おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#21★★資金稼ぎの・・・

2013-09-25 | おやじ達の青春夏・エピソード

クリスマス・パーティを開いてから、
癖になり小遣い稼ぎの為に月に1回週末の土曜日にパーティを開く事にした。
開くとは言っても規模は小さく喫茶店等のお店を借りきってやる程度で良く使っているのが、
銀座の「48」通称ヨンパチは銀座でも京橋よりの一丁目裏通りにある
薄暗い純喫茶で入り口が小さく店に入るとすぐレジカウンターが有り
その後にキッチンと奥のフロァに繋がる通路に沿って4人掛けのテーブルが3卓ならんでいて、
奥に入ると4人掛けテーブルが20卓位入る広いフロァが有る。
ここがメインの会場になる。
キッチン等が入り口付近に有るので店の人も奥には入ってこないので都合が良いのだ。
夕方6時から始まるので一時間位前には店に行き準備をはじめる。
テーブルの三分の二位を外に出し椅子を店入り口通路側にずら~っと並べ奥のフロァでは、
中央を踊るスペースにしてそれを囲むように壁側に背を向けて椅子を並べ
その間にグラス等を置く為のテーブルを壁に付けて並べる。
事前にお店に注文をしておいたサンドイッチや飲み物、グラス、取り皿、
灰皿等はフロァ入り口付近にテーブルを並べて
その上に用意をして各自が取りやすいようにセットをして置く。
そして一番肝心なのは女の子。
少ないと次回に参加してくれなくなるので、
一番大変な所だがこれが一番大事な部分。
ヨンパチは5分ぐらい歩くと銀座4丁目、
土曜日の夕方なので女の子は選り取り見取り。
一緒に開催する友達数人と手分けして声を掛けまくり軟派する。
「ねぇ、今、パーティをやっているんだけど、遊びに来ない?女性は無料だし・・・」
「パーティが有るんだけど踊りに来ない?女の子はタダなんだ」
「会費なしでパーティに入れるけれど行かない?」
「これからパーティに行くけれど一緒に行かない?」等々と声を掛けまくる。
特にお金が掛からない事をアピールして誘う。
飲んで食べて踊れてそして男子と知り会える。
特に用事のない子は大抵参加してくる。
店まで案内して中にいる男友達に紹介をする。
そしてまた外に・・・・・。
何度か繰り返し店に女の子を送り込む。
特に良い子を見つけた時等は友達には紹介しないで、
しっかりと自分で抑えて置く
「主催者だからチョット忙しいので、そこで待っていて直ぐに戻って来るから・・・」
と言った具合に店の奥には連れていかずに入り口付近の椅子に座らせ待っていて貰う。
パーティには夏に知り会った友達や女の子、
そして学校の友達や友達の友達とかに声を掛けたり、
知り合いの女の子、
特定の相手つまりフリ-の子達に声をかけ友達をつれて来てもらう
無論この子達の会費も取らない、
原則として女性は無料なのでみんな気楽に遊びに来てくれるしパーティに花を添えてくれる。
パーティを一回開くと少なくとも3、40人が集まる。
ただで楽しめて、新しいガールフレンドを見付けられ、その上、小使い稼ぎになるので一石三兆だ。
内の学校は私立の男子高なので女の子と話す機会が全くないだけに、
特に興味を持っているのでパーティが有ると誘うと殆どが参加してくれる。
後は当日に使う音楽、レコード盤を私が事前に用意する。
これが二番目に大事な部分で正味3時間のパーティを盛り上げるかどうかはこれで決まる。
モンキーダンス、ソウル、サーフイン、ツイスト、ジルバ等の踊りやすいハイテンポの曲に
メインとなるチークタイムのスローな曲等々のレコード盤を事前に用意をする。
まず始めの30分位は会話がしやすいような軽いBGMの様な曲を流す。
まずは日本の曲で一曲、ザ・リガニーズの「海は恋している」
そして次は洋楽のビージーズ「マサチュウセッツ」
荒木一郎の「空に星があるように」
テリ・スタッフォードの「サスピション」
ナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウッドの「初恋の並木道」
ガロの「学生街の喫茶店」
クリフ・リチャードの「ラッキー・リップス」
ザ・ワイルドワンズの「思い出の渚」
「若者達」
「長い髪の少女」
「花のサンフランシスコ」
ザ・サベージの「この手のひらに愛を」
ザ・ビートルズの「抱きしめたい」
「君に会いたい」等と日本の曲を中心に14、5曲を流し
タン、タン、タタタ、タタタタ・レッゴーとベンチャーズのリズミカルな曲「レッゴー」で
ダンス音楽に切り替える。
まずはチャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」初めは皆、照れが有るので踊りださないのでそう言う時には自分が女の娘を誘って率先して踊るか、踊れる連中に声を掛け踊るように勧める。
ジョイ・ディーの「ペパーミント・ツイスト」
ジーン・ビンセントの「ビー・パップ・ルーラ」
リトル・リチャードの「ツリィ・フリィ」
リトル・リチャードの「ル・シール」と
ツイスト音楽を続けて掛けて一気に雰囲気を盛り上げて次は
モンキーダンスの「ハンキー・パンキー」を、
次はサーフィンダンスのアストロノウツの「太陽の彼方に」
ベンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」
そして「ドック・オブ・ザ・ベィ」
「セブン・サン」
「マイ・ガール」
「ルイ・ルイ」
レイ・チャールズの「アンチェイン・マイ・ハート」
「サティスファクション」
ザ・ビートルズの「ロックンロールミュージック」
アレサ・フランクリンの「チェーン・オブ・フール」
「ヒッピー・ヒッピー・シェイク」
「ムスタング・サリー」
「カリフォルニア・サン」
チャック・ベリーの「ジョニー・ビー・グッド」
「ブーン・ブーン」
幾つかのカップルも出来たその頃合いを見て
ママス・アンド・パパスの「夢のカルフォルニア」
でちょっと曲のリズムを替え照明を落としてチークタイクへ
まずはライチャーズ・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」
「ミスター・ロンリー」
「愛なき世界」
「太陽の誘惑」
ナット・キング・コールの「アイ・キャン・ストップ・ラビング・ユー」
エルビス・プレスリーの「ラブレター」
「甘い暴力」
リッキー・ネルソンの「ロンサム・タウン」
ブレンダリーの「世界の果てに」
ポール・アンカの「君は我が運命」
ピーターとゴードンの「愛なき世界」
そしてチークダンスには最高の曲
「思わせぶり」
「10代のロマンス」
「恋する乙女」
「サントワマミー」等々とムードを一層盛り上げる。
暗いフロァ、奥に居る人の顔がぼんやりと見える程度の中、
かすかに囁くように聞こえる生々しい女の声「やめて~」
ここまでくれば今回のパーティは大成功。
そして再びダンスタイムへ次がチークタイムと交互に
それぞれの時間や曲はその時々の雰囲気や様子を見て替えて行く方が喜ばれる。
最後がチークタイムこの頃にはフロアは真っ暗でカップルが彼方此方に、雰囲気は絶好調、
残り15分位でパーティが終わりなるのでここ等で次の手を打たないと女の娘に逃げられてしまう。
既に軟派して連れて来た娘が2人位帰った。
女性慣れしていない連中がチークタイムで強引過ぎたらしい。
まぁこれも仕方がない何度か繰り返しているうちに上手くなる。
我々達のように・・・。
帰ってしまう女の娘にはしっかりとフォローをして置く「また、遊びにおいでよ」
「毎月、1回ここでパーティやっているからさ~」
「もし良かったら電話番号教えといてよ」
「次、何かの時に連絡するから」と言った具合に・・・。
タン、タン、タタタ、タタタタ・レッゴー、
タン、タン、タタタ、タタタタ・レッゴー、
タン、タン、タタタ、タタタタ・レッゴー。

