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ハレ時々オンデマンドTV

オンデマンドTVの感想やら日々の見聞録

NHKドラマ 帽子

2008-08-03 02:27:02 | Weblog
NHK 広島発 特集ドラマ 『帽子』



軍港の町呉で帽子店を営む老職人の春平(緒方拳)と
彼を担当する警備会社の青年吾朗(玉山鉄二)。
あるきっかけで、
二人の運命を決めた女性、世津(田中裕子)が
東京にいることを知る。

春平にとって世津は、妹のようにいたわりながら
心に秘めた愛をまっとうできなかった悔恨の相手。
吾朗にとっては幼い自分を父の手に残して去っていった
薄情な母親。

世津はその出生の頃から胎内被爆という悲運を背負い
多難な生き方を強いられながら
いまさらに、癌を患い余命数カ月と宣告されているという。

二人の男は、自分の生き方をもう一度見定めるために
世津のもとへ向かう。



生きる誇り、という言葉を
久しぶりに聞いた。

春平と吾朗にとって、それは仕事であるのだが
仕事に充実を感じられないのは
実は心の底の、信じる人の不在であることを
気づかされる。

世津の受けた傷みについて、多くは語られない。
ただ「のほほん」とやり過ごすことが
肩肘張らず、自分らしく生きる知恵であることを
教えてくれる。

いまも続く傷を恨み、憎むのではなく
自らの知恵で再び人を生かすことができるなら
それが
世津にとって、誇りある生き方なのである。


誇りある生き方など
いまさらカビ臭い、といえばそれまでだが
戦後六十数年を経て、みんな幸福になったかとみれば
そんなことはないのもまた、事実なのだ。


たまにテレビを見て、グッときた90分であった。



NHK 広島発 特集ドラマ 『帽子』 8月2日(土)21:00~22:30放送

ヤングサンデー 休刊

2008-08-01 00:49:13 | 
ヤングサンデー ついに休刊



コンビニの雑誌コーナーには
少年誌から青年誌、女性誌だの成人誌まで
実に数え切れないほどの漫画誌が存在する。
こんなにいっぱいあって商売になるのかと
心配になるけれど
通勤途中のいい年した(「若い」って意味)
サラリーマンが夢中になって読んでるくらいだから
ニーズはあるんだろう。

自分が『ヤングサンデー』を読み始めたのは
「パラダイス」(守村 大)という
ボクシングマンガが連載されていた頃で
実にまっとうなスポ根具合が面白かったのだ。

マンガの世界に暴力とエロはつき物だから
時代が変わろうがタイトルが違おうが
どんなマンガ誌にもその要素はあるし
”反骨の精神”がマンガの重要な要素だとすれば
それをなくすことはできない。
売り上げにも響くしね。

とはいえ、
(前にも書いたような気がするが)
小学館系はまだまともで
正義は必ず勝つ、という暗黙の了解を
守り続けている。
これは大事なことだと思う。

もちろん、マンガ誌が休刊になるのは
珍しいことではないが
連載中のマンガがどうなるのかなんて
気にしたこともなかったのだけれど
今回は主だったものが
系列の他誌(スピリッツ、オリジナル)に移行したり
他誌の増刊号で掲載されたりするようだ。



自分的にはいまお気に入りの
「Odds~オッズ」(石渡 治)という競輪マンガが
スピリッツの9月の増刊号「YSスペシャル」に
掲載されるというので、ちょっとは安心しているのだけれど
このタイトルには一抹の不安を感じたりもする。

小学館的にはマンガのリストラということなのかも知れないが
大体、なくさないほうがいいものから切られていくのが
世の常、ということだろうか。


(先週号の「新 青春くん」[とがしやすたか]より)


誰だって、母ちゃんを怖いと思わなくなったら
いかんのである。


『ヤングサンデー』 NO.35 通巻1162号  小学館 特別定価330円(本体314円)