花の細密画 山根悦子ボタニカルアート

季節の植物や植物絵本、ボタニカルアートについて

2023/04/03

2023-04-03 23:48:38 | 日記
🌷春爛漫
園芸植物として親しまれているチューリップも咲き始め、いよいよ春は駆け足です。

いけばなの月刊誌🌿「小原流挿花4月号」<植物画家のまなざし>では『植物の一生を伝える』をテーマに、チューリップの交配を描いた作品を掲載して頂いています。


 
品種改良の際は、種から5年をかけて花を咲かせ、その後球根を殖やしていきます。結実の姿は、ふだん目にしないけれど植物の大切な実体です。


植物の移り行く姿を描くのは、栽培と同時進行なので、時間がかかります。けれど植物がどんな成長を見せてくれるのか、ワクワクします。完成したボタニカルアートは絵本のようにストーリー性が感じられるのが楽しいところかな、と思います。


我が家の花壇で栽培している富山県産のチューリップです。昨日から咲き始めました。
黄色のは「あけぼの」




「炎のダンス」令和3年の新品種



「乙女のドレス」令和3年新品種です。


「小原流挿花」今月のアンケート&プレゼント
クリアファイル2名様
🛒「小原流挿花」の購読は
小原流オンライストア「花もあ」又は、Amazonからohararyu.or.jp/soka/

サイトBOOTHでもクリアファイルを扱っています

art-botaniqe - BOOTH

植物の細密画ボタニカルアートを透明水彩で描いています。山根悦子のグッズサイトです。ポストカード3枚セット「富山県産チューリップ」(¥ 450), A4プリント「様々な翼果」(...




#小原流挿花 #ボタニカルアート #botanicalart #チューリップ #植物画 #花もあ #EtsukoYamane

2023/03/17

2023-03-17 15:15:17 | 日記
東京では3月14日に🌸桜の開花が観測されました。これは平年より10日も早い開花です。
今年は、全般的に春の花の開花が早く、桜草の開花も間もなくかなと楽しみです。

🌿「小原流挿花3月号」🌿では
「サクラソウ」と「アマドコロ」の作品を掲載して頂き、<生態画>について書きました。


<生態画>とは、植物と環境との相互作用を描いた絵で、種の特徴を伝えるボタニカルアートの表現スタイルの一つです。


🌸「サクラソウ」の自生地である田島ヶ原は、国指定特別天然記念物に指定されています。
毎年1月には、サクラソウに日の光が当たるように草焼きが行われます。サクラソウは燃え残ったオギやヨシの間から芽を出し、桜とほぼ同時期に開花します。



🐝「アマドコロ」は、自宅庭のもので、スケッチの最中に花粉や蜜集めにきたハナバチを描き添えました。


花粉の運び屋さんである「送粉者」と共進化を遂げてきた植物のメカニズムを知ることも、生態画を描く上での楽しみです😊

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4A「サクラソウ」クリアファイル 
通販サイトart-botaniqe.booth.pm

春の妖精 「アマナ」

2023-03-10 15:41:43 | 日記


スプリング·エフェメラル 春の妖精 [アマナ」を描きました。

スプリング・エフェメラルは、
まだ他の植物が目覚めていない早春、太陽の光が地面にたっぷり浴びて、いち早く花を咲かせます。


受粉をし、タネを作り、地下で養分を蓄えます。そしてあっという間に地上から姿を消してしまいます。

埼玉県田島ヶ原のアマナ
ちょうど今、見頃を迎えています。

田島ヶ原はサクラソウの自生地として知られていて、国指定特別天然記念物になっています。 


ノウルシも発芽。数品種のクローンが群落をなしています。既に小さな黄色の花を咲かせているもの、緑色や赤みがさしている芽の状態のものもあります。

アマナの合間には、サクラソウが1~2センチの芽を出しいました。
温かさもまして、これからいろいろな花が咲くのが楽しみです🎵


#ボタニカルアート #アマナ #自然観察
#amanedulis #botanicalart #watercolor
#EtsukoYamane


冬に輝く青い宝石 リュウノヒゲ

2023-02-05 18:22:29 | 日記

リュウノヒゲは、グランドカバ-として人家や公園、街中で広く利用されている身近な常緑の多年草です。

自然の中でリュウノヒゲは、林床に広がっています。

こんもりとした草をかき分けると、キラリ!と輝く瑠璃色の実が見つけられるかもしれません。

 

