふらつく僕が吸い寄せられていったのは、何故か野球体育博物館。
別に野球好きじゃないし、どこの球団のファンっていうのも特にない。最近の選手の名前なんかほとんど知らないし、阪神の岡田なんてケガか何かで休養しているのかと思っていたらいつの間にか引退して監督になっていた。それぐらい僕は野球に関しては疎い。
400円の入場料を払い、入り口から階段を下りていくと、WBCの優勝記念の品々が並べられたショーウインドウが見える。その中にはイチローのスパイクやバット、出場した全選手の寄せ書きが集められた日の丸など、野球ファン垂涎のお宝が所狭しと展示されている。いくら野球オンチの僕でもWBCぐらいは見ていたので、これがとんでもないレアグッズだということぐらいは分かる。
そういえば疑惑の判定を連発したボブ・デービッドソン球審は今でも元気にやっているのだろうか。
そんなことを思いながら歩を進めると本塁打世界記録を持つ世界の王や
連続試合出場記録の鉄人・衣笠祥雄の現役時代のユニフォームが展示されているのに気付く。この人たちも国民栄誉賞をもらっているので何がどうすごいのかぐらいは知っている。
でもこの時点で館長からもし、「お客さん、この中から好きなの持っていきなよっ!」とか言われても、「いやぁ、荷物になるからいいです・・・」というぐらい、僕のテンションメーターは低い数値で小さな振幅を繰り返していた。
しかし次の瞬間、僕の視線はある企画展の順路表示に吸い寄せられた。
『1980年代のヒーロー展』
いつの時代も小学生の男子というのは十中八九、一度は野球というものに興味を持つもの。今はどうだか分からないが、少なくとも僕らの頃はそうだった。
僕の場合も御多分に漏れず、小学校の休み時間はハンドベース(バットの代わりに手で打つアレ)で盛り上がり、家に帰っても友人とジュースを酌み交わしながら時間も気にせずファミスタに明け暮れていた。
そしてそんなゲームの中に出てくる選手はまさしく僕らのヒーローだった。
うわ、バースのミットや。うちなぁ、バースめっちゃ好きやってん。
関西弁のボキャブラリーが驚くほど少ないのでこの辺でやめておくが、バースは本当に好きだった。きっかけは友人が持っていた野球カード。あのヒゲ面に見つめられた小学生の僕はこれまでにない胸のトキメキを感じた。つまり僕の初恋はランディ・バースだ。
他のチームの選手にも知らない名前はほとんどなかった。原、篠塚、中畑、クロマティ。ブーマー、秋山、屋敷、池山・・・。それまで点だった記憶が徐々に線になって繋がっていく。
完全にタイムスリップした僕は、何だか久しぶりに時間を気にせずファミスタでもやりたい気分になった。
吉祥寺でまずい昼飯をカッ食らった後、知人と別れ、デザインが一新されたステンレス製の冷たい中央線に乗って水道橋へ。
後楽園の場外で翌日の大井競馬の馬券を買う。ここには競馬新聞に赤ペンという、今ではほとんど見かけなくなってしまったオーソドックスな日本のオヤジ像を貫くナイスミドル達が集結している。今日は平日の昼間だ。
そのあと、何のあてもなくふらつく僕が吸い寄せられていったのは、何故か野球体育博物館。
別に野球好きじゃないし、どこの球団のファンっていうのも特にない。最近の選手の名前なんかほとんど知らないし、阪神の岡田なんてケガか何かで休養しているのかと思っていたらいつの間にか引退して監督になっていた。それぐらい僕は野球に関しては疎い。
400円の入場料を払い、入り口から階段を下りていくと、WBCの優勝記念の品々が並べられたショーウインドウが見える。その中にはイチローのスパイクやバット、出場した全選手の寄せ書きが集められた日の丸など、野球ファン垂涎のお宝が所狭しと展示されている。いくら野球オンチの僕でもWBCぐらいは見ていたので、これがとんでもないレアグッズだということぐらいは分かる。
そういえば疑惑の判定を連発したボブ・デービッドソン球審は今でも元気にやっているのだろうか。
そんなことを思いながら歩を進めると本塁打世界記録を持つ世界の王や
連続試合出場記録の鉄人・衣笠祥雄の現役時代のユニフォームが展示されているのに気付く。この人たちも国民栄誉賞をもらっているので何がどうすごいのかぐらいは知っている。
でもこの時点で館長からもし、「お客さん、この中から好きなの持っていきなよっ!」とか言われても、「いやぁ、荷物になるからいいです・・・」というぐらい、僕のテンションメーターは低い数値で小さな振幅を繰り返していた。
しかし次の瞬間、僕の視線はある企画展の順路表示に吸い寄せられた。
『1980年代のヒーロー展』
いつの時代も小学生の男子というのは十中八九、一度は野球というものに興味を持つもの。今はどうだか分からないが、少なくとも僕らの頃はそうだった。
僕の場合も御多分に漏れず、小学校の休み時間はハンドベース(バットの代わりに手で打つアレ)で盛り上がり、家に帰っても友人とジュースを酌み交わしながら時間も気にせずファミスタに明け暮れていた。
そしてそんなゲームの中に出てくる選手はまさしく僕らのヒーローだった。
うわ、バースのミットや。うちなぁ、バースめっちゃ好きやってん。
関西弁のボキャブラリーが驚くほど少ないのでこの辺でやめておくが、バースは本当に好きだった。きっかけは友人が持っていた野球カード。あのヒゲ面に見つめられた小学生の僕はこれまでにない胸のトキメキを感じた。つまり僕の初恋はランディ・バースだ。
他のチームの選手にも知らない名前はほとんどなかった。原、篠塚、中畑、クロマティ。ブーマー、秋山、屋敷、池山・・・。それまで点だった記憶が徐々に線になって繋がっていく。
完全にタイムスリップした僕は、何だか久しぶりに時間を気にせずファミスタでもやりたい気分になった。
野球好きなのに行った事無いんだよね。
中央線の新車いいでしょ?