古庵の書斎から

日々のエッセイ

古庵の書斎 356

2013-07-27 14:29:16 | 日記・エッセイ・コラム
                  古庵の書斎 356         如意古庵
 木曜日(18日)、テニスをやってたら隣の小学校の3年生が大勢やってきた。明日終業式で先生達もやることがないので公園で遊ばせることにしたのだろう。それはいいのだけれど、みんなかなり大きな玩具の水鉄砲を持って隠れたり撃ち合ったりしている。
 で、それ自分の家から持ってきたのと聞いてみた。そしたら、学校の物だという。保育園ならまだしも、小学校が水鉄砲を買って生徒に遊ばせるとは私の感覚では信じられない。
○ 「死ね!」
 中学生のいじめと自殺に関連してこの「死ね!」という言葉が取りざたされている。実は私、この言葉よく使いました。
 いや、特定の生徒に対して使ったのではありません。私のクラスの全員に対してです。各期の期末試験の最終日前日、試験はあと1日という時。帰りのショート・タイムで「あと1日だ、お前たち今日はもう死ね!」という具合にです。明日の午後になったら解放されるのだから、今日は徹夜でも何でもして死ぬ気になってガンバレという意味です。 生徒達は「ウエッー」とか言って帰って行きました。
○ 自治会のお金集め
 には参っている。この4月から①自治会費(2,400円)は良い、②仏教会の志納金(出す出さないも、金額も任意)、③護国神社のお初穂料(②と同じ)、④日本赤十字社の社費(500円)、⑤社会福祉協議会の賛助会員(1,000円)と5種類もきた。
 いつから始まったか知らないが、こういうことは一旦始まると永遠に続くのだろう。考えてみれば、①を除いてすべて自治会が扱わなければならない根拠はない。
 腹が立つのは④と⑤だ。特に⑤の社会福祉協議会のは額が大きすぎる。任意とは言え1,000円は募金の額としては大きすぎないか。これを回覧で集めようというのは非常識だし、危険この上ない。考えた人はそのことをどう考えているのか。自分は汗をかかないで、自治会長や組長を動かしてお金を集めようという魂胆。今や、自治会は各種団体の集金マシーンか。
○ 非正規社員2,000万人。
 派遣社員や契約職員、期間工といった非正規で働く人が全就業者の38.2%にもなるという。しかも、賃金は正規の人の約半分である。おそらく定期昇給なんてないのだろう。これでは夢も希望も持てない。いつからこんなことになってしまったのだろう。
 と、嘆いていたら正規の社員にも厳しい現実があった。いわゆる「追い出し部屋」というヤツ。ネットで調べたら大手電機メーカーのすべてにあるとわかった。
 バナソニック(事業・人材強化センター)、ソニー(キャリア・ステーション室)、NEC(プロジェクト支援センター)、日立製作所(チャレンジ・プログラム)、東芝(業務支援センター)、セイコー(キャリア開拓グループ)等々。( )内は正規の名称だが、実質は要らない社員の最終処分場だ。
 さらにボーナスは4/1、単純労働、社内の他の部署への「就職活動」はさせない、評価や給料を下げる、業務を制限する等、とても人間のやることじゃない。これでは日本の未来は真っ暗だな。
 に対して、俺たちの時代はホントに良い時代だったなとつくづく思う昨今です。
○ 大谷君は凄い
 まだ19才だ。それが投げて打って守ってあの大活躍。マスコミに対する対応もとても19才とは思えない堂々たるもの。
 俺の19才はどうしてたんだろう。確か浪人中で将来の夢も希望もなく、ただやみくもに受験勉強をしていたな。

