漫画家アシスタント物語 第3章

ブログ「漫画家アシスタント物語 第3章」をまとめました。

漫画家アシスタント 第3章 その40

2006年07月01日 19時52分47秒 | 漫画家
( この写真は、東京、目白のコ~キュ~住宅街より望むJプロのある某マンションの遠景である。
  《'06年2月 撮影》 )


【 はじめての方は、 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 へ、どうぞ。】




              その40 ・・・・・・・・・ 2006年05月05日 21時43分 (公開)



自分の画力を上げる事、感性を磨き教養を高める事・・・・ それらの事は、
結局、自分のカラに閉じこもっていてはなかなか前に進まないものです。

私は、20代の頃にはいつも自分を変えたいと考えていました。 そして、
絵を変える事は自分の人生を変える事につながる事をゆっくり時間をか
けて理解していきました。

Jプロでの初めての新年会( 79年1月 )の時です・・・・ J先生とアシスタ
ントのテラさん( 仮名:寺山 新一、博多出身、27歳 )との間で激しい議
論が起こりました。 それは、テラさんの個人的な恋愛がテラさんの「 ま
んが道 」に深い影響を及ぼすかどうかと言う論争でした・・・・。

J先生は、テラさんがどんな女とどう付き合うかは漫画家に成れるかどう
かにも関わる事だと断言するのですが、テラさんは「 彼女と漫画とは関
係ない! 」と、キッパリ反論すると言った感じで、新年会に緊迫した空気
が流れました・・・・。

周りで見ている我々( 見物人 )は、興味深い論争をハラハラしながら見て
いるだけでしたが、J先生もテラさんも酒が入っていたせいか、かなり熱
くなっていた様です・・・・。

テラさんは、自分の漫画についての話なら素直に聞けもするが、何でJ
先生に恋人についてとやかく言われ、その上漫画家に成れるの成れな
いのと言う話になってしまうのか、まったく訳が分らないといった感じで
した。

テラさんは「 漫画家に成れないなら、成れないでもかまわない! 」と、
言い切るところまでヒートアップしました。 結論的には、漫画制作と実
際の恋愛とはJ先生の言う通り深く関係していると思うのです・・・。

テラさんは当時を振り返り、J先生の言っている事は十分理解できたが、
自分の恋人に対する強圧的な評価には、どうしても我慢できなかったそ
うです。

私が同人誌活動をしていた頃にお世話になった女流漫画家のY・R先生(
当時はまだ無名の新人でした。 )は、こう言いました。

 「 漫画と関係が有るとか無いとかじゃなくて、『全て』が漫画なのヨ。 」


私は「 はじめの一歩 」から「 まんが道 」をスタートさせる積もりで24歳
( 1979年、秋 )をむかえました。 この年からデビューまでの7年間で、ゆ
っくり確実に、一歩づつ階段を登って行きます。 ( 時々コケますけど・・・ )

その一歩一歩のステップを具体的に書いていきたいと思います・・・・。

「 明日のためのその1 」が、次回「 第4章 」から始まります!



            「 漫画家アシスタント 第4章 その1 」 へつづく・・・



     ・前に記事へ戻る時はこちら→「 第3章 その39 」




 

【 各章案内 】  「第1章 その1」  「第2章 その1」  「第3章 その1」
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          「諦めま章 その1」  「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )
 
 
    
    
    
  
 このページへのコメント  【 計 12 】



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 ☆ rasuさん、コメントありがとう。 (yes)

2006-05-07 05:28:17

rasuさん、今回はかなりの長文のコメント、本当にありがとう
ございます。
 
rasuさんのコメントを読んでいると、つくづくその通りだと思
いますし、イイ事が書かれているのですが・・・・ それほどまで
に深くこの世界を洞察され熟知しているrasuさんが、何故に漫
画家として、独立されていないのか・・・・・・・・・・・?
 
この謎(?)こそ、私も含めて長(過ぎる?)年に渡ってアシスタン
トをする者の苦悩と問題点なのではないのか・・・・? などと考
えてしまいました・・・
      ( 私は何を余計な事を考えているのだろう・・・・ )
 
それはともかく、漫画家センセイの将来性(?)をその「 状況と
漫画のスタイルとを見て・・・ 」判断すると言うフリーアシスタ
ントの「 防衛手段 」という考察は、とても面白いです!
 
それってまさに、その漫画家センセイを越えてますよ!
 
