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「野鳥にもやさしい風力発電であってほしい」のブログは、
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今後も、分別のない風力発電事業によって、野鳥たちが脅かされることがないように、微力ながら訴えていく所存です。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
2025年6月20日 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」
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2025年6月20日 「風力発電が野鳥に与える影響を考える会北九州」
集団繁殖地に近い浮体式洋上風力発電計画は撤回せよ!
超巨大な浮体式洋上風車は、響灘海域の野鳥をシンボルとする生物多様性に、多大な悪影響の懸念
※上図・写真解説~毎年多くのオオミズナギドリがオーストラリア周辺から渡ってきて、集団繁殖する男島(下写真)。そのすぐ近くに巨大な浮体式風車を設置する計画です。【事業者】(株)グローカル(広島県呉市)【出力規模】3万kw(1万~1万8千kw2基~3基)
※下写真~北九州市若松沖響灘では、25基の着床式洋上風力発電の建設工事が進んでいます。(5月28日撮影:野鳥の会北九州支部会員提供)
現在25基の着床式洋上風車建設が進んでいる上に、さらに男島に近い海上の巨大な浮体式洋上風車計画は容認できません。オオミズナギドリが男島を出入りするときに群れではじき飛ばされ、ミサゴやカモメたちが叩き落されることは、見過ごすことはできません。計画撤回が困難であれば、実効性ある鳥類対策の導入実施が必要です。
だからこそ、最初から計画の白紙撤回、もしくは、野鳥が近づいたら自動停止、そして、オオミズナギドリが白島を出入りする時間帯は運転停止を求めていくしかありません。
「風車の被害に遭い、帰らぬ親鳥を待つひな鳥の悲惨な状況は防がなければなりません!」
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的確な意見(鳥類への影響)が出された一方、
審査会委員とは思えない、問題意識が低い?意見も…….
そして、安全上の懸念も......
北九州市若松沖響灘の白島(しらしま)に近接した浮体式洋上風力発電計画の環境アセス配慮書審査会が、本年(2025年)3月28日に行われました。1ヵ月半ほどかかって議事録が公開されましたので、私が関心を持っている個所を抜粋して紹介します。
(引用:第59回北九州市環境審査会議事要旨より抜粋)
鳥類への影響を危惧する審査会委員の発言
● 前回の着床式の計画の場所からほとんど変わっておらず、白島で繁殖するオオミズナギドリ、 ミサゴ、冬場渡来するウ類へのバードストライクの危険性が全く低下していないのではないか。
● 風車が巨大になり、羽根の先端スピードは時速607キロから677キロになる。(鳥類にとってますます危険!)
● 建設候補地をもっと白島から離すことが、影響軽減に効果的だと思う。
● 配慮書にある年間300個体という数字は、昼間洋上に飛び立った後、餌場として、オオミズナギドリが洋上で生息する数だろう。今回の計画は白島のすぐ近くで建設する計画なので、白島に一番近い距離にあるところで、どれだけのオオミズナギドリが生息しているか、その数を根拠にしない限り、洋上での年間300個体という数は、バードストライクの確率を推定するにはおかしい。繁殖時期に白島に集まっている個体の最大数、そこをはっきりしない限り、この年間の衝突確率の出し方というのは納得いかない。実際、NEDOの調査では白島周辺には相当な数のオオミズナギドリの移動軌跡が出ているので、もっと数字は多くなるのではないか。バードストライク確率が年間1個体未満はそれでいいのか! 夜間に島に帰り、朝早く島を離れる鳥に対して、こういった衝突確率を使うことは適切ではない。
● 日本野鳥の会北九州支部による2021年の白島(男島)の調査で1,200巣の数が推計された。2,400~3,000羽の個体が利用していると判断できる。
● オオミズナギドリというのは巣に対する固着性が高いと言われており、バードストライクで多くの個体がいなくなっても、帰島行動を続ける可能性が高く、風車によって毎年数が減っていくことが心配される。
