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宮冨 miyatomi ガラスと日々あれこれ 

神奈川県足柄上郡松田町寄(やどりき)にある宮冨ガラス工房の活動や、日々のあれこれを綴っています。

宮尾洋輔 冨樫葉子展 終了しました。

2013-09-26 10:45:40 | 日記


ようやく暑さも和らぎ、朝夕は随分涼しくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

「宮尾洋輔 冨樫葉子 展 ーガラスのきもちー」(ギャラリーYUNOR/白金台)は、9月13日に終了し、搬出も無事に終える事ができました。お越し下さいました皆様、ありがとうございました。
 皆様からの暖かいお言葉やアドバイスをいただき、大変励みになりました。またより成長して発表出来るよう研究を重ねたいと思います。
 さわやかな秋を過ごされますよう、どうぞご自愛下さい。   宮尾洋輔 冨樫葉子





展覧会の報告も兼ねて作品の一部をご紹介させていただきます。





展覧会をさせていただいたギャラリーYUNORは、白金台のプラチナ通り沿いで緑が気持ちの良い洗練された街並にあります。




今回は全体的に大きな作品を展示するため、ガラスを天井から吊るす為の金具や壁面に重いガラス作品を固定する為の壁の制作、それぞれの作品に合わせた展示台まで制作していただいて、搬入してから設置が完成するまで3日間をかけた私達にとっては大掛かりなものとなりました。





そして迎えた初日のオープニングレセプションでは、沢山の方々にお越しいただきました。話をするのをあまり得意としない私達ですが、ギャラリーのSさんにリードしていただいて何とか作品についての思いをお伝え出来たかな?と思います。




1階には冨樫葉子の作品を展示しました。ガラスフォログラムという技法を使った平面や立体作品を中心に、吹きガラスの作品も。たっぷりと贅沢な空間をいただいて作品の前を行ったり来たり、グルグル回ったり。。



「深々と」  -幼い頃に見た故郷の冬。周りを回りながら見る事で、雪が舞い落ちてくるように(映像のように)見えます。



「シロツメクサ」 -ながく時間をかけて咲ききるシロツメクサ。



左右に動きながら見ると、中心から外側へ向けて花びらが開花していくように見えます。(左、中央、右側から一つの作品を見て)





「自然の形から~ドローイング~」 -春先に1枚の葉もない硬い枝から芽が出てくるエネルギーと、自分の息(エネルギー)を吹き込んで形を作る吹きガラスの技法が重なり、自然の形を観察して得たアイディアやフォルムをドローイングするように制作しました。新たな試みを発表して色々なご意見をいただくことが出来ました。



2階には宮尾洋輔の作品を展示しました。
板ガラスを使った透明な世界です。 道路側の壁が一面ガラス張りの明るい空間で、ガラスの作品と外の緑が引き立て合って魅力的な効果が生まれました。
一番大きな作品は、実際に住宅にはめ込んだものを外して展示させていただきました。
建築にはめ込む為の大きなサイズを作る事が技術的に可能になりましたので、実際の大きなサイズを展示し体感していただく事が今回の目的の一つでもあります。

夜間も2階の明かりを落とさずに外を通る人からも見ていただきました。



「二重の花器」  -1枚の板ガラスを熱によって変形させています。ゆったりとしたカーブを描き空間に舞い降りたようでした。
どんな風に使おうか、お越しいただいた皆様とアイディアを語り合えるのも器の魅力のひとつです。



「コンポート」 -ガラスの表面に付けた僅かな凹凸が、台の上に鮮やかな影を演出しています。ガラスは光の当て方でガラリと表情を変えます。





「stool -fate-」  -これも1枚の板ガラスを変形させて作ったスツールです。「座る」為にどのような形が一番強度を持つか考え、試行錯誤した作品です。座ってみるとひんやりしていて夏には丁度良いのですが、それだけでなく、何か柔らかいものに座ったような、包まれるような安心感があります。


今回、ギャラリーの方々には大変お世話になりました。約半年間の間、ギャラリーの皆様に工房へ何度も足を運んでいただき、作品についての感想をいただいたりどのように設置するか相談し、金具の強度テストも行いました。
迷っている時にもそっと背中を押していただきました。
作品について客観的に見る機会をいただき、とても大切な展覧会になりました。心より感謝しております。

会期終了時にギャラリーのKさんからいただいた、「もっともっと、もっと!大きくなって下さい。」という言葉が胸に響いています。


(T)

宮尾洋輔 冨樫葉子 展 ~ガラスのきもち~

2013-08-14 23:12:19 | 日記

毎日暑いですね。
お休みとあって、河原は水着の子ども達や、バーベキューを楽しむ人々で賑わっています。

私達は猛暑のなか、炎の中のガラスと格闘して(戯れて?)います。気温50度を超える世界です。先日はあまりの暑さに川に10分間浸ってクールダウン。。。
とはいえ、来週から二人の展覧会が始まるので最後の追い込み!

