雨の中でもディープインパクトは飛んだ。
阪神競馬場の馬場改修工事のため今年は京都競馬場が舞台となった第47回宝塚記念。ディープが勝つのは火を見るより明らかなので、今回は東京でテレビ観戦にしようかとも思ったが、やっぱりじっとしていられなかった。そんなわけで今年3度目のディープ応援旅行が始まった。
本当は土曜の夜に新幹線で京都入りして一泊という予定だったのだが、昨日は何だか早く横になりたい気分だったので、大阪行きの寝台急行で京都を目指すことにした。仕事場から直接東京駅に向かい、23時発の列車に乗り込んだ。けっこう疲れていたのでベッドに横になるなり意識が薄れていく。列車が動き出したのは何となく覚えているが、僕が次に目を覚ましたのは翌朝、滋賀県の大津に着いた頃だった。そして朝7時前に京都に到着。京都競馬場に着いたのはちょうど開門時刻の7時半くらいだった。
ある程度は予想していたが、やっぱり大行列ができていた。朝から雨模様だったにも関わらず、よくもまあこんなに人が集まるものだと感心させられる。さらに場内に入るとディープの勝負服をあしらったTシャツを着た人がけっこういる。まるでW杯のサポーターのような感じだが、これもいわゆる「ディープ現象」というやつだろう。
雨は昼を過ぎてもやむ気配はなく、むしろ強くなっていく。今回の宝塚記念でディープインパクトの最大の敵は雨だったはずである。俗に「飛ぶ」と形容されるだけあってディープの走りは他馬より歩幅が大きいのが特徴。つまりその分、馬場がぬかるむと脚を取られやすくなるということだ。そして実際、この点を死角として不安視する声はけっこうあった。
いよいよ宝塚記念のスタート。ゲートもだいぶ上手くなってきたようで、出遅れることなくスムーズに出た。そしてディープはこれまでにないほど落ち着いて後方を追走。そして勝負所から一気に前を捕らえると、直線は突き放すだけだった。結局2着とは4馬身差。雨などまるで問題にせず、これまで以上に完勝であり圧勝だった。
この馬がものすごい脚を使うというのは日本中が知っている。そしてディープインパクトには「英雄」「最強馬」「空飛ぶサラブレッド」といったさまざまなニックネームがつけられる。そう考えるとファンの楽しみは馬券を買うよりもその強さをどう形容するかだけにあるような気がする。そしてそれはその領域に達した馬にしか与えられない特権だろう。
この秋、いよいよディープインパクトは世界最高峰のレースである凱旋門賞へ挑戦する。最高の馬で、最高の舞台に挑めるチャンスなどそうあるものではない。ましてや次にディープインパクトのような馬が誕生するのは何十年先になるかわからない。僕の生きているうちでは今回がもしかしたら最後のチャンスになるかもしれない。
10月1日、フランス・パリのロンシャン競馬場。「Deep Impact」の名が世界に響き渡るその瞬間を、是非ともこの目で見届けたい。
阪神競馬場の馬場改修工事のため今年は京都競馬場が舞台となった第47回宝塚記念。ディープが勝つのは火を見るより明らかなので、今回は東京でテレビ観戦にしようかとも思ったが、やっぱりじっとしていられなかった。そんなわけで今年3度目のディープ応援旅行が始まった。
本当は土曜の夜に新幹線で京都入りして一泊という予定だったのだが、昨日は何だか早く横になりたい気分だったので、大阪行きの寝台急行で京都を目指すことにした。仕事場から直接東京駅に向かい、23時発の列車に乗り込んだ。けっこう疲れていたのでベッドに横になるなり意識が薄れていく。列車が動き出したのは何となく覚えているが、僕が次に目を覚ましたのは翌朝、滋賀県の大津に着いた頃だった。そして朝7時前に京都に到着。京都競馬場に着いたのはちょうど開門時刻の7時半くらいだった。
ある程度は予想していたが、やっぱり大行列ができていた。朝から雨模様だったにも関わらず、よくもまあこんなに人が集まるものだと感心させられる。さらに場内に入るとディープの勝負服をあしらったTシャツを着た人がけっこういる。まるでW杯のサポーターのような感じだが、これもいわゆる「ディープ現象」というやつだろう。
雨は昼を過ぎてもやむ気配はなく、むしろ強くなっていく。今回の宝塚記念でディープインパクトの最大の敵は雨だったはずである。俗に「飛ぶ」と形容されるだけあってディープの走りは他馬より歩幅が大きいのが特徴。つまりその分、馬場がぬかるむと脚を取られやすくなるということだ。そして実際、この点を死角として不安視する声はけっこうあった。
いよいよ宝塚記念のスタート。ゲートもだいぶ上手くなってきたようで、出遅れることなくスムーズに出た。そしてディープはこれまでにないほど落ち着いて後方を追走。そして勝負所から一気に前を捕らえると、直線は突き放すだけだった。結局2着とは4馬身差。雨などまるで問題にせず、これまで以上に完勝であり圧勝だった。
この馬がものすごい脚を使うというのは日本中が知っている。そしてディープインパクトには「英雄」「最強馬」「空飛ぶサラブレッド」といったさまざまなニックネームがつけられる。そう考えるとファンの楽しみは馬券を買うよりもその強さをどう形容するかだけにあるような気がする。そしてそれはその領域に達した馬にしか与えられない特権だろう。
この秋、いよいよディープインパクトは世界最高峰のレースである凱旋門賞へ挑戦する。最高の馬で、最高の舞台に挑めるチャンスなどそうあるものではない。ましてや次にディープインパクトのような馬が誕生するのは何十年先になるかわからない。僕の生きているうちでは今回がもしかしたら最後のチャンスになるかもしれない。
10月1日、フランス・パリのロンシャン競馬場。「Deep Impact」の名が世界に響き渡るその瞬間を、是非ともこの目で見届けたい。