● 白島の男島の西側の岸壁はウミウやヒメウが多数越冬のために渡来する。(1978年実施の調査で推計26,100個体)。このウ類が今回の調査には全く入っていない。ウ類が朝方飛び出す際、通常は高い高度を飛ぶことはないが、気象条件次第では25メートル以上の飛行高度になることは考えられる。バードストライク防止のためには、夜間の生息状況を把握する必要がある。
● 今回は、白島を囲むように選定されているが、それについて、白島一帯が囲まれることによって自然の財産というものが何か変わってしまうようなことはないのか。候補地として、今実証機があるあたり(白島から5~6キロ沖)など、いくつか検討したのか。
「今後の予測評価で」とお決まりの事業者回答
● 事業実施想定区域は北九州市における洋上風力発電に対する行政の積極的な取り組みがある(北九州市の協力が得やすい)。風況のよさ、事業性、環境の配慮等踏まえて、事業実施可能な範囲として設定した。一方で、この白島は鳥獣保護区として指定されており、白島周辺のオオミズナギドリ等の貴重な鳥類の繁殖地として重要な区域であることは認識している。今後の環境アセスの手続きにおいては、適切な予測評価を行いまして、風車の配置等を検討した上で、事業計画を策定する。
● オオミズナギドリの300個体という根拠は、既存資料でNEDOが実証事業で風車を建てるところで実施した調査結果で、このときの年間のオオミズナギドリの分布図が、今回の事業区域に相当する場所には約300個体見られた数字を使った。今後さらに、現地の調査結果を踏まえた予測を行っていく。
● ミサゴ、オオミズナギドリ以外の鳥類についても、リスクの高い鳥が確認された場合は、評価の対象とする。
● 現在実証機のあるエリアは海域の中でも共同漁業権のない一般海域ということになる。つまり、このエリアは自由漁業のエリアで、この海域を使用しようと思うと、地先の漁協以外の日本全国、例えば北海道の漁業者がイカを獲りにくるということもあったりで、そういった方々の了解を取り付けながらしていくということになると、非常に壮大な作業になってしまう。一方で今回選定しているエリアは、共同漁業権というエリアを選定して、事業を計画し、共同漁業権ということで、利害関係者が明確である。(※協議相手が多くなるのは面倒。協議する相手は少ないほうがいいと、言ってるようなもの)
鳥類への影響を軽視する?委員も~その発言
● バードストライクについては、この配慮書に出ている確率からすると、例えばミサゴだと10数年に1個体、それからオオミズナギドリだと3年に1個体です。そのくらいの確率というのは、個体数の減少とかそういうことを議論する数には当たらないのではないか。一般的に考えれば、ほとんど影響ないとか、無視できるというレベルになるのではないか。仮にこれが確率10倍になってもそれほどでもない。ビルのバードストライクの方がはるかに確率高いと聞いたことがある。また、重大な影響は無いとするその基準はどこにあるのか。
事業者の回答
● 経産省から出されている発電所に係る環境影響評価の手引きなどによれば、重大な影響というのは、「環境保全措置を講じることで影響を回避低減が可能であると考えられる場合には、重大な影響としては取り扱わない」ということが明記されているので、今後、環境保全措置を検討していった場合、十分回避低減ができると我々は考えており、重大な影響はないという判断をした。
「洋上風車が倒壊したら」の委員の発言
● 洋上風力で気になるのは、台風や、あるいは航空機が衝突するなどで倒壊したときに、風車を回収できるのかどうか。海の中に沈んでしまったらなかなか回収するのは難しいと思うが。
● 地震による津波とか、大型台風の場合に、風車そのものの物理的影響をどのように予測しているのか。
事業者の回答
● 浮体式洋上風力が何かしら事故等で沈没した場合に回収できるかについては、まずこの浮体は船として認証を進めていき、日本海事協会の認証を取得して運用していくものになる。一般的には船同様、通常の利用に関しては問題ないことは確認されている。一方で、他の船舶がぶつかって、沈没、倒壊するようなことがあった場合には、基本的には、沈没した船同様に回収するということが前提になっていく。深い海域で回収できるようなエリアではないなど、そういった場合には断念しなければならないが、現地の海域は水深35メートルとか40メートルくらいの海域なので、技術的には回収が可能ではないかと思っている。
● 浮体式洋上風力発電は、ウインドファーム認証を取得することになっている。海域の風況、最大の波高、津波の想定など、過去の推計と今後の予測から、環境条件を想定した上で、それに耐え得る設計になっている。
