のびのびのぶログ

水彩画や好きな音楽について語ります。なんでも伸び伸びと書いていきます。でも忙しくて更新が延び延びになるかも。

児童画とは

2016年12月22日 05時43分24秒 | 図工
 ある日の夕方、いつものように校舎の巡視(戸締まり確認)をしいていると、廊下に児童画が掲示されていた。私の目に飛び込んできた絵があった。
 懐中電灯で照らすと何とも味わい深いのである。私は階段まで戻って廊下の明かりを点け、今度は学級全体の絵を眺めた後、巡視を続けた。
 職員室に戻ってもその絵のことが忘れられない。なんと私はカメラを持ってもう一度そのクラスへ行き絵を撮影させていただいた。



 児童画のよさって何でしょう。決して技術力だけではないことは確かです。私が引きつけられた絵は拙さの中に3年生らしさが出ていて、それが嫌らしくないのです。それでいて一生懸命に心を込めて描いたことが手に取るように分かるのです。もちろん造形的に見れば、本人が意図したかどうかはわかりませんが、構図、バランスが絶妙、瞳の配置、デフォルメされてデザイン化された植。物と人物、それにあった薄塗りの彩色・・・等々。
 児童画の魅了いっぱいです。残念なことにこの絵は賞は貰えませんでした。担任の先生は別の絵を造形的に出したようです。もっと細かく描写した絵を選んだのかも知れません。もっと迫力のある絵を選んだのかも知れません。でも、それはそれでいいでしょう。私と違う絵に引きつけられるのは当然だからです。
 さて、児童画のよさをそのまま大人の絵に当てはめて、子どものように自由に描いた絵がいいんだという人がいますが、それは違いますね。クレーやピカソたちがこのような絵を描いたとしても、それは造形上意図的に描くからです。偶然性に「適当に描いたらなんかすごいの描けちゃった」ではないのです。画家ならこの絵の魅力を分析し、それを自分の絵に取り込もうとするでしょう。よくLINEスタンプで下手だけど魅力的な絵を見かけますが、それは画家が描いた絵とは言えません。だからそれを描いた人は画伯とは言えません。自分の魅力を造形的に説明できませんから。
 

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