古庵の書斎から

日々のエッセイ

古庵の書斎 390

2014-06-18 13:45:29 | 日記・エッセイ・コラム
         古庵の書斎 390          如意古庵
 この6月から我がコスモスクラブに入会した一人。ある日「いゃー、参ったよ」とコートに来るなり悲鳴をあげる。なんのことはない、国民健康保険や住民税の額を見て愕然としたのだ。
 私のところにも先週から今週にかけてあまりありがたくない郵便物が次々と届いた。私たちは毎年のことなのでそう驚かないが(それでもかなり減額されているのにはがっかり)、彼は退職したばかりで、すべてが前年の所得で計算して来るので「手取りがあれせんがやー」とぼやくことしきり。
 
○ 怖い、天ぷら火災  1分で火柱が!
 6月4日に北消防署で防災セミナーが開かれ、いろいろ学びましたがその一つ。天ぷら火災について。
 天ぷら火災とは、天ぷらを揚げているときにその場を離れたときに起きる。その間1分だそうです。ガスの火が引火するのではなく、油そのものが高温になって火を吹くのです。では火柱が立ったとき、どうしたらいいか。
 水を掛けたり、乾いたタオルを被せるのは絶対に駄目。炎の立つ鍋に蓋をするのはいいが、これは相当な勇気が要る。何もなかったら水に濡らしたタオルを絞って被せるのは可。一番良いのは消化器を近くに置いておくこと。消火用のボールがあるが、これを放り投げると油が飛び散ってかえって危険。
 私、教師をやっていたとき、生徒に夕方の長電話はいかんぞ、相手の家庭でもし天ぷらを揚げていたら大変なことになるからなと言い続けました。
○ 楠中のあいさつ運動
 小学校の行事には何回か参加したが、中学は初めて。今までこの場で楠中の悪ガキのことを何回か取り上げたが、一度その様子を見てみようと勇んで参加した。朝7時50分頃からもうPTAと先生方は校門に並んで挨拶している。
 私も背に楠学区と書いた黄色のジャンバーを着込んで仲間に入る。私たちの挨拶にほとんどの生徒は大きな声で「おはようございます」と返してくれる。なかなか良い。時間ぎりぎりにやって来る生徒は言葉を返す暇もなく走り込んでくる。昔を思い出す。
 と、そこへ自転車に乗って来た生徒がいる。ちょっとやんちゃな感じの生徒だ。実は自転車登校は禁止なのだ。そこへ小柄な女性の先生が立ちふさがるが、すり抜けようとする。先生そのサドルをつかんで離さない。生徒、自転車を放り投げて校門に入ろうとする。その前に小柄な先生、堂々と立ちふさがって説教だ。大きな声こそ出さないが、一回りも大きい男子を前にして一歩も下がらない。見ていて大したもんだと感心した。
 決まりは必ず守らせる。見て見ぬふりをしたり、曖昧にその場を繕ったりするのは絶対に良くない。教育のイロハだ。最近はあまりひどい生徒は見なくなったようだが、中学の先生は大変だ。

古庵の書斎 389

2014-06-14 04:52:44 | 日記・エッセイ・コラム
            古庵の書斎 389         如意古庵
 我が合唱団とテニスクラブに新人が各2名ずつ入った。合唱団には先日のホテルでの演奏会が中日新聞に写真付きで取り上げられたので、その記事を見て見学に来た。そして有無を言わせず入団させたというのが真実。二人とも70歳以上なので平均年齢を下げるという効果なし。
 テニスの方は定年退職したばかりだから65裁か。一人は奥さんがすでに会員として活躍しているが、今度は亭主殿だ。奥さんはまだ働いてほしかったようだが、亭主殿はテニスがやりたいのですっぱりリタイア。相当な飲み助なので楽しみ。もう一人も旧知の人。これで正会員が12名となった。最近、ビジターも含めるとかなりの会員になり、毎回盛況である。賑やかなことは良いことだ。
○ こんな残酷な制度があるか。
 年金受給年齢のこと。去る5月11日、田村憲久厚生労働相はNHK番組で、公的年金の支給開始を選択制で70歳まで引き上げることができる制度について、75歳までの拡大を検討する考えを示した。「自民党から75歳まで選択制で広げるという案が出されている。選択制というのは一つの提案と認識している」と述べた。
 私はこれを聴いて、もしこれが実現したらなんと残酷な制度だろうと思った。仮に65歳で定年退職したとする。その時、年金を70歳から受給するか75歳からにするかを選択せよと言われたらあなたどうしますか。75歳を選択してその前に死んでしまったらどうなるのか。75歳というのはそういう歳なのだ。
○ いつ戦争になってもおかしくない
 中国とヴェトナムの関係だ。テレビで見る限り中国の海警(海上保安機関)の艦船がヴェトナムの漁船に体当たりを食らわせて沈没させている。船の大きさも体当たりしてきた中国海警船はかなり大きく、ヴェトナム船はその半分にも満たない。明らかにヴェトナム側に死者が出たとしても知ったことかいう行為である。
 私的な船が体当たりして沈没させたのとは違い、国家の意思で海警の艦船がぶつけている。今回は犠牲者が出なかったからヴェトナム側は反撃を抑えたのだろうが、仮に何人かでも死者が出ていたらどうなっていたことか。
 かって1914年、第1次世界大戦の発端になったサライェボ事件というのがあった。オーストリア皇太子がセルビアの1青年に暗殺された事件だ。このときこの青年は国家の意思としてではなく、熱狂的民族主義者として暗殺の行動にでた。
 普通なら戦争になる事件ではなかった。しかし、セルビアの背後にはロシアが、オーストリアの背後にはドイツがいて稚拙な外交戦が行われた結果、とてつもない大戦争になった。戦争の発端とはそういうものなのだ。
 今回、ヴェトナム側が軍隊で応戦したら(当然、その権利はある)どうなっていたか。