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#20★★ジャケットが・・・

2013-09-17 | おやじ達の青春夏・エピソード
新橋、虎ノ門会館でダンスパーティが有るからパー券買ってと言われた。
大学生のグループがエレキギターで演奏するので凄い迫力だそうだ。
パーティの事は何回か話には聞いていたけれど実際に行った事が有る友達は居無かった。
話では「おばけ」と呼ばれる偽のパーティ券が有って開催されないのに
券だけを売って儲ける奴等がいるらしい・・・。
ただ、今回のは学校の先輩から回って来たので大丈夫だと言う事だったので友達数人で行く事になった。
親にはタカハシの家に遊びに行ってそのまま泊って来ると言った。
パーティ当日、この日の為に買ったVANのシァサッカーの三つボタンジャケット、
色はブルーとシロのストライプ、シャツはボタンダウンに紺色のニットタイにコットンパンツ
、靴はペニーローファーできめた。
待ち合わせの銀座に着いた。
8人全員が集まり「みゆき道り」をぶらぶらしてからパーティ会場へ・・・。
入り口は人で溢れてた。
中からはドラムとエレキの音が・・・,ビートルズのシー ラブズ ユーだ。
わくわくしてきた。
中に入ると暗く目が慣れてこないと見えない状態だ。
天井には球体がライトを反射してキラキラと回転している。
熱気でムンムン。
バンドの音が物凄いので話をするにも耳元で怒鳴らないと聞こえないくらいだ。
これがゴーゴーダンスにモンキーダンスか・・・ツイストを踊っている人もいる。
みんな汗を掻いて踊って楽しそうだ。
仲間は初めての光景にみんな無口になっている。
会場の端、壁側に移動しじっと観察を・・・。
見ていると何曲かは早いテンポの曲で、その後にはスローな曲に替る。
男同志で踊っていた連中はパートナーを探したり壁際に下がってテンポの速い曲に変わるのを待っている。
男女が抱き合って踊っている。
そのパターンを繰り返しているようだ。
後で聞いた話ではスローな曲で踊るのは「チークダンス」と言うらしく
頬と頬を付けて踊るからだそうだが、そんな踊り方をしている人はあまりいない。
殆どの人は、向かい合いお互いの片方の手を繋ぎもう一方の手を男性は腰に廻し女性は肩に掛けている。
凄い踊り方をする人もいた。
男は片方の手を相手の腰に回しもう片方を背中に回し頬ではなく耳を付ける位抱き合っている。
女性は両手を相手の腰に回し顔を相手の肩にもたれ掛っている。
暫くすると誰かが言いだした「俺達も踊ろうよ」と・・・。
他の人が踊っているのを見よう見真似で・・・なんとか。
どんな踊りをしようがそんな事を見ている奴も気にする人も居ない。
自分達の好きなように踊っている。
何かぎこち無いがそれでも楽しい。
そしてチークタイムに・・・
それじゃ俺達もと夏に磨いた軟派の腕で「
ツボイ、一緒にあの二人連れ行かない?」
「おう、良いけどさ、あの二人さっきから声掛けられているけど乗ってこないぜ・・・大丈夫?」
「まぁ当たって砕けろで行こうよ」
「OK!お前に任せるよ」
「コンバンワ、踊り上手いですね、
俺達パーティ初めてなんだけど、
もし良かったら踊り教えてくれないかな」
二人連れの女の子はお互いに顔を見合わせただけで、何も答えてくれない・・・無視。
ツボイはやっぱりと言う顔をしている。
それではと二人の踊りを真似てわざとテンポを外して踊ると、二人は笑いだした。
更に踊ると・・・。
「腕の位置が違うのと首の振り方が反対だよね~」と言いながらユックリと自分の踊りを見せてくれた。
「先生、こうですか?」
再び笑顔、上手くいった。
暫く踊っていると暑くなって来た。
汗を拭きながらジャケットを脱ぎ壁側で踊らずに椅子に座っている友達の隣の椅子に掛けながら
「悪いけど見ててくれる?」
「ああぁ良いよ」
そしてフロァに戻ろうとすると更に照明が暗くなって
スローテンポの曲が「アンチェインド メロディ」だ・・・チークタイムになった。
うゎ~どうしょう。
心臓がドキドキして来た。
上手く誘えない。
どうしょう・・・。
女の子の前で立ちすくんでしまった。
すでにツボイは踊っていて此方を見てニヤニヤしている。
やるな、あいつ。
すると女の子から「踊らないの・・・」と言いながら手を差し出された。
「いいや・・・」と手を出した。
もう片方の手を腰のあたりに恐る々当てユックリと腰を振った。
聞くと女の子は高3でイケダさん、イケと呼ばれているそうだ。
踊りが好きでパーティには良く行くらしい。
名前を聞かれたのでヤスノリと言うとジャー「ヤッチン」だねと言われた。
それから最後まで「ヤッチン」と呼ばれていたので友達までが「ヤッチン」と呼ぶようになった。
ツボイは「カズオ」
タカハシは「ケンジ」
ニシドは「マコト」と皆、下の名で呼ぶようになった。
どうも腰と足の動きがぎこちないがそれでもイケさんから言わせると上手いらしい。
「初めてなんて嘘でしょう」と耳元で囁かれた。
くすぐったい。
そして腰のあたりをギュと握られた。
「うっうっ・・・」と・・・どうもこの辺を触られるのは弱いらしい。
アッと言う間に2時間位が過ぎた。
3度目のチークタイムが・・・。
一曲目が終わり二曲目「ミスター ロンリー」が・・・。
しばらく踊っていると握っていた手を自分の腰にいや背中に回させ自分の両手は首に巻きつけた。
うわ~~と心の中で叫んだ。
彼女の顔はちょうど首のあたりで顔をうずめている。
心臓の音、ドキ、ドキが聞こえているかも・・・。
癖になりそう。
たまらない。
やわらかい髪の良い香り。
どうしょう。
世の中の楽しい事をまた一つ知ってしまった。
そしてバンドが終り照明が明るくなった。終わりだ。
2時間半のパーティは終わった。
イケさんの電話番号を聞き次回会う約束をして別れた。
そして帰る時、椅子に掛けたシァサッカーのジャケットの事を思い出した。
戻って見るとジャケットは無くなっていた。
「ねぇ、ここに置いた俺の上着知らない?」
「あれ、さっきまであったのに・・・」
一回しか着ていないのに・・・。
そして帰りの電車の中で友達に「ミナミハラ!左胸の所に何か痕が付いてるよ」
言われて見てみると肩のあたりに化粧と口紅の痕が付いていた。
翌日、友達の家から一人で帰る電車の中・・・
染み痕を隠す為にず~っと左手で吊革につかまって右手で左肩を揉むふりをしていた。

