地球は単なる星ではなく一つの生命体だとするガイア理論を提唱。WATASHIには衝撃だった。地球が人間を生かそうとしてるなんて。
この本はガイア理論を元に、超知能の誕生が地球や宇宙にどのような影響を及ぼすのかについて書かれている。 結果として超知能は人類や地球上の生物を滅亡させずに共存していくようになると。
超知能のひとつ、わかりやすく言えば人工知能は、映画ターミネータのように将来的に人間を殲滅せんとするのではないかという不安がぬぐえない。しかし彼は「地球は生命が存在するから冷えている。地球から生命がいなくなれば地球はより高温になり、地球そのものが保てない。だから人工知能は生命を根絶やしに出来ない」と述べている。
過去35億年の間に、太陽の熱放射は20%増えたという。これは地球の表面温度が50℃まで上がってもおかしくないレベルだそうだ。しかし地球はそうはなっていない。地球の表面全体の平均気温は、現在の15℃から上下約5℃程度の変化しかなかったという。このように地球は、外部の変化にあまり影響を受けずに済む「自己調整システム」を有している。この「自己調整システム」がなければ地球の表面温度はぐんぐん上昇し生命が存在できない環境になっていただろう。 ではこの「自己調整システム」は何が作動させているのかというと、それは生命そのものだという。生命が存在するお陰で地球の自己調整システムは作動し、地球は冷涼を保っている。そしてそのお陰で生命が地球上で存在し続けることが出来ているのだ。
もし地球外生命体がいて、太陽系を観察しているとしたら、「地球は太陽に近すぎるから生命はきっと存在しないだろう。いるとしたら火星のはずだ」と結論するはずと主張している。 ではそんな地球に何故生命が存在しているのかと言えば、地球が大量の熱を吸収する「自己調整システム」を備えているからだ。そしてその自己調整システムは、生命が存在するお陰で駆動している。生命が存在するお陰で生命が存在できる、という結論になってしまうのだが。
もし人類の知性を遥かに凌駕する超知能が誕生したとしても、彼らは生命を根絶やしにすることは出来ない。何故なら生命を絶滅させてしまえば、地球が持つ自己調整システムは作動しなくなり、地球の表面温度は上昇するからだ。もちろん超知能は機械だから、地球の表面温度が上がっても生存し続けられるかもしれない。しかしその前に、温度上昇に耐えきれなくなった地球がギブアップしてしまうだろうというのだ。 だからこそ超知能が登場した後の地球で人類が生き残る鍵は、超知能がガイア理論を受け入れるかどうかに掛かっているのだという。