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屋根裏としょかん

静かに世界が見える場所

~いい本はみんなでこっそり読むのだよ~

禁じられた世界へようこそ。「眠れる美女」

2007-01-04 19:48:35 | ちょっとキケンな本
◆「眠れる美女」 (川端康成/新潮文庫)
 
あらすじは、純平さんのレビューにある通りです。

川端先生、ご乱心ですか(笑)!?…って慌ててしまうほど、
めくるめく官能の描写が…寸止め状態で描かれていて…。
薬で眠らされている娘の、まるで理想の女性を言葉で形にするような、
そんなリアルな描写っぷりには、ただただ茫然…でした。

ちなみにこの江口老人は、本来なら、この宿を訪れる資格がない人で…。
他の客人と違い、タブーを破ろうと思えば破れてしまうという、
実に危険な人物で…。

変な話、文豪もしょせん、男か女なんです。
なんて結論づけたくなる話でした。
一緒に収録されている「片腕」という小説も、言葉こそ文学的ですが、
つまりは…(笑)。
これを発表した川端康成は、豪傑な人デスねぇ…。


くるみ
 わっはは~。

たちの悪いいたずらはなさらないで下さいませよ・・・と始まる「眠れる美女」

2006-12-10 19:52:02 | ちょっとキケンな本
                                  川端康成・新潮文庫

眠っている女の子の口に指を入れようとなさったりすることもいけませんよ、
とその宿の女に念を押されて入った禁断の館・・・
川端康成のこの凄い本があるのは前々から聞いていた純平でしたが何か読むチャンスなく(笑い)

川端康成と言えば日本人初めてのノーベル文学賞作家であり
教科書にも出てくる「伊豆の踊子」「雪国」「古都」・・・日本の美しさを耽美にとらえ
そんなイメージが先行して。ほったらかしてありました(笑い)

ある日、ある切っ掛けで(笑い)やっぱり読んでみようか「眠れる美女」
いや~凄いもんだ文豪は。
文豪初心者の純平が論ずるのはおこがましいが、お許しください(笑い)

この館、男の機能を忘れた老人が
なんと薬によって眠らされてる若い生娘と添い寝が出来る不思議な館・・・
そこには破ってはならない一つの掟があった
最初から眠っている女それも一糸まとわぬ裸身の娘・・・
添い寝して娘の目の覚めぬうちに、その館から去らなくてはならない不思議な官能の世界

純平もいずれ来る(笑い)男の性(まだ、まだ純平は大丈夫ですけど!ガハハハハハハハ!!!!!!!)
おう~っと今、こんな事言ってる場合じゃない失礼しました。
どうもノーベル文学賞作家の話をしているのに、いつもの「怪人純平」調になって(笑い)
お許したまわれ・・・(ブフッ!)

凄い話だけれど美しい文章の力で直接的なことは何も書いてないけれど
読み手の妄想を駆り立てられる。
この主人公「江口老人」
実はこの江口老人は男の能力をもちあわせた、
この館の言う「安心できるお客さま」ではなかった。
結局五度も「眠れる美女」の館へ通いつめ六人(?)の生きた眠れる美女にたいして、
我を忘れながら禁を敗れなかったのはなぜなんだろう。
どこか死の匂うエロスの退廃であるのか
最終的には性への執着を捨て切れずにいながらも枯れていく様を
冷静に見つめていかなければいけないのか
川端康成はこの作品で何を・・・

人生平々凡々と生きてきてしまった純平には解るすべもありません(笑い) 

しかしこの館に脚を踏み入れる江口老人の・・・
前の女、館の六人の「眠れる美女」にたいするかなりの肉体描写のしつこさには驚かされるものがあった。

いまさらながら凄いです川端康成。

また、同時に収められている。
片腕を一晩お貸ししてもいいわ・・・で始まる
「片腕」も室内フェティズムの極地であろう。

まだまだ(笑い)子供の純平でした。  

そんなところが「本」っておもしろい

怪人純平

1冊丸ごと、筒井流エロ話がぎっしり。「陰悩録」

2006-09-24 19:19:42 | ちょっとキケンな本
◆「陰悩録 リビドー短編集」 (筒井康隆/角川書店)

誰もが持つ能力で、テレポーテーションできる社会になったら…。
妻と子供の目の前で、福を授ける弁天様に迫られたら…。
新婚夫婦の暮らしを覗く、潜望鏡(潜水艦の)が現れたら…。

