エレキギター弾きの徒然日記

ウェスに、デュアン・オールマンに、スティーブ・レイ・ボーンに、ロベンフォードに、そしてGov't Muleしびれる日々

Aria proⅡ Les Paul Custom Black Beauty

2008年01月27日 22時26分37秒 | Weblog

 1970年代末から1980年代前半にかけて良質のギターを産み出した
隠れた一級品メーカー。名器PE80Rは未だに世界的な傑作として
名高い。このカスタムは、シリアルから1980年のあまり遅くない時期
に製造された。


 そんなAriaproⅡが70年代末から、80年代前半まで送り出した、
良質のレスポールは、TOKAIやGRECOのミンコレ、スパーリアル、
ナヴィゲーターの陰に隠れて存在感が薄かった。

 僕が今回手に入れたのは、そんな不遇なAriaproⅡのレスポール
カスタムブラックビューティーである。同年代のTokaiとの比較で
言えば、造りの良さの雰囲気、仕様などから、LC900ではないかと
思われる。ネックフレットバインディング、グリーンアバロンの
ヘッドインレイなどである。もちろん、詳しい仕様がわからない
ので、600と言えなくもないが、これが6万円のグレードなら驚き
である)
サーキットの配線はTOKAIと違って基盤ではなく、一本一本の配線で、
丁寧に作業がされている。
インレイ、バインディング、組み付け、精度の高い加工のピック
ガード、ネック、ボディ・・全てが美しくニートだ。Ariaの職人の
なみなみならない意欲が伝わってくる。

 また、なんと言ってもヘッドのカスタム特有のインレイ。
本家GIBSONからクレームが付いて、日本のどのメーカーもその形状
を変えてしまった。このヘッドインレイの国産カスタムは、ほんとに
70年代末から、80年位までに生産されたモノで、ある意味実に貴重で
ある。

 AriaProⅡのレスポールは、TOKAIと違い、1968年以降のリイッシュ
ーのGIBSONのレスポールをかなり忠実にコピーしている。
 ボディは、ワンピースのマホガニーを2枚を積層した、いわゆる
”パンケーキ”。トップ材はメイプルだとおもう。マホトップだと
すればうれしいが、ハイ落ちしてるかんじはあまりないし、Ariaの
同年代の仕様でも、トップはメイプルのようだ。

 ネックは、色がクロなので材質は分からないが、3ピース。(81
年式のオレンジのカスタムでは、マホガニー3pの様だ)ネックは
Ariaの仕様で言えば、ディープジョイントのはず。ピックアップは、
前オーナーの説明では、オリジナルから交換されていたモノを、
さらに、Ariaのなにかのピックアップに交換。それは、Tバッカーの
コピーだという。(ピックアップ表面に凸でTが記されている)

 オリジナルのピックアップは、当時の仕様で言えば、間違いなく
ディマジオのはずだが、何らかの理由で一番最初のオーナーが外して
いる。僕の推測では、ディマジオはこのボディにはマッチしていない
からだと思う。このTバッカーコピーがいかようなピックアップか分か
らないが、ディマジオより出力のかなり低いハイファイ型のマイクのよ
うだ。タイトで非常に良く鳴るボディなので、このマイクは良くマッチ
している。スラッシュのように、ダンカンのAPH-1にしたら面白いかも
しれない。

 全体的にかなりきれいで、ほんとの経年変化による(1980年製造の
エイジングの)貫禄と、ブラックビューティーの美しさが良く出ている。
フレットや指板(実にきれいなローズウッド)の磨耗も非常に少なく、
前オーナーの言うとおり、良く整備されているようだ。(一回軽くフレ
ット摺り合わせしているかもしれない)ブリッジはAriaproⅡのオリジナ
ルのようで、Stdも同じモノがついている。ペグもAriaのオリジナルだが、
ルックス、操作感ともにグローバーそっくりで、本物に何ら遜色ないペグだ。
(OEMかもしれないが・・)

 ネックフレットバインディグの加工も非常に丁寧、組み上げは日本の
ギター職人の性格が反映されているようで、実に精緻かつ堅牢で、その
精緻さは音に如実に表れている。1960年代のGIBSONの音を彷彿とさせ
るモダンなレスポールの音で、1950年代をコピーしているTOKAIのLSシ
リーズとはまた違った音だ。TOKAIのレスポールのように枯れた音では
なく、艶やかで潤いのある、やや女性的な音だ。現行のGIBSONのレス
ポールStdと弾き比べてみたい。定価で40万円近い現行GIBSONと、
ほぼその1/10の値段(中古の値段)のAriaのカスタム。
もし、ヘッドのブランド名がGIBSONになっていたら、誰も疑いを抱か
ないだろう。そんな出来の一本。価値がありました。

Gov't Mule Live AT ROSELAND BALLROOM

2008年01月06日 12時56分23秒 | Weblog


1995/1996の年越しコンサートのニューヨークは
ROSELAND BALLROOMでのライブ。

ウォーレンもアレンもまだ細いよな。アレンは逝ってしまったが。
ウォーレンは最近太りすぎでちょっと心配だな。

でもさすが1995年なので演奏は若々しくパワフルで素晴らしい。すげえカッコイイ。とても三人の演奏とは思えないくらいで、キーボードが入ってからのミュールとは全然違う。(今のミュールもカッコイイよ、もち)
クリームも感じさせるけど、やっぱ三人になったALLMAN BROS BANDというべきか。ウオーレンのギターテク爆発(EVHの様なテクを期待しないでくれ)
やっぱウォーレンは、ディッキーベッツから強く影響を受けたギタリストなのだとおもう。スライドはかなりデュアンぽいけど、それで言ったら、デレク・トラックスがデュアンの後継者であり発展者。ウオーレンは、サザンロックを核にしたアメリカンハードロックの伝道者・正統派であろう。

1曲目の"TRANE"はまさしくDUANEがいた頃の、"HOT 'LANTA"、"MAUNTAINJAM"、"LES BRERES IN A MINOR"を彷彿とさせる強烈なALLMANBROSへのオマージュである。中東っぽい旋律のスケールでうねうね弾きまくるウォーレン。
ベースのアレンウッディはこれまた、変態ベリー・オークリー的に弾きまくって
います。SGベースをピックでガンガンいってくれてます。
こうでなきゃアメリカンハードロックじゃねえよな。

ウォーレンのギターの音も良いです。僕は最近のSoldanoVHTのアンプよりこの頃のMARSHALLの音が好きだな。
"PAINTED SILVER LIGHT"のハードロックのノリから、"DON'T STEP ON THE GRASS SAM"のクリームの"POLITICIAN"みたいな曲、そして、シャープで印象的なスライドのリフの"MULE"まで一挙に駆け抜けるライブは、アレン在籍時の初期ミュールのエッセンスが凝縮されている。
ミュールの最新盤を買いに行ったら新星堂には置いてなくて、昔のライブなので手に取ってみた。ちょっとサイケなジャケットデザインのせいで少し引いてしまったが、なんのなんの南野陽子。
サザンロックファンにはお薦め度☆☆☆☆☆!!いただきましたぁ!


最後に、昨年の12月30日に実父が永眠したため、みなさんへの新年のご挨拶は控えさせて頂きます。