おやじ達の青春夏

団塊世代のおやじ達が過ごした楽しかった青春時代の想い出の数々。

#06★★他人の女に・・・

2013-06-29 | おやじ達の青春夏・エピソード


翌日、昨日の事が頭から離れなかった。
「ねえ、俺達も来年借りない、家を・・・」
「何人か集めてお金作ってさぁ」
「うんん~」
「そだな~」
「俺はあんな所じゃ寝られないよ」と神経質なフミオが言うと、
タカハシも「そうだな~」話は物別となった。
それでも昨日の事が・・・。
海で泳ぐどころではなかった。
じゃ~と言う事で今日は女の人に声を掛けてみょうと言う事になった。
昨晩、タカハシが誘ったら以外にも簡単にも良いと言う返事に我々、純粋な先輩達は楽観視していた。
何度か勇気を振り絞って声を掛けたが上手く行かなかった。
当然。
特に無視されたのには参った。
当たり前の事ながら声を掛けてる女の人達は全部年上なのだ。
馬鹿にされるのも最もかも・・・。
それでも挫けず3回目。
「あの~、済みませんが、お茶でも飲みに行きませんか?」
「振り返って、じ~っと見つめられ、目線が上から下へと、そして下から上に、良いわよ」
「わぁぁあぁ~~年上のお姉さん・・・」と心の中で喚いた。
そして「お茶ならキャンストへ行きましようよ」と
真っ白な建物、真っ白な壁、真っ白な椅子、昨日から入って見たかったお店だ。
「ここ、入った事ある」
「いいえ」
「ここはね夏休みの間だけオープンしているのよ」
「運営しているのは立教大学の広告研究会でスポンサーが森永製菓なのよ」
と年上のお姉さんは教えてくれた。
「詳しいですね」
「まぁね」
「貴方は何年生」
「高一です」と一年サバを読んだ。
「え~高一なの若いわね」
「若いそうには見えたけど高一なんだ」
「いいわね」
と言いながらメニューを指さし「カルピスは好き」
「はい」
「これ美味しいわよ」
「見ると、ラベンダースカッシュ」と書いてあった。
「これね、細長い背の高いグラスにカルピスいれてを炭酸で割ってね、
メロンシロップを上から注ぐと写真みたいに白とグリーンのグラデーションになるのよ」
「綺麗でさっぱりして美味しいわよ」
「じゃー僕、それにします」
「私はピンクのドリームスカッシュを」
結局、年下だからと言う事で御馳走になり、
明日帰るなら今晩、此処の前でフォークダンスをやっているから出で来るように誘われた。
俺って、ひょっとしたら軟派されたのかな?

この夜、お姉さんと約束をした海岸のブランコ前に行った。
海岸では夜になると立教大のキャンプストアの人達が
キャンプファイヤーを囲んでフォークダンスをやっていた。
待ち合わせの時間になったがあの人は来ない・・・
皆がフォークダンスを楽しんでいるのを見ながら待つ事20分。
このまま帰るのもかっこ悪いしどうしょうかと考えていると、
二人のお兄さんが怖い顔をして前に立ちはだかった。
「おい、お前、ここで女を待っているのか?女と待ち合わせの約束をしたのか?」
「はい」
「何時に待ち合わせをしたんだ」
「7時です」
「そうか道理であいつ!女は来ないよ・・・俺が行くなって言ったから」
「あぁ~そうですか」
「真面目に付き合うつもりだったのか」
「・・・・・・」
「お前、何年だ」
「1年です(本当は中三)」
「何処の学生?」
「○○です」
「そんな学校あったか?聞いた事ないぞ、嘘つくなよ?何処にある」
「目白です」
「目白?山手線の目白?」
「はい」
「お前、高校生?」
「はい」
「それも1年生?」と二人で笑いだした。
勘違いをしていて大学生と思っていたらしい。
「お前、デートの相手って何年か知っているのか?」
「いいえ」
「大学2年だぞ!もういいや、もう人の女に手をだすなよ」
と捨て台詞を残して立ち去っていった。だって・・・
どうして人の女って何処で解るんだよ、ば~ヵ。
首に縄でも付けておけよ。
男達が行った後に昼間のお姉さんが近寄って来た。
一部始終を見ていたらしい「ごめんね」と一言。
コロンの良い香りを残して・・・
行ってしまった・・・。



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