「ヤクザと家族 The Family 」を観てきました。
めちゃめちゃよかったです!
マジで。
ヤクザをテーマにした映画ですが、
いわゆる任侠ものといった
ヤクザを美化した映画ではなく
‟ヤクザ”という生き方しか
できなかった男たちと
その‟家族″が時代の変化と共に
世の中から排除され
人権さえも奪われ
無残な最後を遂げるまでを
圧倒的な熱量で描いた
心揺さぶるヒューマンストーリー
ストーリー
愛情を知らず自暴自棄に
生きてきた賢治(綾野剛)が
柴咲組の組長・柴咲(舘ひろし)に
命を助けられたことで
ヤクザとして生きて行く道を選ぶ。
賢治はヤクザとして頭角を現し
のしあがっていく、
しかし対立する組との抗争が激化し
柴咲を守るために賢治は
刑務所に14年間服役することになる。
出所後、賢治が
目の当たりにしたものは
暴力団対策法が施行され
衰退した柴咲組の姿。
ヤクザに代わって
半グレと呼ばれる
若い世代たちが
躍動する時代に激変していた・・・
映画を観た率直な感想は
感動といった感情よりも
主演の綾野剛が
インタビューで言っていたように
「魂をえぐられるような」
哀愁と衝撃を受けました。
ほんま凄い熱量の映画でした。
ストーリー展開、脚本、
キャスト、映像、音楽、
アクション・・・
全て素晴らしかったです!
「日本で一番悪い奴ら」(2016)を観てから
綾野剛って、いい俳優やと思っていたけど
今作での演技は圧巻でした。
ありきたりの正統派のイケメンではなく
切れ長の離れた目が個性的で
キレたり、哀愁を帯びたり、
かわいかったり
演技が抜群に上手い俳優だと思います。
市原隼人、磯村勇斗、豊原功補、
尾野真千子、寺島しのぶ・・・
その他、全てのキャスト
全員素晴らしかったです!
唯一、舘ひろしの演技だけが・・・
‟舘ひろし″でしたw
しかし舘ひろしという俳優は
器用な芝居をするというよりも
その佇まいや貫禄十分の
存在感で成立する唯一無二のスター俳優。
今まで刑事役が多く、
46年ぶりのヤクザ役ということで
新鮮でした。
アクションシーンは
ヤクザものとあって
ケンカ、リンチなど
目を覆いたくなるような
痛々しい暴力シーンでしたが
派手過ぎずリアルでよかったです。
車に乗っていた組長を
バイクに乗った殺し屋が襲撃するシーンの
ワンカット撮りは衝撃的でした。
スタントコーディネーターは
俺も昔一緒に仕事をしたことがある
吉田浩之さんです。
藤井道人監督作品って初めて観たけど
素晴らししい映像センスだと思います。
スタイリッシュなんだけど
凝り過ぎていないくて
派手過ぎないとけど
印象的なアングルであったり
照明であったり、長回しであったり
カットインがあったりで
まったくダレることのない136分間でした。
ちょっと気になったのが
冒頭の水中でのシーン
(エンドシーンに繋がるのだが)
あれっ、このパターン、観たことあるぞ!
「クローズZERO」か「クローズZEROⅡ」で
やってたよね?
う~ん、オマージュかパクリか偶然か・・・?
このシーン以外はほぼ
文句のつけようがない
凄い映画でした。
「ヤクザと家族 The Family 」
満足度・・・90点
ヤクザものなのでちょっと
エグい暴力シーンがあったりしますが
アニメや原作マンガありきの
娯楽作とは一線を画する
重厚なヒューマンエンターテインメント!
興味のある人はぜひ劇場へ!
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