八尾北医療センター労働組合

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八尾北労組の2・26ストライキ総括

2009-03-26 13:43:02 | Weblog
09年3月24日付け「八尾北労組通信」を転載します。


 八尾北労組の2・26ストライキ総括      
                           
 史上初の道州制粉砕ストライキとして勝ちとられた2・26ストライキについて、総括を深めていきたい。
 2月26日強制執行のその日に、八尾北労組が強制執行絶対反対・八尾北医療センターの民営化絶対反対のストライキで闘うことによって、森本さんの決起は真に6000万労働者の闘いになった。ストライキで民営化絶対反対を貫き、労組と支部の団結破壊を実力でうち破り、闘う者の力を解き放ってもののみごとに勝利した。

【1】 まず、組合員から出された感想について(森本さんの感想も)
●団結の力はすごい!
・団結の力はすごいと思った。
・団結力強い。それにつきる。
・ひとつになれたと、涙出てきた。
・今日の闘いは労組としての誇りです。
○森本政二さん
・みんなの団結の力、本当にうれしかった。朝早く労組が旗をたててみんなで来てくれる姿、忠臣蔵の討ち入りみたいでものすごく感動した。胸がこみ上げてきた。勇気がわいてきた。みんな生き生きしていた。
・これでみんなと団結できる。家を取られたのは残念やけどこれで闘っていける、勝てる。
・自分はこれは自分だけの問題ではないと言った。
・一人で闘っていたときは本当に心細かった。

●私らはすごいことできた!
・(子供をあずけて現場に)おしつぶされそうになって、こけそうに、支えて、向こうおかまいなし。私らはすごいことできた
・住管は押しのけてまで来れなかった。ガードマンはこちらの味方をした人もいた。
・ストライキに参加している人全員が中途半端な闘いではなくて全力で
・押し合いとかなっているときはひたすら怒りだけ。何とかして勝たなあかんと思った。
・現場はバリケードされ驚きましたが、その分自分に力が沸き、始発に乗り込んだことも私には大きな意味がありました
・感動しました。素晴らしい闘いでした。初めての実力闘争にひるむことなく、敵への怒りで肉弾戦を繰り広げた闘いは、やはり労働者は決起するのだという確信につながりました。労働者は闘いの中でこそ解放されるんだと思います
・裏口の写真見ると、自分たちよりすごい。学生がんばってくれた、すごいな。
(家取られて何で勝利?について)
・一生懸命したから負けた気しない。その場にいなかったから負けたと。現場にいたら負けた気ない。悲壮感や負けた、ない。みんな笑顔やった。
・正直負けた気はしない、やりとげたという気は大きい
・正面守れた。後ろからしか来れなかった
・これまで執行言われてすぐ出ていった人、出ていけ言われて出ていく。森本さんはちがった。
○森本政二さん
・下の攻防すばらしかった。これで完全に勝てると思った。これからもこういうこと次々あるだろうが突破口を切り開いたから勝利宣言をした。自分は強制執行を阻止したと思っている。
・表完全に守りきった。向こうは裏からしか来れなかった。勝ったと思った。すごい力。

●悩んでこの日を迎えた
・色んな思いがありながら今日の日が来て、実際自分との闘いやった。今日の闘いは労組としての誇りです。
・Nさん最後まで「あまりわからない」と言ってたのに、来た途端に警備員3人もどけて合流した。ひとつになれたと涙が出てきた。
・ストライキの1W前、2W前はピリピリムードやったのに、もう終わってんな、長いようで短い。八尾北つぶしにこの燃え上がり方せなあかんな。
・ストライキに関して、最初は納得いかず長い時間不満でしたが、2月15日の集会で重松Dr.の言葉で、自分の気持ちが変わっていくのを感じました。

●次は八尾北民営化攻防だ!
・八尾市に対して、民営化に対してやるぞということわからせた。
・ストやって、私らはこんだけの力で信念貫く。そういうパフォーマンスできたからいい。
・次は八尾北への攻撃、患者も守らなあかん。ちょっとやそっとではできひんでということ示した。
・八尾北つぶしにこの燃え上がり方せなあかんな。
・物々しい相手!!にぶつかっても倒されなかったのは、八尾北医療センターへの思いと、もっと働きたい自分へのエール!!のような気がします。

【2】私たちは2・26ストライキをかく闘った
●森本さんの決起をどう見るか
・住宅・店舗(仕事=生活の糧)の強奪=命を奪う攻撃
 神戸の震災復興住宅でも4月から応能応益家賃に。すでにこの5年で明け渡し命令で530世帯が追い出されている。応能応益で1万3450世帯の減免がなくなり「払えない」=滞納3ヶ月で追い出し。(娘2人が年収200万のワーキングプア、母は遺族年金6万円の3人家族で家賃は8万6千円になる!)
 西郡では11棟が立て替えで最高家賃が11万円!
 高砂府営住宅でも追い出されて殺された患者。
 派遣労働者の首切り・住宅追い出しで何万・何十万人の労働者が路頭に放り出されている。
 サブプライムローン(貧困ビジネス)で住宅を追われるアメリカ労働者 等々
 ①住宅(生存)をめぐる闘いは西郡の問題、の問題を超えて、労働者全部の問題になった。
 資本主義社会(新自由主義)の崩壊を、労働者へのより一層の徹底した収奪と団結破壊(道州制)で生き延びようとする資本家たち、それが森本さんへの強制執行だ。
 道州制=資本主義の崩壊の全面的な開始として、チャンスだとつかんだ。強制執行との闘いは八尾北民営化そのもの、絶対反対の団結の拡大に勝利があると決起した。