どーしてそうなるの~って笑いたくなる話ばっかり。
特にテレポーテーションの話「郵性省」には、電車の中で吹きそうに
なりました(笑)。キケンキケン。
こんなにも性をテーマにした作品ばかりなのに、
いやらしい感じがしないのは、おもしろおかしく笑いをとるネタに
料理されちゃってるからデスね。きっと。
人々が持っている性への意識、あるいは社会的な刷り込みまで、
見事に茶化しているので、いっそ爽快な感じです。

ここまで極端な世界、ありえないので安心して楽しんでくださ~い。
なんてなんて。


くるみ


この星には、宇宙人が紛れている。「増量・誰も知らない名言集」

2006-09-09 20:49:46 | ちょっとキケンな本
◆「増量・誰も知らない名言集」 (リリー・フランキー/幻冬舎)

TVに出れば、エロネタかましてインタビュアー困らせる。
一方「東京タワー」なんて感動の名作を、生み出しちゃったりもする。
そんな奇才の変わり者、リリー・フランキーすら驚かせた、
フツーに見えてフツーじゃない人々の、衝撃的な名言集。

リリーさんちのビルの前で、長々と粗相していた男が…。
虫入りサンドイッチを食べてしまった友人が…。
女子高生に痴漢を働き、追い回してきた男が…。
銀座のホステスの中でも、難関の女をオトそうとした男が…。

その日その時その場で残した、臨場感のこもった一言。
これには…気持ち悪いのも、笑っちゃうのもあり、
人間という生命体の業の深さを感じます。

メインのネタは、ここには書けません。あまりに毒が強すぎます…(笑)。

しっかし、自分の周りに、こんな変な人たちばかりが集まってきたら、
おもしろいかもしれないけど……「まとも」とか「フツー」っていう
言葉の意味が、分からなくなりそう(笑)。

ちなみに、食欲、性欲に関するネタ多し。
生きている人間にとって正直な本になってます。
でも食前にはオススメできないデスよ~(笑)。


くるみ

いいね~猥褻だが奥床しい行為!人間スケベでないと「陰悩録」

2006-09-05 01:06:20 | ちょっとキケンな本
でた!!!「ポルノ惑星のサルモネラ人間」
屋根裏としょかんの奥深いところが、嬉しくなりました!!(笑い)
でも、純平は店頭でことさら異彩を放っている表紙に
純平の「小惑星」がドキドキして買いそびれていました!!
さすが「くるみ館長」!!純平、意を決し「ポルノ惑星・・・」に続くなら
これしかないと「陰悩録」リビード短編集!!
純平が手にしたこれも、そうとう哲学的にスケベだね(笑い)

隠・悩・録、よくこんな題名つけるよね
男と女、男と神様、男と・・・
果てしなく続く人類の過激な「性」を描く滑稽で神聖な悲喜劇(ちょっと受け売り)
「陰悩録」リビード短編集。リビードとは本能と言う意味らしい
この短編の全てのテーマはセックスである、
とんでもない話なのに妙に可笑しさがあり、切なさがあり思い当たる(笑い)節があり・・・
だから話の内容と言われても(笑い)読んでもらったほうがいい(笑い)

でもチョッとだけ・・・
だいたい風呂の排水溝にキ○タマが吸い込まれたら、
そう言われると男なら1回ぐらい思ったかも(笑い)
不思議で可笑しすぎる話。また最後の落ちが・・・

郵性省の話しこれは思い当たる節おおありで(笑い)
一人アレ?して絶頂に到達するとなんと!
夢見るその相手の側にテレポート、いやオナポート?そんな馬鹿な????
またまた突然我家に舞い降りた「弁天様」に迫られて・・・
もうこれは書けません、描けマセッン(笑い)
だって本書がまるまる1ページ全部×××の伏字なんですよ(大笑い)
描けないですよね?

本書にはそんな男の性の不思議が真面目に、不真面目そうに真面目に(笑い)
モラルを超えて描かれているような・・・
こう言う話はまずは読んでみないとね(笑い)

筒井康隆はブラックユーモア・エロ小説の最後の文豪かも・・・
そう言えば文豪と呼ばれる人は古今東西、みんな、みんな、・・・ス・ケ・ベ!だよ

今日は文豪じゃないけど・・・スケベな純平

脳天直撃!エロ・グロ・パニック!!「ポルノ惑星のサルモネラ人間」

2006-08-27 23:58:58 | ちょっとキケンな本
◆「ポルノ惑星のサルモネラ人間  自選グロテスク傑作選」 (筒井康隆/新潮社)

