日本の半導体産業が再生する戦略 (2023年1月8日)
昨近、日本の経済低迷の原因の一つとして半導体産業の衰退が騒がれています。余りにも遅すぎた感がしますが、今日はこの半導体産業を再生し40年前の日本の勢いを取り戻す戦略を考えてみたいと思います。
40年前(1980年頃)と言えば、日本の家電製品や車が世界を席巻していた頃です。私は、カラーテレビ技術の先生(米国RCA社)から もう学ぶ事は無くなったと思っていた頃でも有ります。(カラーテレビの包括特許契約も無くなる頃です)
◆45年前の日本(1975年頃)
今から45年前(アナログカラーTVの時代)私はデジタルチュニングシステムを開発し、アナログカラーテレビに搭載する事を目指しましたが、日本国内には、適当なCPUが無く米国のTI社(テキサス・インスルメント社)のものを使用する事を考えましたが、従来よりTVに使用する半導体は東芝、日立、NECと決めていましたので外国産の半導体をいきなり採用する事は出来ませんでした。
幸いTI社は、九州に半導体工場を持ち稼働していましたので、工場の品質管理、生産管理状態をチェックする事が出来ました。(半導体技術後進国の日本に於いて生意気な行動と思われますが、これが日本流です)TI社は快く応じてくれました。
最も問題なのが品質、歩留まり規定です。
特にLSIの様に集積度の高い部品の品質は、日本では100%良品で有ることを条件としていますが、米国では、0.2%迄OKという規定でしたのでこれで押し問答していたら製品化が出来ないと考えた私は、TI社の日本営業の人達にSHARP内で全数検査(良品)をおこなってもらう事を提案・了解してもらいました、TI/SHARP両社の出荷&受け入れ条件をクリアーする事が出来た訳です。(検査装置はSHARPが準備いたしました)TI社の人達に会うと、私の事を黒幕?と言い歓待してくれます。
★アナログカラーテレビ時代の「デジタルオートチュニングシステム」米国特許
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数年後ポータブルビデオ開発(VHS方式)時には、こんなことをしなくても日本の基準で納入してくれ、大量にTI社の半導体(LSI)を採用した記憶が有ります。
(参考)VHSグループ;日本ビクター、松下電器(現パナソニック)、日立、三菱電機、シャープ、アカイ(性能、品質、互換性等規格・基準策定メンバー)
日本の得意分野:アナログ半導体 米欧の得意分野:デジタル半導体
⇐PHILIPSの家庭用ビデオも小生担当のOEM商品です。
◆令和の日本戦略
半導体の現状分析をすると、超大型半導体(超大型集積回路技術)は、米国が世界TOP。又超精細加工技術は、台湾、韓国と言われている。
周回遅れの日本は、この二つの技術分野で世界を制する事は並大抵の事ではない、追いつけ追い越せで頑張って欲しい。
ではどんな戦略が日本に相応しいかと言えば、COP27で求められている省電力(省エネ)技術に尽力する事が21世紀技術として相応しいと考えます。例えば半導体材料の開発、CPUの演算部分の光演算処理技術(超高速演算技術)等が考えられます。
⇒持続可能な開発目標
頑張れ日本の若手技術者!!
以上、N.Minoura
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