ところで、「 アシスタントは泣き寝入りですから・・・・ 」という
言葉は他人事じゃないんですよね~ッ! 最近、身につまされま
す・・・・・・。
 
 
なんか、もう夜が明け始めました・・・・ 最近、睡眠不足気味です
・・・ この時間(5,6AM)になると、頭の半分は躁状態でもう半分は
ボンヤリとして来るという有様で・・・・変なコメントになってしま
いましたが、この辺で失礼させていただきます・・・・・・・
 
しかし、池袋の街は最近深夜からカラスがよく鳴いているのです。
何かイヤな事が起こる前兆でなければよいのですが・・・・
         ( 私ひとりがイカレて来ているのか・・・ )
 
rasuさん、今日はゴメンナサイ。 なんか変な事書いてます・・・
これに懲りずに、またコメントをください。
 
・・・・ん~・・・・・ カラスが・・・・・ やけに・・・・・ 鳴いている・・・・・
 
 
                  yes  拝
  

 
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 ☆ rasuさんの「漫画家アシスタント物語」ありがとう。 (yes)

2006-05-08 21:31:05

rasuさんのプライベートな「漫画家アシスタント物語」をどうも
ありがとう。 今回もかなりの長文ですが、興味深く読ませてい
ただきました。
 
それにしても「100万部作家」にすごいタンカを切ったもんですね!
「おまえの漫画より面白い漫画描いてやる」なんて、本当にすごい
ですよ。 こんな事、なかなか言えるもんじゃないですよね・・・。
 
かなりシビアにrasuさん自信のプライバシーに関わる書き込みをし
ていただき、本当に恐縮しています。 
 
 
ちなみに私の勤めるJプロのアシスタント定着率がいいのは、相
当なもので、これほどアシスタントの「居つき」がいい所は、他
に無いのではないかと思います。
 
しかしそれは、J先生の「ご人徳」と言うよりもアシスタントへの
待遇の違いだと思います。 社会保険や厚生年金、ボーナスや、盆
暮れの長期休暇・・・等々。 これらの待遇に加えて完全に放任主義
でアシスタントに干渉しませんから( 漫画を描けと言う事さえ、
稀にないほど )・・・・・ その気楽さはまさに「プロアシ天国」です。
 
これが原因で我がJプロのデビュー率が低いのではないかと多くの
関係者は考えているようですが、私は関係ないと思っています。
 
待遇が悪ければデビュー出来るというほど、この世界は甘くないと
思っているからです。 (漫画家によってはアシスタントを安くコキ
使う事はアシスタント自信のためだとのたまうセンセイもいますが
・・・・)
 
 
ところで、rasuさんの、売れるか売れないかではなく、「漫画が描
きたいと思えるうちは、漫画を描くというスタイル」って、とても
ステキですね・・・・・!。 では、この辺で・・・・。
 
 
 
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 ☆ そうですか・・・待遇と人徳には相関性がありますか・・・ (yes)

2006-05-09 02:32:43

ところで、内の仕事場におけるアシスタントの平均年齢は52歳。
そして、平均勤続年数は31年です・・・・・。 この数字だけ見ると
まるで滅び行く伝統工芸とか、後継者のないトキ的職人世界と
いった感じです。 (BGM、NHKの新日本紀行のテーマ・・・)
 
まあ、陰気な話はこれ位にして・・・・。 「ひどい漫画家」の下で
働くアシスタントが、「あんなふうになるなら、漫画家目指すの
やめるわー」と言ったという話は思わず笑ってしまいました!
  ( もちろん本来これは、笑い事ではないんですけれど・・・・・)
 
 
「漫画描きたいうちは描く・・・・」についてのrasuさんの説明を読
んで・・・ 結構・・・・ 重い背景があったんですね・・・・・。
 
心に沁みました・・・・・・・。 ありがとう。
  


 ☆ はじめまして (とある漫画家)

2006-05-14 04:33:33

はじめまして

色々読ませていただきました。

>rasuさんのコメントを読んでいると、つくづくその
>通りだと思
>いますし、イイ事が書かれているのですが・・・・ そ
>れほどまで
>に深くこの世界を洞察され熟知しているrasuさん
>が、何故に漫
>画家として、独立されていないのか・・・・・・・・・・・?

すみません・・・
失礼ですがrasさんはこの辺りをもう少し、熟考された方が良いのではないかと思います。
確かに多くの漫画家さんの所でアシスタントを経験されて、色々とご苦労をされてきた事は理解できるのですが、ras様のコメントを拝見するに、まるでご自身の他者を測る目が物凄く確かで、さも間違いがなく、言い過ぎかも知れませんが、「まるで神」の様な視点から物を見ている・・・そんな気がするんですが気のせいでしょうか?