 ②地区協(解放同盟本部派)=体制内派の役割。
「面倒をみてやるといった格好をしながら自分らの金もうけのことばかり、住管と一緒に供託を降ろさせたのも地区協。こいつらのためにムラはだめになった。家賃11万円になっているのに絶対に闘わない。払えないという声も聞く。自分はこれは自分だけの問題ではないとたちあがった(森本政二さん)」
 3月5日の議会本会議で、吉村は「団地に住んでないもんが言うな」と私たちに言った。この「思想」でムラを押さえ込んできたんだ。差別を民と「一般民」の間の問題にして、差別を使ってモノを取る。だから彼らの運動は差別をなくす運動ではなく、差別を残し固定化する。資本主義の危機の時代には、「モノを取る」ことはますます細り自分だけの生き残りのために、闘いにたちあがる民を資本(行政)と一体となって弾圧抑圧する。資本による差別=労働者の分断支配に「解放運動」の側から加担し、民と労働者の間の分断を積極的に固定化してムラを支配してきた。その「思想」が「団地に住んでない者は口出しするな」だ。
 これをうち破ったのが、一方では森本さんと全国連西郡支部。もう一方は、八尾北労組のストライキ。資本と地区協(体制内勢力)による差別による分断を、民と労働者の双方からぶち破って、ついにひとつの労働者階級として決起した。

 八尾北労組は昨年9月8日の労組定期大会で、八尾北の民営化絶対反対を決議した。資本と労働者は非和解であること、医者も看護師も賃金奴隷であり、労働組合に結集して闘うとはっきりさせた。そしてこれに敵対する河内合同労組と徹底的に対決して勝利してきた。河内合同労組は、民営化絶対反対(資本との非和解の対決)に民と労働者の対立分断を持ちこんで絶対反対に反対し団結を破壊しようとして粉砕された。
 河内合同労組との対決を正しくやりぬいたことが、2・26ストライキを準備したといえる。

 ③もうひとつ。労働者の魂をゆさぶる森本さんの決起。
 「住管は人間じゃない。家賃はちゃんと払ってきた。一生懸命金の工面をしてやってきた。商売の法の借金を返すのを待ってもらってやってきた。息子も仕事を増やして必死で働いてくれている。それなのに何でこんなやり方で追い出すんだ。家賃通帳をよこさなくなって、何でやと言ったら「倍払ってもらったらいい」と言った。それなのに通帳もよこさない。だから供託したんだ。そしたら「滞納」だと。供託を降ろさし100万円払い、家賃毎月1万円プラスで払わし、住管の言うとおりにしてきたのに、自分らは何もせず全部こちらが悪いと言って裁判にかけ、裁判所と一緒になり追い出す。本当に悔しい。虫けら扱い、人間だったらあんなことできない。一人で闘っていたときは本当に心細かった。2回裁判やって同じなので、もういくら裁判やっても同じだと思って徹底してやるしかないと思った。」
 森本さんの、住管への怒り・地区協への怒りは根底的な人間の血叫びであり、団結を求める労働者の根源的な叫びである。八尾北労組は、労働者の感性で「森本さんの手を絶対離さない。」と決起した。そして私たち自身が闘いの中で解き放たれた。

●(2・25)ー26の闘いは、本当に勝利した。とどまることなく進もう。
【3・6道州制反対、橋下打倒闘争】
 ・豊中市職女性部が、本部執行部と激突して道州制粉砕の旗をたてた。
 ・労働者階級の最先頭で道州制粉砕の実力闘争・ストライキに決起した森本さん(全国連西郡支部)と八尾北労組が登場した。
 
【議会】
 ・末光議員は、「議員」「院長」のカラを脱ぎ捨て、労働者として八尾市と議会を徹底的に弾劾し抜いた。
 ・吉村議員が、ついに追いつめられて住宅民営化=応能応益による住民追い出しの手先として登場した。「応能応益認めて見返り約束」
 ・田中市長は、「警察を呼ぶぞ」とむきだしに。
【裁判】
 ・3/13明け渡し裁判で、辻西さん・岡邨さん・田中さんを先頭に強制執行を徹底弾劾する実力決起をたたきつけた。

 これまで「中立」「公平」であるかのような装いをとってきた裁判所や議会が、資本主義の危機(道州制)と私たちの闘いの中で、資本家による労働者支配のひとつの装置であることが完全に暴かれた。「民主主義」とか「法律を守れ」は労働者を押さえつける資本家と体制内の言葉だ。
 労働者にとってものごとを決するのは、議会や裁判所でではなく、団結した労働者の闘いだけである。労働者は労働組合に結集して、団結して資本主義をブッ倒そう。それができる時代だ!
 2・26ストライキと25ー26強制執行実力阻止闘争は、このことを明らかにした。