テレビとうさん

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「超過死亡」 と 「過少死亡」

2021年04月11日 | 統計
 「超過死亡」とは、すべての死因を含む死亡者数から割り出した、平時の死亡数である「想定死亡数(期待値)」から、特定の死因及びその遠因を(推定)対象にした「超過部分」の人数の推定値です。

 例えば、「武漢ウイルス」が蔓延しなかったと想定される総死亡者数をベースライン(期待値)とする「予測死亡数の閾値(95%信頼区間の上限値)」と「実際に報告された総死亡数」の差が「超過死亡数」として算出され、その「超過死亡数」の「閾値」との割合を「超過死亡率」と言います。

 つまり、実際に「武漢ウイルス」で1万人が死んでも、報告された様々な理由で死んだ総死亡数が「閾値」を超えなければ、「武漢ウイルスによる超過死亡率は0%」になり、統計上は「被害はゼロ」になります。

 ここで問題なのは、「期待値」よりも報告された死亡率が小さい時です。「超過死亡率」の定義からすると、「武漢ウイルスの効果によって、例年より死亡率が減少した。」と厚労省は発表する羽目になります。

 そこで厚労省は無い頭を捻り、
「過少死亡」なる新語を思い付たようです。その言い訳は、

「過少死亡数を算出することで、新型コロナウイルス対策等による正の影響の評価に役立ちます。」

です。恰も「厚労省の対策が功を奏した」と言わんばかりです。「転んでも只では起きない」火事場泥棒・・・ではなくて、焼け太り・・・、・・・他に言葉が見つかりませんww。私は「理系」なので、やはり「文系」には敵いません。誰か、厚労省をトッチメ(取締)るブログをUPして下さい。

 私に出来るのは、過少死亡?!・・少な過ぎる死亡とはドーユーことだ!」と怒鳴る事くらいです。

 それは兎も角、「過少死亡」の定義を簡単に言うと、超過死亡は「期待値(95%信頼区間)の上限」を利用したのに対し、「期待値の下限」を使用するのが「過少死亡」です。つまり、平穏で何もなければ「期待値の上下幅」の範囲で、100回に95回は定常的な死亡数が「期待でき」、5回は「期待外れ」になるかも知れないという事です。

 但し、この「期待」は統計学上の「期待」であり、厚労省が「期待」している・・・かどうかは、私には分かりません。

 この「我が国におけるすべての死因を含む超過死亡数および過少死亡数 (2020年11月までのデータ分析)」では、2021年3月5日付の「分析した結果」が載っているだけで、データは「2020年11月分」だけです。説明もややこしいので、我流に解釈しました。

 「2.結果 の表 2020年11月(2020年11月23日–29日)の超過および過少死亡数」の説明が正しければ、11月の月末1週間だけのデータになりますが、このページの他の説明では「11月までの」とか「11月中」とか書いてあり、理系の私には意味が良く分かりません。

 それでも、表の最下部の全国の数値だけを見ると、

超過2020: 77~1954
過少2020:367~3035

となっていて、

期待値の上限を超えた「超過死亡」は77人で、点推定(中央値)からは
1954人多い(死亡数が多い)。
期待値の下限以下の「過少死亡」は367人で、点推定からは3035人多い(死亡数は少ない)。

と、解釈できます。「超過死亡」や「過少死亡」を計算する場合、各算出値には「マイナス値」がなく、最低値は0(ゼロ)になります。ここが「統計のマジック」と言え、後から如何にでも言い訳は出来ます。

 367-77=290

から、290人が統計上で「武漢ウイルス」によって、95%の信頼区間で助かった人になり、

 3035-1954=1081

から、1081人が恐らく「武漢ウイルス」のお陰で、実際に救われた人数になると思います。

 理系の私には、これ以上の事は分りません。依って、「クレーム」「バッシング」など、否定的な反応は受け付けません。

 それでも、「いいね!」では「期待値の95%信頼区間の上限」は超えると思います。「超過志望」です。




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