<防災専門家によるコメント>
「事業者による説明は回答になっていません。どちらの質問に対しても「認証」について言及しているのみであり、具体的な説明がありません。」
「事業者は、係留装置、タワー、ナセル、ブレードなど、一般の船舶とはまったく異なる構造であるため、どのような沈没の形態が予想され、その予想される沈没形態に対して、どのような手法で回収するかを通常の船舶との違いを示し、具体的に説明できなければなりません。この回答からは、事業者は何も考えていない、準備していないということです。」
「2番目の質問も、委員は風車そのものが最悪の場合にどのような被害を受けるのかを質問しています。ところが、事業者の回答はやはり「認証」に終始している。つまり物理的影響を全く考えていない(予測すらしていない)ということです。これはあまりにも無謀で危険なことです。地震による海底地すべりによって係留機能を失ったり、転覆したりすることもあります。津波で制御を失った大型船との衝突もあります。通常の船舶と異なる被害形態はいくらでも想像できるはずです。」
「必ず事故は起こる、災害は起こることを前提として、どのような形態で事故や形態が起こり、そのときの崩壊モードを予想して、最悪の事態を防ぐ対策を講じなければなりません。最悪の事態を予想もしないで、対策ができるはずがありません。我が国では、超高層建築物であれ新幹線であれ、リスク分析に基づいて、最悪の事態を想定した設計を行っています。技術基準や認証制度はあって当たり前です。」
【配慮書審査会後の事業者への質問と回答】
<質問>
実効性ある鳥類対策を実施しなくても、計画は進めていくのか。
<事業者の回答>
何をもって実効性の有無を判断するかはそれぞれ(審査会や貴会)の見解によるところがあるかと存じますが、今後の手続きや審査会意見等を踏まえて事業者側では可能な限りの対策を実施することになります。その上で、貴会の視点で実効性が無いというご判断をされる(されなくてもですが)場合においては、運転開始後の事後調査において、継続的な風車周辺の鳥類の挙動観察、バードストライクの有無の把握に努め、その結果を踏まえ、必要に応じてさらに具体的な措置を検討し、継続して鳥類への影響に配慮した事業計画の策定・実施に努めていくことになろうかと存じます。
【ブログ作成者から】
風力発電計画の環境影響評価審査会を傍聴した経験のある方は多くはないと思いますが(そもそも傍聴者枠が数人というのが少なすぎる)、これまで私が見て聞いた感想としては、審査会委員からの意見は一方通行の感があります。事業者の回答は極端に言えば、「検討します」「ご意見ととして聴いておきます」とはぐらかし、具体的な言及を避けることが多く、審査会委員もそれ以上追及しないという、中身が薄い審査会と言えます。この審査会意見を参考に「市長意見」(担当部署が作成)が出されるのですが、鳥類への影響を懸念する委員の意見と、事業者の回答を見れば、自ずと事業者に厳しい意見となるのは必然でしょう。しかし、協力関係にある北九州市としては、お決まりの当たり障りのない「市長意見」を出すのでしょう。環境審査会の意見が本当に「市長意見」に反映されているのか、委員のみなさんもその存在価値を見つめ直す時期ではないでしょうか。
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「やはり北九州市は自然環境を大切にしないのか……」
北九州市若松沖響灘海域の生物多様性に重大な影響を与える恐れがある浮体式洋上風力発電計画を、特に問題だと思っていない北九州市の姿勢がうかがえます。
響灘の白島に近接する浮体式洋上風力発電計画(グローカル社)は、北九州市の環境施策に反する計画であるため、事業協力者である北九州市から、白紙撤回もしくは、鳥類への影響に対して実効性ある対策を助言するよう求める「市民のこえ」を、北九州市民をはじめ、国内各地の方々が送っています。しかし、その回答は、“形骸化”した環境アセスを見て、適切?な市長意見を事業者に提出することで、響灘海域の環境保全ができるかのような、極めて“通り一遍”の決まりきった、危機感の薄い回答と言わざるを得ません。まさに「市民のこえ」を軽視した誠意の無い回答です。下記の回答文をご一読ください。
平素より本市の環境行政にご協力いただきましてありがとうございます。令和7年4月3日に「市民のこえ」にご相談いただきました件につきまして、下記のとおり回答いたします。