じつはこの実、形態学的には「種」にあたります。

種の付き方は面白くて、一つの萼に1個から5個位まで付きます。

<上の写真>は青い種の周りに、未熟な小さい緑色の種が付いています。

<下の写真>は一つの萼に青い種が3個付いたりしています。

種は、成熟前に果皮から露出して、青く熟します。(イメージとしては、ミカンの皮が剥奪してヘタに種だけが付いてる感じ)

     

種を半分に切ってみると、

青い肉厚の外皮とその内側にある半透明の種本体とに分かれています。

外皮は鳥へのごちそう。本体は、弾力性があり消化されずに、糞と一緒に排出されます。

種をポトンと固い地面に落とすと、スーパーボールのように弾みます。

こんな絵を描いて、オリジナルのクリアファイルを作ってみました。

青い種を食べているのは、キレンジャクです。

場所は私が観察地としている埼玉県の秋ヶ瀬公園、ピクニックの森で、毎年3月にキレンジャクやヒレンジャクが飛来してきて、青い種を食べます。

木々の多くは、12月から1月に実がなります。けれども、リュウノヒゲは

餌となる木の実も虫も少ない立春の食糧難の頃から、地面で青い種を色づかせるのです。

鳥に被食散布をしてもらう、リュウノヒゲの生存戦略かもしれませんね。

リュウノヒゲは梅雨の頃、薄紫色の小さな咲をかせます。

3年間、栽培したところ、リュウノヒゲには「草だけのタイプ」と少数の「花をつけるタイプ」の2種類があることが、わかりました。

実付きの株は、毎年花を咲かせましたが、草だけの株は何年たっても花が咲くことはありませんでした。

新しい遺伝子を持った種は、林のあちらこちらで発芽し、

地面の下で、ほふく茎を伸ばし、子株を殖やして群落を拡大していきます。

一種類のクローンの群落であったなら、草がウイルスに感染した場合など全滅する恐れが高まりますが、

この2つのタイプの草のおかげで、リュウノヒゲは勢力を保ちながら、子孫に命を繋いでいきます。

本当に植物の生命力はたくましい。

こちらは福音館書店刊 2017年3号かがくのとも「リュウノヒゲ」です。よろしかったら、読んでみてください。

品切れ中なので、図書館で借りるか、中古でしたら入手できるかもしれません。

こちらは、現在発売中の

いけばなの月刊誌「小原流挿花」2月号です。

小原流オンライストア「花もあ」又は、Amazonから購入可です。ohararyu.or.jp/soka/

クリアファイルと絵本は、今月のアンケート&プレゼントの抽選賞品となっております。


2023/01/03

2023-01-03 12:26:38 | 日記
明けまして おめでとうございます

昨年からブログを始めたばかりですが
本年もお付き合いの程
どうぞよろしくお願いいたします

2023年は1年間、いけばなの月刊誌『小原流挿花』、タイトル「植物画家のまなざし」で連載を受け持つこととなりました。

多くの方に「ボタニカルアート」について知って頂けたら嬉しいです。

1月号では「ボタニカルアートとは」どんな絵なのか、どんな気持ちで描いているのか、などについて書きました。


今回、掲載しているのは
💙ヒアシンス 'デルフトブルー'です。

花を切り開いてみると、品種名通り子房も青くて綺麗です。


球根の中に、既に花芽を持っているのには驚きます。春一番、発芽と同時に開花出来るよう、着々と準備をしているのですね。

玉ねぎ🧅のような白い鱗片には、発芽するための養分がたっぷり含まれています。
厳しい気候を生き抜く為に、球根という仕組みを進化させていったのでしょう。植物の知恵には、感動します。

構図:
開花した全体像を中心に配し、
発芽から蕾、実になるまでの成長過程を、
背丈の変化も分かるように真横からのアングルで描きました。

ボタニカルアートの起源:
起源は古代ギリシャの軍医により描かれた「薬草図」と言われています。薬になる植物を類似種と区別するものでした。

「品種までも正確に描き伝える」植物学的側面は、今もボタニカルアートの重要な要素となっています。大航海時代を経て、ボタニカルアートは「植物学と芸術が融合されたジャンル」として確立されていきました。


小原流オンラインストア「花もあ」、Amazonからのみで、🛒購入可です。
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