落札

2006-07-10 23:39:13 | 競馬
 今日は休みだったので、かき氷を食べながらCSで放送していた「セレクトセール」の模様を眺めていた。

 このセレクトセールというのは毎年この時期に行われているサラブレッドのセリのことで今日がその初日だった。サラブレッドというのは牧場で生産され、それを馬主が購入することでビジネスが生まれる(牧場自体が馬主となることもある)。そこで生産者である牧場がこういったセリを通じて販売し、馬主(会社であったり個人であったりする)が購買するのだ。そしてこの世界最大級のセリには国内外から目の肥えた馬主たちがお目当ての馬をゲットしに多数やってくる。

 今年は昨年生まれた1歳馬が約170頭、今年生まれた当歳馬が約300頭上場されている。

 さて、サラブレッドの値段というのは一概にいくらとはいえない。父が有名な馬だったり、兄弟が好成績を残していたりするような血統のいい馬は当然高額で取引され、1億円を超えることもざらではない。逆に血統がイマイチだったり、見るからに貧相な馬だったりすればお値段は少し落ちる。といっても庶民が気軽に買える金額ではなく、今日上場された中で最も安く落札された馬でも700万円だった。

 だったら血統のいい馬だけを買えばいいような気もするが、父も母も無名だったサラブレッドが、先述のような良血のお坊ちゃまを負かしたりすることもあるのだ。たとえば木村拓哉・工藤静香夫妻の長女・心美ちゃんがアイドルオーディションを受けたものの、田舎の農家の一人娘に打ち負かされてしまった、みたいなことが実際の競馬ではけっこう起こりうる。そこが競馬の面白いところだ。

 ちなみに今話題のディープインパクトもこの4年前のこのセールに上場されていて、当時7000万円で現在の馬主に落札されていた。

 そして今日のセールでの最高価格は「ヴェイルオブアヴァロンの2005」という馬の2億500万円。なお、1歳馬というのはまだ名前がついておらず、母馬の名前&生まれた年という風に表記される。この馬の母ヴェイルオブアヴァロンというのはディープインパクトのお姉ちゃんにあたる。それを考えればこの価格も納得できる。

 さらに今日は、今やバラエティ番組でもおなじみの関口房朗氏が8頭ものサラブレッドを購入した。他の馬主たちだとジリジリとしか値が上がらない中でも、この人の「1億!」などという威勢のいい一言で即決してしまうのだからすごい。結局今日購入した馬の総額は5億350万円。多分一個人としては今日、日本で一番買い物をした人だろう。しかもセールはあと2日あり、明日以降もまだ何頭か買うはず。一体この人の財布はどうなっているのだろうか。

 馬一頭に億単位の投資をするというのは我々庶民の感覚からは想像もつかないことではあるが、人間をそこまで虜にするサラブレッドという生き物が美しい芸術品であることは少し分かる気がする。