ご相談内容に「グローカル社の「白島沖浮体式洋上風力発電事業計画」(中略)事業協力者である北九州市」とありますが、本市の関連部局に確認しましたが、本市が事業協力者であるという事実はありません。
当該事業については、現在、北九州市環境影響評価条例の規定に基づき、事業者から環境影響評価図書が提出されたことを契機として、環境影響評価の手続きを行っております。
環境影響評価は、土地の形状の変更、工作物の新設などを行う事業者が、あらかじめその事業による環境への影響について調査、予測及び評価を行い、その結果を公表して地域住民及び地方公共団体の意見を聴き、必要に応じて事業内容を見直すなどして、自ら適正な環境保全対策を講じるための手続きです。
事業者が実施した調査等の結果については、大気・水質、動植物・生態系などの学識経験者で構成される第三者機関「北九州市環境影響評価審査会」において技術的事項を客観的及び科学的に審査しており、本市としては、審査会の意見を聴き、環境の保全の見地からの市長意見を事業者に提出してまいります。 2025年4月22日 北九州市環境局環境監視課
<上記回答文のアンダーライン個所について>
「本市が事業協力者であるという事実はありません」と書いていますが、洋上風力発電事業については、公募申請の前提として自治体の協力が一つの要件となっています。事業者は北九州市に理解と協力を要請し、北九州市の役割としては、取組の内容が市の政策、方針に合致するのかを検証及び助言を行うこととなっています。
これが事業に協力することでなくて、なんでしょうか。事業者の説明資料にも「事業協力者:北九州市」と明記されています。よって、私たちは、北九州市の環境施策に合致しないこの事業は白紙撤回を助言するべきと、意見を出した次第です。
このブログをご覧のみなさま、分別の無い計画を阻止し、白島で集団繁殖するオオミズナギドリやミサゴ、カモメ類やウミウ、ヒメウをシンボルとする響灘海域の生物多様性を守るために、さらなるご支援をお願いいたします。
下記の新聞記事はグローカル社が前回2019年に計画した際のものです。(2020年1月9日朝日新聞)
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響灘埋立地の風車は大丈夫?
5月2日、秋田市新屋(あらや)で、風車のブレードの1枚が根元から折れて数十メートル飛ばされ、散歩中の男性に直撃? 男性は死亡しました。
秋田市のブレードが落下した風車(自然ネットワークあきた:山下友宏氏提供)
事故が起きたのは秋田市の雄物川(おものがわ)河口にある新屋海浜公園です。普段から散策に訪れる近隣住民も少なくない散歩コースで、そのすぐそばに「新屋浜風力発電所」1990kw、1基が稼働中です(2009年11月に運転開始)。この風車の事業者は「さくら風力発電(株)」で、親会社は風力発電事業を全国展開する新エネルギー技術研究所(東京)です。
この日、秋田市では未明から強風が吹き、午前8時前には最大瞬間風速23mを記録していたそうです。午前10時15分頃、男性が倒れているとの通報があり、すぐそばには巨大なブレードが落ちていました。(この程度の風は台風では当たり前ですが、それに耐えられない不具合があったのでしょうか)
秋田県内には現在、陸上で307基が稼働しており、そえに加えて洋上に巨大風力発電計画がめじろ押しの状態です。陸上では山の尾根だけでなく、道路沿いや海岸、海水浴場などで稼働しており、市民が風車の根元まで近づけるものが少なくないようです。秋田県内では過去にもブレードの落下事故や雷による火災事故などが起こってきましたが、死者が出るのは初めてです。
この事故の起きた風車の点検を請け負っていた会社によると、“4月に目視点検したが異常なかった”と説明していたそうですが、目視で済ますとはいかにメンテナンスがずさんだったかということでしょう。(抜粋引用:長周新聞5月5日号)
北九州の風車は大丈夫?
日本で最大級のビオトープと呼ばれる「響灘ビオトープ」の近くには風車が稼働している。車が行き交い、時折バードウオッチャーの姿も。風車下では野鳥の死骸が発見され続けている。
北九州市では現在、若松区の響灘埋立地で7基、海上で1基が稼働中ですが、陸上では比較的近づくこともできる風車もあり、秋田市の事故は明日の北九州市かもしれません。響灘埋立地で稼働中の風力発電事業者に対しては、きちんとしたメンテナンスを実施していることを信じたいですが、野鳥への影響回避策を実施しようともせず、影響は小さいで押し通す事業者への疑念は増すばかりです。
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