おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#16★★さすがチーター

2013-08-18 | おやじ達の青春夏・エピソード
友達の輪がどんどんと広がっていった。
グループを大きく分けると年上の大森組がオタケを中心に
モリ君、ヨッちゃん、コバヤシ君、サトウ君、チーター、マサ達、
そして同世代で向島方面のオダとマコトを中心とした
テラサワ、ツネ、タケダ、アジカ、オキヤマ、イシカワ、ケイリン等々の向島組、
それに同じ高校の同級生で湯島のフミオ、世田谷のタカハシ、
草加のワタシ、築地のツボイ、江戸川橋のジョウスケ、練馬のチル、池袋のブタマツに、
そしてイトウ、アラキ、サエキ等々のメンバー。
この中でもまず軟派に掛けては「チーター」の右に出る者はいない。
チーターとはニックネームで本名はフナエ。
ニックネームの如く背が高く、足が長く、顔が小さくて
外観はちょうどアンソニー・パーキンスに似た感じだ。
ただし顔は似ていない。
けして二枚目ではないが頭の回転が速く会話が面白く
冗談がポンポンと出てきて相手を楽しませるのが上手い。
そんな彼を嫌う仲間はいない。
そして狙った獲物は絶対逃がさないと言う男だ。
例えば海岸で女の子を探している時に、砂浜で日光浴をしている良い子がいたとする。
しかし隣には彼氏らしき男が・・・。
普通は此処で諦めるのが当たり前だが、チーターは違う。
「あれ~○○チャン」「どうしたの?」「何時来たの?」と言いながら近づき
女の子を挟むように彼氏の反対側に座り込む。
隣にいた男も何の事か解らず取りあえず何も口は出さない。
「元気だった?」
「俺だよ、俺」
「忘れちゃったの?」
「チーターだよ」
女の子は「私、違いますけど」
「え~嘘○○チャンじゃ無いの?」
「それじゃ~妹さんかお姉さん?」
「ねぇ~、ミナミハラ○○チャンに似てるよね?」
「そうだね」と此方も話を合わせる。
「私、一人っ子で姉妹は居ないですよ」
「そうなんだ」
「久しぶりに○○チャンに会えたと思って喜んだのに残念だな~」
「桟橋よりの方にパラソルが3つ立っているでしょ、あそこに居る友達も皆、○○ちゃんには会いたがって居たのに~」「残念だな~」
と言いながら小さな声で「後でおいでよ」と言って立ち上がり
「ごめんね、間違えて」
「よ~く見ると○○チャンより綺麗だね!」
綺麗だねと言われて隣にいた彼氏も悪い気はしないので、何も言わずに笑っている。
しっかりと褒めて、後で会える場所と一度聴いたら忘れない名「チーター」をちゃんと伝えている。
大抵は男と一緒にいる女の子には声は掛けないが、チーターは違う度胸もあるのだ。
絶妙なタイミングと引き際を心えていて、この手で何度も女の子が訪ねて来るのを見ている。
この時もこの女の子は1時間位後に何気なく我々のパラソルの近くを歩いていた。
それを見たチーターはすかさず「此処だよ、ここ」と呼ぶと
「いいえ、アイスクリームを買いに行く所で・・・」
「そうなんだ、ジャー俺も行くよ」と一緒に・・・。
アイスクリームを買いに行くならわざわざ此方側を歩かなくても
道路の方を歩いた方が近いのに、わざわざ遠周りしてチーターの気を引いているのが分かる。
後で聞いたら、一緒にいた男は彼氏ではなく軟派されてしっこく誘われていた所で、
タイミング良くチーターが表れて良かったらしい。

間違えて声を掛ける手は私も何度も使わせて貰った。ただ、男がいる時は避けている。
度胸がそこまで座っていないから・・・・。

海岸に出ると10時ごろから夕方まではいる。
その間に海辺を端から端まで何往復するやら。
女の子を見付けると声を掛けるが、上手くいかなかったりするのは当たり前で、
それに自分には合わなさそうな娘には声は掛けない。
当然、仲間も多いので他の友達が同じ娘に声を掛ける事も多々ある。
上手く行くと自分達のパラソルの下に連れて来ては皆に紹介し仲間との会話を楽しむ訳だが、
友達が誘って駄目だったのに自分が声を掛けたらOKだったりする事もあるわけで、
そんな時は優越感に浸れるのだ。
チーターが連れて来た娘には劣等感を味あわせて貰った仲間は多い。
「おい、あの子さっき軟派したらシカトされた子だぜ」
「お前もなの、俺も声かけたらさ~今、用があるからって断られたよ」
「俺なんか待ち合わせしているって言われたよ」
「チーターには負けたよ~」
「何時も参るね」
女の子も仲間の顔を見て気まずそうな顔をしている。
「ごめんなさい」だってさ~。
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