そして後日、
渋谷リキパレスにて開催されたベンチャーズ来日公演のダンスパーティに行った、
もの凄いもりあがりで特に印象的だった曲が「レッツ・ゴー」だ。
タン、タン、タタタ、タタタ、レッツ ゴー
タン、タン、タタタ、タタタ、レッツ ゴー、
会場の全員で「レッツ ゴー」と
今の俺達見たいな曲だ。
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#19★★秋・・・

2013-09-14 | おやじ達の青春夏・エピソード
夏に知り会った女の子達からの誘いで学園祭、文化祭に
日本女子大、川村、共立、京華、青山、上野、文京、お茶ノ水、滝野川、早稲田、立教等々に・・・、
学園祭のはしごを・・・。
休日にはVANの紙袋に分厚い英字辞書の中をくり抜き小物入れにした本を小脇に抱え、
平凡パンチをGパンの後ポケットに入れさっそうと
銀座みゆき通りへロングスカートにコーヒーの麻袋を抱えた女の子を軟派しに・・・。
チャンスがあれば軟派、軟派、軟派・・・
しかし現実にはそんなに甘くは無い・・・
小遣いの少ない俺達は男友達と立ち話をしているのがせいぜいで
洒落たガラス張りのお店、ジュリアン・ソレルに入ってお茶を飲む事はめったに無い。
ひたすら銀座周辺を歩き回り声を掛け女の子を捕まえると
日比谷公園のベンチで会話を楽しむという事の繰り返しだった。
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#18★★短い夏の終わり

2013-09-07 | おやじ達の青春夏・エピソード
16歳の短かった夏が終わろうとしている。
館山湾、波が穏やかな別名「鏡が浦」、
華やかだった北条海岸、
遠浅で広い海岸には海水欲の人達も少なくなってきた。
既に撤去されたり取り壊し中の海の家。
友達や想い出が沢山出来た。
森永キャンプストァ、
フォークダンス、
夜光虫、
渚銀座、
館山駅前通りの鏡軒、
沖ノ島、
とんかつのトンピロ、
城山公園、
第二中学校、
花火大会、
オレンジ色に染まった夕焼けや富士山は何回見ただろうか・・・。
数えてみると、この夏21日間ここに居た事になる。
「ミナミハラ、俺達も荷物を片づけてそろそろ、帰ろうか」
「そうだな、人も余り居無いしなァ~」
「帰ったらさ~女の子達が言っていた銀座の「テイジンメンズショップ」
の向かい側周辺に俺達みたいなのが集まっているらしいからさぁ~今度行こうよ」
「そうだな海も終わりだしな」
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