花の細密画 山根悦子ボタニカルアート

季節の植物や植物絵本、ボタニカルアートについて

2023/10/08 ボタニカルアートの発展と大航海時代

2023-10-08 17:33:59 | 日記
小原流挿花9月号「植物画家のまなざし」のテーマは『ボタニカルアートの発展と大航海時代』で、掲載イラストは東南アジアのドングリです。


おびただしい異国の珍奇な植物がもたらされた大航海時代にボタニカルアートは発展を遂げました。



L.keningauensis(右縦3コ)は実がすっぽり殻に包まれていて、熱帯雨林の中で殻が腐敗すると発芽するそうです。

モチーフは半生状態だったり、乾燥して果皮が色褪せたりしている部分は、標本画の描き方を参考に、負の要素は補正して描きました。

インドネシアに住んでいた頃は、見る植物全てが珍しくて熱帯の植物に魅了されました。大航海時代、異国の珍奇な植物をみた王族や貴族たちの驚き👀‼️はどんなことだったでしょう!

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ヘタのある実とない実

2023-09-05 10:55:38 | 日記
今年の夏は酷暑が続きました。

それでも何とか
我が家のアマナツもヒメリンゴも、青い実をふくらませてくれています。









小原流挿花9月号「植物画家のまなざし」のテーマは『へたのある実とない実』、普段は食べ物として手に取っている実を植物の観点から綴りました。

🍊萼の上に実をつける甘夏と🍎萼の下に実をつける姫リンゴを例に、花から実への移り変わりを絵にしています。




甘夏に於いてヘタは維管束を分岐させ、維管束は実全体を包み、一房一房に養分を行き渡らせます。
ヘタは枝と実をしっかり繋ぐ「力ボタン」のような役目をしているように感じます。 



一方ヒメリンゴの方は、実のおしりに萼の裂片を見ることができます。

甘夏は我が家の庭に地植えで10年、姫リンゴは盆栽で30年以上になります。😊

#アマナツ #ヒメリンゴ #ボタニカルアート #挿花 #EtsukoYamane

2023/08/06 ミクロの不思議

2023-08-06 21:17:02 | 日記

🌼8月号の小原流挿花「植物画家のまなざし」のテーマは「ミクロの世界の不思議」で、ナビゲーターはオシロイバナの花です。




オシロイバナの英名は、開花の時間からFour o'clock。夕方から強い匂いを放ちポリネータの蛾を誘います。




オシロイバナの花粉は、数の子みたいな🟡黄色の粒で比較的大きく、おしべの葯から出てくる様子が面白いです。雌しべの柱頭のつくりも綺麗で🔍️で良くみえます。



オシロイバナ拡大図
因みに白い花の葯の色は🟡ですが、赤や黄色の花の葯はオレンジ🍊色です。




赤い花が一番強い匂いを放っています。

室内で観察すれば、自家受粉のようすまで、見ることが出来ますよ😊

オシロイバナを見かけたら、是非。


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ボタニカルアートの見どころ

2023-07-18 11:30:04 | 日記
毎日暑い日が続きますね。
7月号の小原流挿花「植物画家のまなざし」では旬のモモ、川中島白桃を掲載して頂いています。


川中島白桃は夏の後半に店頭に並びます。
果皮が赤みを帯び、しっかりとした果肉の品種🍑です。
桃の葉脈は表面から見るとへこみ、裏面に隆起しています。
花は葉に先駆けて咲き、枝に付く芽は節から3つ、中央に葉芽、その両脇に花芽が出ます。

スケッチしていると、西洋蜜蜂🐝がしきりにやって来ました。受粉済みの花は、中心から雄しべの花糸までが、真っ赤に染まります。
蜜のありかは、花だけではありません。
葉っぱの付け根にはポチっとしたイボ状の蜜線があり、蟻や日本ミツバチが舐めにやって来ます。


品種を特定し、伝えたい情報を文字で解説しようとすれば、おびただしい数の事項になってしまいます。
ボタニカルアートでは、一目で各部分の状態を把握することが出来ます。[植物画の見どころ]について書きました。

旬の桃は、甘くてジューシー。ほんのりとした苦味?もあって喉を潤してくれます。

暑さに負けず、この夏🏄️☀️🍧を乗り切りましょう。




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2023/06/12

2023-06-13 14:57:09 | 日記


☔🌿6月に入り、雨の日が多くなりました。
今月の小原流挿花「植物画家のまなざし」では、ネジバナとツユクサの作品を掲載して頂き「美しき小さな雑草の花」について書きました。





植物画を描くのに🔍️ルーペを愛用しているのですが、拡大してみるとそのつくりに感嘆したり、新たな美しさを発見したりします。

ネジバナは右巻、左巻の両方があります。
花びらは全部で4枚。中央下の白い花びらの縁はレースの裳裾のように繊細です。それを取り囲むようにが上と左右に3枚のピンクの花びらがついています。

ラン科なので、根に菌が入り込んで共生する菌根となっていて、土に栄養をくれる菌根菌がいないと育ちません。

茶色くなった実を切り開くと、無数の粉のような種が出てきてビックリしました。一つ一つの種の詳細は30倍ルーペでは、よくわかりませんが、触った感じは、ちょっとねっとりします。
 

ツユクサの花は、先週くらいから見かけます。花びらを紙に擦り付けると青く染まります。
朝に咲き、午後にはしぼむ1日花です。
花びらは3枚あり、上2枚は青色で大きく、下側の1枚は無色です。

虫に花粉を運ばせる工夫として、一つの花に3種類の雄しべが用意されています。

上側3本はX字形で目立つ飾り雄しべで、虫を誘います。
その下の中央の1本はY字形で、虫の着地を助けます。
下側2本はO字形で、花粉を生産する地味な雄しべです。
もし虫が受粉に来なかったとしても、昼近くなると雄しべが巻き上がり、自家受粉する仕組みを持っています。


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