ようやく暑さも和らぎ、朝夕は随分涼しくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
「宮尾洋輔 冨樫葉子 展 ーガラスのきもちー」(ギャラリーYUNOR/白金台)は、9月13日に終了し、搬出も無事に終える事ができました。お越し下さいました皆様、ありがとうございました。
皆様からの暖かいお言葉やアドバイスをいただき、大変励みになりました。またより成長して発表出来るよう研究を重ねたいと思います。
さわやかな秋を過ごされますよう、どうぞご自愛下さい。 宮尾洋輔 冨樫葉子
展覧会の報告も兼ねて作品の一部をご紹介させていただきます。
展覧会をさせていただいたギャラリーYUNORは、白金台のプラチナ通り沿いで緑が気持ちの良い洗練された街並にあります。
今回は全体的に大きな作品を展示するため、ガラスを天井から吊るす為の金具や壁面に重いガラス作品を固定する為の壁の制作、それぞれの作品に合わせた展示台まで制作していただいて、搬入してから設置が完成するまで3日間をかけた私達にとっては大掛かりなものとなりました。
そして迎えた初日のオープニングレセプションでは、沢山の方々にお越しいただきました。話をするのをあまり得意としない私達ですが、ギャラリーのSさんにリードしていただいて何とか作品についての思いをお伝え出来たかな?と思います。
1階には冨樫葉子の作品を展示しました。ガラスフォログラムという技法を使った平面や立体作品を中心に、吹きガラスの作品も。たっぷりと贅沢な空間をいただいて作品の前を行ったり来たり、グルグル回ったり。。
「深々と」 -幼い頃に見た故郷の冬。周りを回りながら見る事で、雪が舞い落ちてくるように(映像のように)見えます。
「シロツメクサ」 -ながく時間をかけて咲ききるシロツメクサ。
左右に動きながら見ると、中心から外側へ向けて花びらが開花していくように見えます。(左、中央、右側から一つの作品を見て)
「自然の形から~ドローイング~」 -春先に1枚の葉もない硬い枝から芽が出てくるエネルギーと、自分の息(エネルギー)を吹き込んで形を作る吹きガラスの技法が重なり、自然の形を観察して得たアイディアやフォルムをドローイングするように制作しました。新たな試みを発表して色々なご意見をいただくことが出来ました。
2階には宮尾洋輔の作品を展示しました。
板ガラスを使った透明な世界です。 道路側の壁が一面ガラス張りの明るい空間で、ガラスの作品と外の緑が引き立て合って魅力的な効果が生まれました。
一番大きな作品は、実際に住宅にはめ込んだものを外して展示させていただきました。
建築にはめ込む為の大きなサイズを作る事が技術的に可能になりましたので、実際の大きなサイズを展示し体感していただく事が今回の目的の一つでもあります。
夜間も2階の明かりを落とさずに外を通る人からも見ていただきました。
「二重の花器」 -1枚の板ガラスを熱によって変形させています。ゆったりとしたカーブを描き空間に舞い降りたようでした。
どんな風に使おうか、お越しいただいた皆様とアイディアを語り合えるのも器の魅力のひとつです。
「コンポート」 -ガラスの表面に付けた僅かな凹凸が、台の上に鮮やかな影を演出しています。ガラスは光の当て方でガラリと表情を変えます。
「stool -fate-」 -これも1枚の板ガラスを変形させて作ったスツールです。「座る」為にどのような形が一番強度を持つか考え、試行錯誤した作品です。座ってみるとひんやりしていて夏には丁度良いのですが、それだけでなく、何か柔らかいものに座ったような、包まれるような安心感があります。
今回、ギャラリーの方々には大変お世話になりました。約半年間の間、ギャラリーの皆様に工房へ何度も足を運んでいただき、作品についての感想をいただいたりどのように設置するか相談し、金具の強度テストも行いました。
迷っている時にもそっと背中を押していただきました。
作品について客観的に見る機会をいただき、とても大切な展覧会になりました。心より感謝しております。
会期終了時にギャラリーのKさんからいただいた、「もっともっと、もっと!大きくなって下さい。」という言葉が胸に響いています。
(T)