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古今東西のアートのお話をしよう

映画 “の方へ、流れる”



朝、隅田川沿いを走るバス、男がつり革を掴みながら文庫本を読んでいる。女が隣に立ち、なんの本かと気になる。プルーストの「失われた時を求めて」だ。男は、なぜか最初のページから次のページを繰り返して読んでいる。停車場に着き、男が慌てて降りる、本から金属製らしい「栞」が落ち、女が拾う。女は、清洲橋の近くの雑貨店で店番をしていた。昼過ぎに、店の向かいにある公園のベンチに朝の男が座っている…


朝、偶然出会った男と女の
一日の物語
舞台は東京下町、隅田川が流れる
清澄白河あたり


男と女は、お互いに名前も聞くこともなく、橋を渡り、川辺を歩き、会話を続ける


隅田川、題名の「の方へ、流れる」で連想するのは、成瀬巳喜男監督の「流れる」(1956年)だ。

柳橋の置屋を舞台に、時代の流れに向き合う女性達を描いている。

柳橋



柳橋と高峰秀子、中谷昇



「の方へ、流れる」
唐田えりかと遠藤雄弥


映画は、“唐田えりか”演じる「女」と“遠藤雄弥”演じる「男」の二人芝居で、濱口竜介監督の「偶然と想像」を思わせる。橋、川を物語のモチーフにしているのも「寝ても覚めても」と同じだ。


川の流れは、時間の流れであり、感情の流れである
美空ひばりならば“人生”w

人は川辺を歩くと何故か自分の事を語りたがる

橋はその流れを渡る、あるいは止める、ある種の休憩地

そして、また川辺を歩く…


それは、「失われた時を求めて」の意識の流れのように流れていく


(ネット画像借用)

手前から清洲橋、隅田川大橋、永代橋、中央大橋



★★★★☆

遠藤雄弥の顔のアバタが気になったが、レオス・カラックスの
ドニ・ラヴァンだと思おう

唐田えりかは、「寝ても覚めても」の透明感は無くなったが、
この方向は悪くないと思う




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