ポルノ惑星を研究していた、ある美人博士が妊娠した。
原因は「ゴケハラミ」なんていう、怪しい草。
調査隊は、美人博士を救うべく、現地原住民に対処法を
うかがいに出かけるが…。
 
エロッちい名前の生物がうじゃうじゃ登場して、
生命の危機にすら襲われる、ポルノ惑星。
よくもまぁ、こんなこと考えつきました、って笑っちゃうくらい、
筒井康隆ファンには痛快な短編がぎっしり。
苦手な方にはごめんなさい。
でもこの小説、ブラックな笑いの奥に、
さり気なく作者らしい哲学が、語られていたりも。

私なりに要約しちゃうと…。 
地球では人目から隠されている、
「愛情のたどりつくいちばん果て」の行為は、
じつは素晴らしい芸術なんじゃないかってこと。
その芸術の価値を感じる前に、
「いやらしい」と思うこと自体が、おかしいんじゃないかってこと。

……これって、数年前におきた差別表現の事件と、
ちょっとつながっているような。

まず、自然な状態で、人や物事を表現したものを、
差別だなんだって糾弾すること自体が、おかしいんじゃないか。

「差別だ」「いやらしい」などとレッテルを貼る以前に、
私たちを取り巻く世界にある、すべてのものを見て、
自然な状態で、その価値を感じ取ることも必要なんじゃないか。

つまり、タブーから目をそらすこと自体が、「差別」。
いやらしいと決めつける概念こそが、「いやらしい」。

なぁんて、言っているような気がしちゃったのでした。
考えすぎかな。
フツーに読んでも、あちゃ~って頭を抱えたくなる(笑)、変な物語…。
怪談よりも過激デス。


くるみ

ちょっと怪奇な恋愛(?)物語。「ホテル・アイリス」

2006-07-30 23:31:44 | ちょっとキケンな本
◆「ホテル・アイリス」(小川洋子/幻冬舎)

海辺の町で、小さなホテル「アイリス」を経営する、母と娘。
アイリスに宿泊した、ある初老の男と、娘が町で再会したとき、
二人の中にぎごちなく、奇妙な愛情が芽生えていく…。

夏の日の風景、部屋の様子や、衣装、髪型など、
何気ないモチーフや風景を描写する文章は、すごいきれい!
耽美な感じで……ついつい引き込まれちゃいます。
外国のような、日本のような、
童話のような、映画のシーンのような、
この世界づくりは見事です。

ただ……、少女と老人の関係……。
こういうの、好きな人と、抵抗がある人とに分かれると思ったり。

一見紳士的だけど、神経質で癇癪もちで、
穏やかな仮面の下に狂気を隠し持っている男性の人物像は、
ホントにリアルでした。
屈折する理由のない(あるとしたら母の圧迫?)少女が、
それに惹かれるのは……なぜ?って思っちゃったけど(笑)。

ホントに「博士の愛した数式」を書いたのと、
同じ作者さんなんですよねぇ。……フシギ。

くるみ

なんと申しましょうか~恋愛の微分積分(笑い)「夜の公園」

2006-07-09 21:36:27 | ちょっとキケンな本
う~ん、こんな複雑な状況をどうして思いつくの、こんなに話をこんがらさせて・・・
後はあんたが考えなさいって言う小説が多い中(笑い)
奇麗な文章で最後まできちっと書いてみせる川上弘美、なかなかです
純平はじめて読んだけど気持ち良く読めました(笑い)でも純平矛盾が続きます・・・
それはそれとして(笑い)
現実にはこの状況下にはいたくないかも(笑い)

わたしいま、しあわせなのかな~。寄りそっているのに、届かないのはなぜ・・・
大人の間違った恋愛話(笑い)純平には理解に苦しむ世界です。
今回怪人として経験不足ですみません!とか言いようがありません。

まず、妻×愛人。夫×愛人(妻の友達?)。妻の友達の恋人×妻の愛人のお兄さん。
あれあれ・・・もう純平の頭の中は・・・夜の公園に行って頭を冷やしたい(笑い)
こう言う話はあんまり「ネタばれ」しちゃうと面白くないのでこの辺にしときますが・・・
別に笑ってごまかすつもりはありません。
読み進むと「エ~ッ」そんな~・・・って、話に多々ぶち当たります(笑い)
でもその辺のとっても無茶苦茶な心理がとても普通に書かれて不思議です。

まっすぐで不器用な主人公「リリ」自分に疑問を持ちながら、
自分の場所を探して・・・
でも誰かを求め一人前に進むそんな「リリ」小説上では好きです(笑い)

