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草上静思

屋敷奈津代です。日々さまざまな思いを重ねながら、美しい景色の土地で暮らしています。

男女の色のとらえ方の違い

2009-10-22 19:37:43 | 日記
色っぽい話、ではなく。

ラジオで、「最近では、男の子と女の子の育て方を別々にすることがある」という話題を特集していて、師匠と「子育てって、時代が変わると、何が正解かがころころ変わるわね」という話になりました。

それとは別に、師匠(女性)と師匠(男性)の間で、よく、染め方に関する意見が対立するという話も出ました。

家に帰って、育児の本を読んでみました。

女の子は絵を描くときに「暖かい」色-赤、緑、ベージュ、茶-を好んで使い、人物を描くのに対して、男の子は「冷たい」色-青、灰色、銀、黒-を使って"動き"を描こうとするそうな。ふむふむ。

これから糸を染めるときに、男女に差があることを頭の片隅においておくと、男の師匠と無駄な喧嘩をしなくてすみそうです。

今日読んだ本:『男の子の脳、女の子の脳』レナード・サックス著

妄想から構想へ

2009-10-21 18:54:59 | 日記
明け方、目が覚めたときに、次の次に織りたい布のイメージが急に浮かびました。
なぜ次の次かというと、マフラーの次の布は、すでに経(たて)糸が整経(せいけい)済なのです。

師匠にイメージを伝えたら、「半反だけ織って、シャツに仕立てたらいいんじゃない?」とのお言葉。
わお、まさしく、シャツをつくりたかったのです。以心伝心☆

「今から糸を染めにかかったほうがいいかもしれないわね。」とのこと。

一台の機(はた)の上の仕事は、このように流れています。
今日織り上がったマフラーの経糸を機から外して、マフラーの端を房結びして完成。寸法を計って洗い、アイロンをかけて仕上げます。

今日読んだ本:『続民芸遍歴』 外村吉之助著

母へのマフラー

2009-10-20 19:33:19 | 日記
母の誕生日プレゼントに、私のとお揃いで、白いキッドモヘアのタムタムヤーンでマフラーを織っています。

「はた結び」で緯(よこ)糸をつないだことを師匠に確認すると、「もっといいつなぎかたがあるわよ」と言われて、一瞬つないだところまで戻ろうかと思いましたが、「あ、これでいいです。どうせ母のだから。」と答えた自分に驚きました。

母は厳格な両親(つまり私の祖父母)にいつも気を使っていました。私と母の間にも、少女時代から、ずっと壁がありました。

いいじゃん、許してくれるよ、だって母だもん。

30歳をとうに越えてようやくそう思えるようになった私は、作品展に出せるようなマフラーを織るよりもずっと、いいモノを作った気がしました。

新しい師匠宅からもどりました

2009-10-19 19:29:04 | 日記
前回の日記で、弓ヶ浜地方の女性が昔使っていた機織りの道具を渡されてからのこと。
新しい師匠(80代男性)に、昔の雑誌や古裂を見せていただきながら、織物と民藝の基礎の教育をうけていました。
今までの先生(60代になったばかりの女性)のもとに帰還して、今後の方針を相談しました。綿を買ってきて糸に紡ぐところから、教えてくださることに。

80代男性が、戦争も経験した縦社会の師で、60代女性は、地域の女性たちと和気あいあいと織る横社会の師。

私は、いうならば、ソーシャルネットワークシステムやブログに親しんだ、複雑ネットワーク社会を生きてきた世代かも。今年の春は東京まで、バラバシ氏の複雑ネットワークの講演を聞きに行きました。

異なる三世代の出会い、私にとっては生まれた地で巡り会えたことがとても嬉しいです。

I'm speechless!

2009-10-08 18:15:08 | 日記
"I'm speechless." とは、女性が使う嬉しいときの英語の常套句なわけですが。
筬通しをいただいてから、ブログの発言が止まっていました。今までは、ブログサービスが死んでも、txtファイルに手書きでHTMLファイルを書くくらい、毎日どこかになにかを書いていたのに。

人生のターニングポイントだった気がします。

そういえば、筬通しと共に洲之内徹の『帰りたい風景 - 気まぐれ美術館』もいただきました。
文章もがんばります、はい。

読書の秋[200903]介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常

2009-09-26 18:22:05 | 日記
一ヶ月ほど前に、NHK-BSの「週刊ブックレビュー」でちょこっと取り上げられていて、買ったまま積んでいたこの本を、ようやく読みました。

職員にとって当たり前の日常が、施設で暮らす人々にとっては「ふつう」の暮らしではないという、全国の現場で起こっていそうな描写に、共感しました。

まじめに「介護」を突き詰めて考えるスタッフに囲まれて、「介護」のための「介護」を受けて、誰も悪くないのに全員に不満が溜まっていくところが、悪夢のようです。

私の老後の暮らしには「笑い」や「ゆとり」がないと酸欠になりそうだなぁと、考えさせられました。

介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常
本岡 類
新潮社

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読書の秋[200902]故郷/阿Q正伝

2009-09-23 15:10:34 | 日記
お盆と正月は、なんだかんだと忙しいので、この時期の大型連休はなかなか嬉しいものです。

今は故郷に帰った私ですが、遠方から尋ねてくる客に、ここが私の故郷だと胸を張って観光ガイドをする機会が増えました。

なつかしい土地の思い出を、より美しく置き換えるために、ここに帰ってきたような気がしています。

帰った直後は、教科書で読んだ魯迅の『故郷』の主人公と似た感情を抱いたりもしました。

今は、私もちょっと大人になりました。

希望とは本来あるとも言えないし、ないとも言えない。これはちょうど地上の道のようなもの、実は地上に本来道はないが、歩く人が多くなると、道ができるのだ。

『故郷』の最後の有名な一節です。
1921年、この作品が書かれてから、数え切れないくらいたくさんの道ができたことでしょう。

でも、自分だけの道は、誰もガイドしてくれないので、迷わずにしっかり歩いていきたいと思います。

故郷/阿Q正伝 (光文社古典新訳文庫)
魯迅
光文社

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