旅ごころ

「旅」をキーワードとして、イエローな脳細胞を駆使して生活を愉しむ。

オモニとの宮廷料理🇰🇷

2017-05-08 01:08:17 | ソウル
北朝鮮から高性能のミサイルが発射され、緊迫した国際情勢だ。60年以上前の本格戦争から今に至るまで小規模衝突あるいはテロ行為は断続的に続いており、朝鮮戦争は終わっていないと言えそうだ。でも今年ソウルには必ず行きたい。
先ずソウルに住む高齢の韓国婦人に会いたい。30年前私たち家族は地球の反対側ブラジル、サンパウロで知り合った。到着直後「お困りなことはないですか」とその婦人から投げかけられた日本語の温かさに感動し交際が始まった。お互い帰国した後もほぼ毎年、古めかしい日本語で書かれた愛情一杯の消息を尋ねる手紙が2年前彼女が老人ホームに入るまで送られてきた。私たちの母(オモニ)と言って差し支えない存在に今ではなっている。
次に必敬斎(필경재 ピルキョンジェ) に出来ればまた行きたい。
もう3年近く前になるが、まだオモニが元気だった頃ソウルに何年ぶりかに会いに行った。私たち夫婦が到着の日に彼女の家族は歓迎を込めて市内江南区にある宮廷料理のレストランに招待してくれた。この建物は5百年前建てられたものだそうで、王朝の歴史と共に歩んでいる。美しい韓国独特の装飾格子と書画の掛けてある広い部屋での食事はとても落ち着く。老婦人、長女、そして三女の娘夫婦と私たち夫婦の6人だけで食事を愉しんだ。ゲストは私たちであったが、主役はあくまで老婦人であった。私たちをふくめ家族全員が高齢のオモニを気遣った。彼女は私たちとの再会で本当に嬉しそうにニコニコしている。こちらまで嬉しくなり旅の疲れが飛び気分が和む。料理は給仕する女性により少しずつ運ばれ供される。粥からスタートし野菜料理もふんだんに出された。
中でもポッサムキムチが一番印象に残った。上品なさっぱりした味で日本のスーパーでは普通見かけないがとてもいけるキムチ。食事を終えて暗くなった頃に庭園でデザートと飲物を頂いたがこれもとても良かった。
食事後レストランの名前「必敬斎」の意味を店が用意したであろう日本語で説明した解説文を渡されて知った。読んでみると目上の人に敬意を示す朝鮮の礼節が書かれていた。
朝鮮宮廷料理によるおもてなし。食事内容は野菜も多く健康的だし、何より優雅な時間を過ごせる。やはり思い切ってオモニの見舞いに伺い、素晴らしい料理を頂こう。




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