のびのびのぶログ

水彩画や好きな音楽について語ります。なんでも伸び伸びと書いていきます。でも忙しくて更新が延び延びになるかも。

感動する話シリーズ1

2010年12月13日 22時01分47秒 | 日記
1 ぼくのヒーロー
アメリカのとある地方に野球観戦の大好きな、でも、目の見えない少年がいました。 
少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手にあこがれています。少年はその選手へファンレターをつづりました。

「ぼくは、めがみえません。でも、毎日あなたのホームランをたのしみにしています。
 しゅじゅつをすれば見えるようになるのですが、こわくてたまりません。
 あなたのようなつよいこころがほしい。ぼくのヒーローへ。」

少年のことがマスコミの目にとまり、二人の対面が実現することになりました。
カメラのフラッシュの中、ヒーローと少年はこう約束します。
今度の試合でホームランを放てば、少年は勇気をもって手術に臨む、と。


そして、その試合、ヒーローの最後の打席。2ストライク3ボール。テレビや新聞を見た多くのファンが、スタジアムで固唾をのんで見守り、少年自身も、テレビの中継を祈る思いで聞いています。

ピッチャーが投げた最後のボールは・・・、大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。
全米から大きな溜め息が漏れようとした、その時、スタジアムの実況が、こう伝えました。



「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」


※NOB「本当のヒーローは、これを実況したアナウンサーだ。」


2 世界で1番の自慢

僕の兄は身障者です。

お話もできません。
自分で歩くこともできません。時々「あー」って大きな声を出します。
僕が小学校のとき、兄ちゃんの事友達にも内緒にしていました。
ある日の朝、母が「養護学校のバス停から3時におにいちゃん迎えに行って。」と頼まれました。
小学生のぼくでしたが、裕福な家庭でなく母も仕事をしていることは解かりました。
だから、仕方なくですが、迎えに行くことにしました。

学校から帰り、兄ちゃんを迎えにいきました。ちょうどその時間が下校時刻であり、みんなとあってしまいます。
車椅子を押しながら兄ちゃんを見られたくない(恥ずかしかった)こともあり、
普通に帰れば舗装されたきれいな道を通らずにがたがたな砂利みたいな道を通って遠回りして帰りました。
遠回りをしてみんなのいる道を避けました。

家に帰ると母親は仕事から帰ってきていました。汚れた埃まみれの車椅子をみて母はすべてを悟ったようです。
泣いてました・・・そして「これからは母さんが迎えに行くからね。」といいました。
僕はその母の涙を一生忘れられません。

僕は兄ちゃんになんて事をしたんだろうと後悔しました。
兄ちゃん。「ごめん」兄ちゃんが悪いところ全部持って生まれてくれたからおれなにも気にしないで生きていってるのに。

うちの兄ちゃんはしゃべれないしひとりでトイレも行けないけどいつも僕が行くと笑ってくれます。
世界で1番自慢できる兄ちゃんです

※NOB「兄弟っていいな。4年前死んだ弟を思い出します。」



3 N先生

小学生のとき、少し知恵遅れのA君がいた。
たし算、ひき算の計算や、会話のテンポが少し遅い。
でも、絵が上手な子だった。
彼は、よく空の絵を描いた。抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。

担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、
「ええと。ええと。」と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。
N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。

私はN先生が大嫌いだった。
クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、N先生は違う学校へ転任することになったので、全校集会で先生のお別れ会をやることになった。
児童代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。
「先生に一番世話をやかせたのだから、A君が言え。」
と言い出したお馬鹿さんがいた。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。

私は、A君の言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました」
A君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。
水彩絵の具の色の使い方を教えてくれたこと。
放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。
その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。
N先生がぶるぶる震えながら、
嗚咽をくいしばる声が、体育館に響いただけでした。


昨日、デパートのポストカードなどに美しい水彩画と、A君のサインを発見いたしました。
N先生は今、僻地で小学校で校長先生をしております。

蛇足かもしれませんが補足。
先生は教員が少なく、子供達が家から2時間ほどかけて登校しなければならないような過疎地へ
自ら望んで赴任されました。
N先生のお家には、毎年夏にA君から絵が届くそうです。
A君はその後公立中高を経て、美大に進学しました。

お別れ会でのN先生の挨拶が思い浮かびます。
「A君の絵は、ユトリロの絵に似ているんですよ。みんなはもしかしたら、見たこと無いかもしれない。ユトリロっていう、フランスの人でね、街や風景をたくさん描いた人なんだけど。空が、綺麗なんだよ。
A君は、その才能の代わりに、他の持ち物がみんなと比べて少ない。
だけど、決して取り戻せない物ではないのです。そして、A君はそれを一生懸命自分のものにしようしています。これは、簡単なことじゃありません!」
 
A君は、空を描いた絵を送るそうです。
その空はN先生が作り方を教えた、美しいエメラルドグリーンだそうです。

※NOB「誰もが捨ててしまいそうな石っころの中から、光る原石を見つけられる教師になりたいな。」





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1 コメント

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見えることと気づくこと (Nitti)
2010-12-14 21:01:11
同じ物を見ていても。
見ている人と。
気づける人と。
気づいて動ける人と。
いろんな人がいます。
せめて気づける人になりたいと
強く感じる今日この頃です。
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