古庵の書斎 388

2014-06-05 09:15:45 | インポート
              古庵の書斎 388       如意古庵
 月曜日から長野の温泉に行った。その帰り、中央高速道のさるSAで昼食をとった。私はソバよりうどん派。天ぷらうどんが一番好き。それがなかったので他のうどんで我慢した。これが大はずれ、不味いのなんのって、こんな不味いのを食したのは初めて。汁はうすいし本体のうどんはまったく味がない。具は麩二切れとかまぼこと刻みネギが乗っているだけ。これで980円もするなんて、ぼったくりもいいところ。
○ 「残業代0」一般勤労者は除外とあるが
  安部政権は「残業代0法案」とも云われる政策を本格的に打ち出した。1千万円以上の収入のある人とか、本人の合意のもととかいろいろ制限があるようだが、時が経つとどうなるか。安部首相は「希望しない人には適用しない」「働き方の選択によって賃金が減らないようにする」と言うが、法だけは残り言葉は消えてなくなる。例えば派遣社員とか契約社員制度はもともと限られた職種の人にのみ適用するとなっていたがいつの間にか働く人の4割が非正規雇用だ。
 この労働時間の制限というのは「労働基準法」という法律に厳格に規定されている。ここからは少し堅くなるが世界史の講義。
 元々の発端は19世紀イギリスで制定された工場法である。それまで自由経済の名の下に賃金、労働時間、労働年齢等まったく制限がなく自由、力関係から当然労働者の生活は悲惨を極めた。怒った労働者がストライキをしたり、機械打ち壊したり(ラダイト運動)をすると残酷な弾圧が行われました。
 それでも懲りることなく労働組合を作ったり、ロバート・オーエン等初期社会主義者の努力もあって1833年にまず年少者の労働時間を制限する工場法が制定されたのでした。以後、工場ばかりでなく、商店や一般企業にも適用が拡大され、就業年齢も引き上げられ、一般法として職種を問わず守らなければならない法として成立。
 日本でも「女工哀史」「野麦峠」に描かれているごとく過酷な労働実態がありましたが、敗戦後の1947年に労働基準法が成立、職種を問わず最低限守らなければならない法として制定されました。その間の労働者の闘いは筆舌に表せないほど壮烈なものです。
 それを一気に突き崩してしまう最初の一歩にならなければいいが。
 
 
○ 「ハンカチ王子の告白」
 を見た。日ハムファイターズの斎藤裕樹君だ。かっての王子も今やすっかり大人の顔になっている。プロ1・2年目はまあまあの成績を残したが、最近は肩を壊して2軍暮らし。
 甲子園のライバル田中マー君は世界的ヒーローとして活躍している。インタビュアーからそのことを聴かれると「彼は彼、自分は自分の道を行くだけ」と答えていたが、顔は引きつっている。その彼について私が数年前朝日新聞に「斎藤フィーバーを心配する」と題して投書した文が見つかった。転載する。
 『何人でも若くしてヒーローになることについて良いことはあまりない。私は日ハムの斎藤選手の度を超した回りのフィーバーを心配する。千葉の鎌ヶ谷では連日ファンが押し寄せて大騒動。テレビやスポーツ新聞等マスコミは連日それを報道している。
 よく考えてみれば彼はまだプロで何の実績も残していない。そこで通用するかどうかも未知数。なのに人気だけ先行。これを私は危ういと見る。
 さらにチームメイトは彼だけがもてることに好感情は決して抱かないだろう。これから対戦するパ・リーグの各強打者達は彼にどう立ち向かっていくか。推して知るべしである。
 彼は戦う前からすでに多くの敵を作ってしまっている。アマチュアの世界と違ってプロの世界には彼の言う「良い仲間」は存在しない。競争相手若しくは敵ばかりである。
 回りは今の彼をもう少しそっとしておいてやれないものだろうか』