「進化」 と 「退化」

　「進化」とは一般的に、数千年、数万年単位の時間の経過に伴う生物（無生物や社会も含む）の変化の内「肯定的」な部分を言い、「否定的」な変化は「退化」と言うようです。

　ある「変化」が「肯定的」か「否定的」を決めるのは、恐らくは「人間」だと思いますが、それは単に自然の変化を人間の都合に合わせて分析しているだけであり、自然が「進化」と「退化」の絶対的な方向性を決めている訳では有りません。一神教では、神は「進化論」そのものを否定しているので、方向性自体が無く、最初から「全て」は決まっています。

　科学的には、現在の地球上では「現在のヒト」が、生物の「進化系」の最先端にあると考えられているようです。「不要な部位」は「退化」して失ってしまい、自然に適応するのに「必要な部位」が「進化」と共に残ったことになります。

　百足（ムカデ）には多数の足が有りますが、百本足（５０対）の百足はいないそうで、必ず「奇数対」だそうです。人間も奇数対の足が生えていて「1対（2本）」だそうです。偶数対の動物もいるようですが、犬や猫は1対の手と1対の足で、4本（偶数対）足の動物とは思えません。

　但し、ミミズの足は０本なので、「０対」の足を持っていて偶数対（０は偶数）と言えます。ミミズの足は「退化」して無くなったので、ミミズ自身は最進化形と言えます。不要部分の「退化」の結果も「進化」と言います。

　勿論、「要・不要」も「人間」の打算によるものです。「新しいモノは常に正しい」と思う人もいて、共産主義にも相通ずるところが有ります。

　ところが、正常な人間は「自然」に対しては、「新しい現状が常に正しい」とは認めません。自然の変化を人工物で食い止めようと必死になりますし、社会の変化も食い止めようとします。中には「新し物好き」もいて、変化を食い止めようとすると「反動」等と言われて、下手をすると「粛正」の対象になります。

　日本での「ダム建設」は、何故か革新的な人が「自然」を大切にしてダム建設に反対し、人的被害を容認します。一方、保守的な人は「人命尊重」を理由に自然を革新的に変えようとします。「自然淘汰」の結果として、生き残る事を「進化」と言うのなら「ダム反対派」は合理的な思想の持主と言えるかも知れません。逆に、自然に逆らう「人道的」な人は、「進化論」を否定する「非科学的」な思想家と言えるかもしれません。

　「進化論」は「進化と退化」が一対になった思想で、何世代にも亘って死に絶える事無く「生き延びた生物」が進化形になります。粛清や洪水で死んだ人は「自然淘汰」の被害者ですが、運よく生き延びたヒトは「進化」の結果と云う事になります。つまり、「ダム建設反対派は脳の一部が退化した人」と言っても間違いではありません。勿論、「脳の残存部位」は「進化の結果」なので、最先端の進化形と言えます。これは「自国民を数千万人殺しても平気でいられる共産主義者」の脳の構造を理解するのに役に立ちます。

　一方、自然に逆らって「人道的」に生き延びようとする人は、「進化論」を否定しているので、「進化」もしないし「退化」もすることなく、何世代にも亘って助け合い、生き延びることができます。日本の自然は、実際にはその多くが人工的な手が加えられていて、森の様に見える地形も「雑木林」などの植林地が多いと言われています。

　「森と林」の区別は、「自然か人工」かで分かれるようですが、支那大陸の緑化事業は「はげ山」をペンキで緑にする「進化型」で、日本の緑化事業は「人工林」が「森」の様になる「退化型」と言えます。