豹は死して皮を留む

　大楠公　徳川斉昭（なりあき作）

　

　私は詩吟を一曲だけ吟じることが出来る。うろ覚えだが。
　それは、私が子どもの頃は両親の仕事が忙しく、乳飲み子の頃は町内の知人の家に預け回され、小学生の頃は美容院のお弟子さんや祖母に面倒を見てもらった。お風呂も祖母と入っていたので、風呂のなかで祖母が歌う詩吟を耳で覚えてしまった。当時は意味などなにもわからずに。高校で漢詩を習ってやっとそれが漢詩に節回しをつけて歌うものであることを知った。大楠公が楠木正成であることは、最近ウキペディアで知った。


明日の秋分の日に長泉寺でミニ個展を開く。豹は死して皮を残す。私は死して名を残すことが出来るのであろうか。