今回の展覧会では、宮尾は板ガラスを特殊加工し、インテリアを意識した大型の作品(高さが2メートルを超えます)を中心にガラスの透明感を損なわずにしなやかな曲線を描く作品(スツールなど)を展示します。冨樫は2004年から研究しているガラスフォログラムというオリジナルの技法を使った平面と立体の作品や、吹きガラスにも少数ですが挑戦しています。ギャラリー1階に冨樫葉子の作品、2階に宮尾洋輔の作品を展示する予定です。

ギャラリーの方々の心強いバックアップもあり、何とか良い展覧会にしたいと最後まで追い込んでいるところです。
会期も長く、会期中お休みなしですので、是非ご高覧下さい!



会期:2013年8月23日(金)~9月13日(金) 11:00-18:00 (会期中はお休みなし)
場所:ギャラリーYUNOR
東京都東京都港区白金台5-15-1 tel 03-6450-4550


詳細はまた報告いたします。
良い夏休みを!

夏の到来!

2013-07-09 20:09:45 | 日記



梅雨明け宣言も間もなく、猛暑がやってきました!
まだ心の準備が出来ていないのですが。。

5月、6月に山形県庄内で展覧会をした後も、色々と嬉しいお知らせがありました。



作品やガラス創作体験の記事が掲載されたり、



お手紙や写真、手作りのジャムなどを送っていただいて、
とても嬉しくて励みになっています。ありがとうございます!

また、この夏の間に庄内で2カ所作品をお取り扱いいただきます。






◯2013/7/21(日)~2013/9/1(日)酒田市美術館(山形県酒田市)
ルーヴル美術館の銅版画展の期間中にグラス、アクセサリー等を販売しています。

◯夏期 ケトルワン(山形県鶴岡市)
主に風鈴、器等を販売しています。


庄内の夏の景色も格別です。名産品「だだちゃまめ」もお盆頃からいただくことが出来ます。夏の小旅行にいかがですか?

心頭滅却すれば火もまた涼し!って学生の頃よく聞いた(言ってた?)けど、これです。今必要な心の持ち方。。暑い夏も元気に乗り切りましょう!



庄内での展覧会と鶴岡アートフォーラムのワークショップ(まとめ)

2013-06-14 20:59:19 | 日記
とうとう、今年も「暑いなあ」と口に出してしまうような季節がやってきました。
雨が降っているのでまだホタルは見れていませんが、カエルの合唱で日中よりも夜の方が賑やかです。

今月は私(冨樫)の故郷である山形県鶴岡市(庄内地方)に展覧会への参加のため、2週間近く滞在しました。
庄内地方出身、または在住の庄内にゆかりのある作家(主に工芸)のグループ展「通過展」に参加し、酒田市の「さかた街中キャンパス」と松ヶ岡にある「ギャラリーまつ」の2カ所で沢山の方々に作品を見ていただくことが出来ました。
今回は桑原信之さん(木工)、今野安健さん(陶)、千葉由香さん(染織)、中村秀和さん(陶)、中村知美さん(陶)の仲間に入れていただきました。









ギャラリーの裏手から見える月山。期間中は天気も良く、さらっとした気候で毎日快適に過ごすことができました。



母が庭に咲く花を毎日のように皆さんの器に入れさせていただき、「こんな風に使っても良いね」などとお客様からお褒めいただいたり。。





この『通過展」という展覧会は、前回は全員30代の「通過点」をお見せする展覧会でしたが、今回は全員40代の「いま(もちろん通過点)」をお伝えすることとなりました。心から尊敬する先輩方と一緒に参加させていただいて色々な事を学んでくる事ができました。



また、地元ということもあり、本当に沢山の方々とお話が出来て毎日楽しく充実した日々でした。何しろ、久しぶりに長期帰省したので最近ぎこちなくなっていた庄内弁がどんどん蘇り、そのゆったりとした口調が心地よく、その掛け合いも楽しくて改めて故郷の良さを実感しました。



また、期間中の3日間、鶴岡アートフォーラムでガラスのワークショップもさせていただきました。
ガラス専用の機材というのは、特殊な物なのでなかなか身近にあるものではありません。 こちらには、普段陶芸で使っている立派な電気炉があります。それを使って何かガラスで出来るものを鶴岡の皆さんと一緒に作りましょう!ということになり、かなり前からやり取りや準備をして、ガラスのお皿を作るワークショップが実現しました。
陶芸用の電気炉は、私が普段使っているものと温度帯が違ったり、色々な条件が異なるので事前に現場でテストをしました。担当のHさんとIさんのご協力、フォローがあって、ワークショップは大成功だったと思います。



参加者にはステンドグラスやお花、元校長の先生もいらして、人生のひよっこが教えて良いものか心配していましたが、そんなことは関係ない!皆さんの高い意欲に圧倒されて「まあ、まあ!」と感心するばかり!でした。ガラスのカットも初心者にはなかなか難しいものですが、たった一度の説明で全員がひとりでドンドン切っていく様子は本当に驚きました。短い時間でしたが、高い集中力で面白い作品がずらり。



帰りの車窓から見える日本海。




楽しく充実した時間というのは、本当にあっという間なんですね。10年以上ぶりの再会もありました。それに新たな出会いも沢山。少しの間切り替えスイッチがパチっとははまらないようですが、友人のアドバイスにより余韻も楽しむ事にしようと思います。


庄内地方の風物詩。おみやげに父が持たせてくれた笹巻き。庄内の食べ物は絶品がいっぱい。