でも正直出てくる人達に純平は感情移入は最後までできませんでした。
普通の怪人になって読んでしまつた「夜の公園」・・・そんなところが「本」っておもしろい。

今回普通の怪人純平

狂気の鬼畜対談本

2006-05-29 00:12:00 | ちょっとキケンな本
◆社会派くんがゆくシリーズ 株式会社アスペクト

この本が好きだと言う地点で人格を疑われる本。
悲惨な事件などを見事に笑いモノにしている史上最悪の鬼畜対談本。
対談するのは知る人ぞ知る嫌な雑学を語らせたら日本一の唐沢俊一に
電波系鬼畜系の先駆者にて趣味は下着ドロにゴミ箱漁りの村崎百郎。
書いてる内容をココに書けないくらい洒落にならない内容。
遺族の心情など知ったこっちゃないと謳ってるが、本当に容赦無い。


とある有名な事故で亡くなった高校生に「希望に満ちた若者が・・」
とニュースキャスターが悲痛な顔でコメントされていたのに対して
「**(この場では伏字)学校なんかに通う奴に将来なんかあるか!」
と返しているのは、この本では至極普通なこと。



この手の本が好きだという地点で私の人格も想像つくだろうが、
書いてることは鬼畜三昧の癖に妙に的を得ている部分が多い。
一見悪趣味な対談に見えるが、事件の本質を的確に見据えてるので
立派に商業的な読み物として成立しているのだと思う。
コトバのロックとでも言うべきか。
心の中では思ってても表立っては言えないコトを
書いてくれてるという爽快感も否定はしない。


けど、不快になる人はとことん不快になると思うので注意は必要。
私のように他人の不幸を愉しめる人間じゃなきゃ無理だろう。

何よりこんな本が世に出回ってることに出版界の希望を感じた。
抗議も多いだろうけど、抗議に負けずに出版し続けて欲しい。


先のイラク戦争で日本に金を出させたブッシュを指して、
「あれは小泉がオレオレ詐欺に遭ったようなモノだ。
“俺だ、俺!至急イラクに金送ってくれ!”で出したに違いない。」

また、そのオレオレ詐欺を指して
「そのうち貧乏劇団が劇団オレオレ詐欺を始めるかも!」
と書いてたら翌年本当に似たような事件が起きたのは笑えた。



たぶん、好意的なレビューを書く人はそうは居ないだろうから、
せめて私くらいは熱烈に応援させて貰おうと思う。


シュウ

お受験戦争が、狂気を生んだ。「砂漠の薔薇」

2006-05-23 22:58:21 | ちょっとキケンな本
◆「砂漠の薔薇」(新堂冬樹/幻冬舎)


子供のころ、母親に認めてもらえなかったトラウマを持つ、
のぶ子は、自分が母親になると娘を一流の幼稚園に入れるため、
お受験教育にのめり込んでいく。
気位ばかりが高くて性格の悪い、周りの奥様方の嫌がらせで、
平凡な主婦だったのぶ子が、やがて狂気に蝕まれていく…。

いや~、怖いです怖いです。心の中で冷や汗をかきながら
ブジに読み終わりました。
一流企業に勤める旦那をもつ、奥様たちのなかで、
一介の主婦であるのぶ子は、経済状況などの面で、
チクチクといたぶられていくし…。
のぶ子も、この状況から抜け出して幸せをつかむには、
娘をエスカレーター式の名門幼稚園に入れるしかないと、
思い込んでいるし。

学生時代から、内気なのぶ子をリードしてくれた友人、
十和子に対しては、感謝をするよりも自分の短所を
突きつけられたように思って、最終的には恨んでいくし。

でもね、私の身近にも、こういう嫌味な奥様みたいなグループが
いて、それを思い出したら…背筋がゾゾゾとしました。

金をかけなきゃ用意できない、一流の教育なんて、
べつにどうでもいいじゃんって思う私。
学力がなければ入れないっていうのは分かるんだけど、
金と権威とコネがなければ入れない教育機関ってどうなんでしょう。
他人を蔑んで優越感に浸るための場所で、
優しい人間は育たないと思うから…、こっちから願い下げです。
まるで集団薬物中毒みたい、この奥様方。

悲しいっていえば悲しいんだけど。
他人を信じなかった報いなんじゃないかと、
最後ののぶ子の姿を見て思ってしまいました。

右にならえじゃなくて、自分が本当にいいと思うものを、
選びとっていく理性を持っていたいですよね。
大人なんだから。


くるみ