しかも・・・作品を見て職場を去るのが防衛手段・・って・・・
そういうのはせめて「実際に酷い目にあってから」やって頂きたいものです。未来予知能力者じゃないんですから。


作家というのは視点を上げたり下げたりするものだと私は思っておりますし、その時の自身の思惑を漫画に描いたりもします。
が・・・また反面、その時の思惑を否定する思惑も描いたりもするのも確かです。
そんなに簡単で単純なものでは有りません。

もう一点、本当にかっこ悪いのは
流行や時流に乗って(悪く言えばパクリ)プロ活動をする人ではなく、それを揶揄する未デビュー者であると私は断言出来ます。

しかもあなたは「そんな職業」に憧れているんでしょ?
ならば・・・「実際に酷い目にあわせる」以前の漫画家の職場を去ることが防衛手段だなんていう人をアシに雇って・・・
そして何の意味もなく職場を去るという行為をあなたは許せますか?
あなたはそんなにも先見(予言にも近い)の力があるのでしょうか?
ならば何故あなたは今作家になれていないのでしょうか?

すこし客観視点が足りないんじゃないですか?
世の中に(私や他の漫画家さん含め)そんなに偉い人はいないと思うのですが。
最低限、そういった言は「思惑の中」だけで留めて欲しい物です。

少々(いやかなり)失礼かとは思いましたが、漫画家の立場として意見を書かせていただきました。



 ☆ 続き (とある漫画家)

2006-05-14 06:35:55

結局あなたのやっている事は
”過去にあなたを酷い目に合わせた(?)漫画家の原罪を今(もしくは未来)あなたを雇っている(雇う)漫画家に負わせる行為”
以外の何物でもありません。
過去にあなたを酷い目に合わせた漫画家と今現在(未来)あなたを雇っている漫画家とは何ら関係がないはずです。
その程度の客観視も出来ませんか?

あなたの言を借りるのであれば長年色んな人を雇い続けてきましたが”何でも分かっていると思い込んでいる人”ほど作家に向いてない人はいません。

作家とは常に自身と向き合い自問自答のできる人だと思いますし、それが出来ない人は上達もしません。

いやほんと・・・・・失礼ですが・・・・
雇う側としては勘弁して欲しい種類の方だと私は思います。
 
 
 
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 ☆ Unknown (横から失礼)

2006-05-15 01:43:42

面白いお話でちょっと参加します。
気分を害されるようでしたら先にお詫びします。

漫画家さんの下で働く人をアシスタントと呼ぶ事が雇用する側される側の壁、弊害を生むのではないかと思います。
漫画を文化と位置付けるまたはハイカルチャーであるとゆう風潮の中で“アシスタント”は余りにも古い呼び名(すでに丁稚奉公は死語です)、一般社会の中ではもはや通用しないのではないかとさえ思えます。

そこで質問ですが
とある漫画家さんのとこのアシスタントはどのような賃金体系をしてるのでしょうか?
rasuさんの漫画家のご成功を陰ながらお祈りいたしますが、アシスタントへの賃金はどのようにお考えでしょうか?

ここ“アシスタント物語”は第一回目から拝読しています。
管理人さん、頑張ってくださいませ~(^^)



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 ☆ Unknown (横から失礼)

2006-05-18 00:20:47

とある漫画家さんのレスコメントをお待ちしていたのですが・・
簡単にレスをします。

rasuさん、レスありがとうございます。

職業として考えた場合
呼称もそうですが一般人(失礼)から見た場合怖い職業だなーと思います。
テレビで拝見したある漫画家さんの豪邸の仕事部屋には10ほどもあるスタッフ(アシスタント)の机があり、多くのスタッフを抱えていた仕事風景を数年前紹介していました。
ところが先日のTV放映ではスタッフはゼロ。
その先生曰く、一人の方が自由が利くと仰っていました。
あのスタッフたちはどうなったんだろう?と言う気持ちと同時に怖い職業だな~と思ったものです。

アシスタントを職業として考えた場合。
一人の漫画家、もしくはひとつのプロダクションに属する雇用関係はアシスタント側も漫画家側にも共にリスキーに感じます。
仮にアシスタント会社のようなものがあり、そこに属し派遣システムになれば安定した仕事になるように思います。
もちろん様々な先生への絵柄にマッチした絵を描くことは至難の技でしょうが、そこは出来てこそプロアシスタンであり、アシスタントと漫画家の垣根が無くなると思います。
また、
漫画家側さんにとっても仕事量を増やすことも減らすことも可能でしょうし・・

