
まさしく名エフェクターといえるxoticのAC boosterに引き続き
やっと手に入れたxoticBBpreamp。仕様上、ACの延長線上にあるような紹介がされているが、AC、BBともに用途も個性もかなり違う別物である。
つまり、ACBoosterで満足している人が、必ずしもBBに満足するとは限らないと言うことだ。単純にACをパワフルにエンハンスしたものがBBと思って使うと???となりかねないのでご注意。
まずは、ACBoosterから。
帯域などの話は別にして、ACは、減衰が極めて自然で、ハムバッキングでも、シングルコイルでも、弾き手の手加減に非常にリニアに反応する。
小型のアンプで、あまり大きな音を出さずにプレイする場合、ACがあると、ダイナミックレンジが広がり、buzzyではないのにモソモソ、ブツブツととぎれるような非力さがなくなる。RCの様にほとんどbuzz音が無いということはなく、それなりに歪むけど、入力の強弱にあわせて実にいい感じでトーンを作ってくれる。アコースティカルではないが、ややbuzzyで自然な減衰をしつつ気持ちよく音をブーストしてくれる。トーンは70年代初頭のアメリカのPeaveyやmusicmanみたいなクラシカルな鳴りである。
アンプは本来然るべき大きな音で鳴らすモノだが、大きな音で鳴らす場合でもACを噛ませるだけで、自然で粒立の良い音になるので、プレーヤーは聴感的に気持ち良く、演奏が楽しくなる。
フィーリング的(死語?)にいうと、ACはスモーキーでブルージーでナチュラルだが、表情豊かな伸びやかなトーンも出せる。ストラトとの組み合わせは、すごくいい。 一種のトリートメント効果があるのだが、特に、ギターのトーンに極めて素直なので、TokaiのLSとAriaのLSでは、それぞれの良い部分が持ち上げられて個性の違いが良くわかる。僕自身は、現在AC booster無しで弾くことはない。
次にBBPreampだが、ACがブルースだとすれば、BBはハードロックだ。
比較的モダンなスタックアンプをブーストして鳴らしているときの音と思ってもらえばよい。
歪みは、アンプを大音量で鳴らしているときのような自然な歪みで、ギターのヴォリュームの上げ下げだけで、バッキングからソロまでこなせる。真空管アンプの入力を大きくして、トランスに強く負荷をかけたときみたいな感じのトーンになる。まさしくpreampであり、アンプをドライブさせる力と、ギターの音をギラギラさせ、全体的に図太くしてくれるイコライザーを備えている。
このイコライジングも絶妙にうまく、音を作っていながら変な癖が無い。
図太さと伸びと深み、輪郭をきっちり保ちながら、ギター側やアンプ側の音作りをスポイルしないのだ。また、ACと組み合わせてストラトに使うと、エリック・ジョンソンの様なトーンも作れる。シングルコイルの美しいトーンをうまくエンハンスしつつ、意外なトーンにしてくれる。表現が難しいが、ただ単にストラトの音が大きくなるということではなく、シングルコイルのトーンの違う側面が見えてくる。BBがあることで、ACだけでは見えなかったトーンが見えてきた。