「鍋グランプリ'07冬」結果報告

2007-01-08 18:43:27 | 料理
 去る3日、我が家にて恒例の「鍋グランプリ」が開催された。

 これは高校時代の仲間を呼んで不定期に行われるもので、自分たちが美味しいだけではなく、世界に出しても恥ずかしくない鍋を作ろうではないかという僕の熱い思いに参加者が賛同した形で始められたもの。今回はその第4回大会の模様をお届けしたい。

 これまでの経緯から説明すると、2回目までは非常に高いレベルで安定した鍋が提供され続けた。これは参加者全員が強いモチベーションを維持し続けたこと以外には理由が考えられない。

 しかしそれが崩れたのが前回の第3回大会だった。前の2回が適当に具材を放り込んだ割には美味しくできたということで、参加者の中に「今回も適当にやればうまくいく」みたいな根拠のない自信があった。その結果としてどんよりした色の不気味な鍋になってしまい、それを誤魔化すために自然と進んだ酒によって最後はグズグズになってしまった。

 前回、薄味にこだわるがあまりにスープ作りに失敗した教訓を生かして今回は市販の「ちゃんこ鍋スープ」を用いた。これがあればスープの味にまず間違いはない。

 しかし思わぬところに落とし穴が待ち受けていた。

 今回の出席者は僕を含めて8名。1つの鍋にこれだけの人数が集えば当然スープの減りも早くなり、鍋の中は常に渇水状態となる。そしてこれを補うために何度も水を注ぎ足しにいかなければならないので、鍋に集中できない。後から考えればここで集中力を途切れさせてしまったのがいけなかった。

 水を足すということはその分スープの濃度は薄まる。そこで味噌、醤油、本だし、鶏ガラスープの素、などを次々に入れて何とか味を保とうとするのだが、入れれば入れるほど味が乱れていく。この時点で鍋のレシピを大幅に無視して僕らは旅立ってしまった。

 最終的にはせっかく買ってきた「ちゃんこスープ」の味は微塵もなくなり、味噌汁に鍋の具材が入っただけのような謎の鍋となってしまった。

 さらに今回はあるべきはずのないものが鍋に投入されるという忌忌しき事態が起こった。酒の入った参加者の一人がテーブルに置いてあったサラダからミニトマトを徐に箸でつまむと、何の躊躇もなく鍋の中で放り込んだのだ。爆ぜたミニトマトの残骸を引き上げる作業ほど悲しくなるものはない。 
 
 とどめは「ビール」や「かっぱえびせん」といった救出不可能なもののダイブだ。ビールは液体なので一瞬のうちに鍋に広がり、かっぱえびせんもまた水を吸ってとろりとなっているので、一見油揚げのようでもあるが、やはり食べることは出来ない。 

 「Don't put Kappa Ebisen in Nabe!」

 今回はこれを強いメッセージとして世界に放ちたい。

【写真】ミニトマトを中心とした渇水に喘ぐ具材たち

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