どちらにせよ、このようなコンフィギレーションで漫画を排出することは限界であり出版社側の怠慢(漫画家&アシスタントに対し甘え)だと思います。

勝手なことを申し上げご無礼の段ご容赦を御願いいたします。
 
 
 
 ☆ ここのコメントを一つ削除。
 
 
 
 ☆ Unknown (横から失礼)

2006-05-19 00:32:32

お騒がせてすみません
少しだけコメントさせてください。

アニメ業界も古本等も大きなロジックで考えれば色々な問題が山積状態ですね
しかし少し違うなーと感じる点は漫画の雇用問題は直接読み手に影響があるように思うのです。
例えば
昔活躍した漫画家が新たに制作を試みようとしてもアシスタント探しに苦労し結果的に一人で描かねばなりません。
@出版社に問い合わせればアシスタントは紹介されると思いますがやはり感性の合わない若手のアシスタントでは意味がありません。
もしアシスタント会社があれば・・です。
また、現在活躍してる方も雇用問題で結果的に休みなく作品(長期連載)を制作続けなくてはなりません
これでは本当に良いものが提供できるのかと・・思ふのです。
やはり漫画はクリエートですから・・出版社側の責任は重大だと思います。

ではこの辺りで失礼します。


 
 ☆ Unknown (京都人)

2006-05-19 15:01:10

>たしかに、漫画家で食べていくというのはかなり
ハイリスクハイリータンなところも多いですが。
最近は、ある意味名前が売れてしまえば、安定して
漫画が売れるということもあるので、ある程度の
地位があれば、そして、漫画を量産できる体制で
あれば、それも軽減されるかと思います。

 色々長々と書かれていますが、この一文だけでrasuさんの人生観が分かります。とある漫画家さんももはや何も言えないでしょう…

まー頑張ってください。夢を追うのは素晴らしいことだと思いますが気がついたら寝ぼけてただけってことにならないように…



 ☆ Unknown (通りすがり)

2006-05-20 00:19:43


思い出話をひとつしてもよろしいでしょか?
つまらないお話だと思いますので読み飛ばして頂ければ幸いです。

ネットを始めた頃、関西在住の方とメール談義になったことがあります。
今では楽しい思い出となりましたが、当時はかなり熱くなりました。
彼のメールの文字数はかなり多く、所謂長文でした。
長文が嫌だと言うことでなく、論点が曖昧になりまた形勢不利に陥りやすいため短文でのレスを彼にお願いしたことがあります。
彼のレスメールは『長文はわたしの芸風だ』と言って来たのです。
そこで私は始めて気が付いたのです。
ネットの文章は“絵”であることを!
上手い絵もあれば下手な絵もあります。
下手な絵でも愛する絵もあれば上手い絵でも好きになれないこともあります。
また、
大きなカンバスに描かれた絵の一部を取り上げ好きだ嫌いだと言うことはありません

京都人さん
プリオールなコメントだと思いますが管理人さんは困っていると思いますよ


 
 ☆ 横レス (LCL)

2006-05-20 02:25:16

話は蒸し返しになるのですが、「とある漫画家」さんも、かなり他人に対する想像力が欠けてるように思います。

rasuさんは「1アシスタントとしての経験」で判断してるのであり、未来予知なんてミラクルな能力じゃない(笑)

漫画家が本人にしかわからない基準で一方的にアシスタントを突然切ったりするのは現実としてある。
だったらアシスタントの立場からはこういう考えもあると認めるべきでしょう。

ことあるごとに「未デビュー」を持ち出すのもどうかと思います。
どんな理不尽にもデビューするまでは耐えろといわんばかりです。

伝統的にアシスタントやアニメーターは技術職の人間としては異常に安っぽい扱いを受けています。
遅刻ばかりとか指示を守らないとか、まったく社会人として話にならないならともかく、まともに勤めてなおかつ状況に意見を述べてる以上、もっと真摯に耳を傾けるべきだと思います。


 
 ☆ コメントの一部削除について・・・・ (yes)

2006-05-21 03:52:59

コメント投稿者のご意向により、はなはだ不自然ではあります
が・・・・・「 その40 」にある、ご当人のコメントを削除させてい
ただく事になりました。 投稿者のプライベートなご都合です
ので、どうかお許し下さい。  
 
コメントしてくれる方々、それぞれにリスクがあるようです。
それでも、あえて書き込みしてくれる事に敬意と感謝の気持ち
を送りたいと思います。 みなさん、本当にありがとう。
 
                      yes



   
    

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