古庵の書斎 355

2013-07-18 12:55:43 | 日記・エッセイ・コラム
                 古庵の書斎 355          如意古庵
 この猛暑の中、連日ラケットを振り回しています。11日は名古屋37度なんて言っていますが、我が楠公園のテニスコートは下がコンクリートなものだから暑いなんてものじゃなくてチンチンだ。5秒として触っていられない。ホント。
 気温が35度を超えたら屋外でのスポーツはしない方が良いと言うが、そんなことおかまいなし、平均年齢75才の年寄りはみんな元気です。
 月曜日にはスイカを2玉買ってきてみんなでほおばりました。うまかったー。
○ スマホ
 先日、かっての同僚だった人と飲んだ。その帰りの地下鉄の車内でのこと。金山で乗ってふと見ると、前の座席に座っている7人の男女全員がスマホを眺めて手を動かしている。なんだ、そんなこと別に驚くようなことでもないよ、と言われそうだがちょっと聞いてくれ。
 その直前の飲み会の相手が、自分もスマホにしたという。その理由は10年後には確実にすべての人がスマホかそれ以上の機能を持ったものになっているだろう。
 そんな時、それで充分間に合っているという理由だけでいつまでも二つ折りのケータイに拘っていたのでは取り残されるだけ、だから呆けないうちに買い換えたという話しを聞いたばかり。
 私のケータイはまったく原始的というか、単純と言ったらいいか、はっきり言って通話機能だけ。カメラと歩数計は付いているが、それで全く不自由していない。が、考えてみればかの友人の言う通りかも知れない。
○ 山口仙二氏
 が亡くなった。よくテレビや新聞でおなじみの原爆被災者で語り部として有名な人だ。そこで思い出した。
 かって教師現役の頃、修学旅行で長崎を何度か訪れた。平和公園や原爆資料館を見学するのは定番でしたが、一時旅館での夜、原爆学習として被災者の方の話しを聞くということをやった。その時の印象。
 原爆の語り部にも色々な方がいて、被災した事実を淡々と述べる人、投下したアメリカを強く批判する人、主義・思想を滲ませながら語る人様々でした。
 私は聞いていて、事実を率直に語る人の方が生徒に与えるインパクトは大きいように思いました。
 一番印象に残っているのは、その時団長として引率していた校長の話でした。実はその校長被爆者なのでした。かれは その後あっけなく亡くなってしまい、校長としての印象はほとんどありませんが、この原爆の話しはよく覚えています。
 さて、その悲惨な話しを聞いた生徒ですが、その時はシーンとして聞いているし、泣きだす子もいます。ところが、終わって部屋にもどった途端、さっきのしおらしさはどこへやら、お菓子を食べ、テレビを見、お喋りに夢中になるのです。その変わり身の早さにはついて行けませんでした。
○ マララさん
 パキスタンで女子教育の権利を求め、イスラム過激派に銃撃されたマララ・ユスフイさん(16才)の国連での演説に感動した。「過激派は本とペンを怖れている。教育の力は彼等を恐怖に陥れる」と述べ、「1冊の本、1本のペンが世界を変えることができる」と締めくくった。
 さらに驚いたことは彼女の英語力だ。世界に向かって堂々たる態度でしっかりした英語で語る彼女。どこであの英語力を身につけたのだろう。外国生活が長かったのだろうか。
 教育は教育でも、私の受けた英語教育は受験英語なものだから、文法と英作文のみ。会話や聞き取りはまったくダメ。わざわざ英語を嫌いにする英語教育でした。大学での一般教養英語の単位はほとんどでたらめな答案(ひどい先生はなんにも書いてなくても単位をくれた)でパス。それが終わるとあっという間に俺の英語力は忘却の彼方にだ。
 それから20年ほど経って、生徒引率でハワイに行ったり、個人的に外国旅行に行くようになって大後悔。俺の高校での勉強は何だったのだろうと思う。この点でもマララさんを大尊敬。

古案の書斎 354

2013-07-11 18:32:22 | 日記・エッセイ・コラム

              古案の書斎 354            如意古庵

 ヤッター、万歳だ。何がって?。前立腺ガンですよ。PSA値0.06。あの無愛想石田医師がやっとのことで「そろそろ良いでしょう」と言ってくれたのだ。
 ガンが完治したわけではない。前立腺を切除したわけでないので再発と転移の可能性なきにしもあらず。ただ、具体的にはあの恐ろしいホルモン注射を打たなくてよいということ。あとは4ヶ月毎の検査だけ。
 私、思わず「ありがとうございました」と深々と頭を下げたのでした。考えてみればがんばったのは俺で、石田医師はなんにもしていない。パソコンのモニターを見ながら「調子はどうですか」とか「まだまだですね」とか言っているだけ。
 治療してくれたのはホルモン注射を打ってくれた看護師や、放射線治療ではトモセラピーという機械を動かしてくれた看護師たち。日赤の看護師達はみな親切でした。
 がんと診断されたのが2010年の11月、それから3年いろんなことを経験しました。この病気の不思議なところは、治療中日常生活にまったく差し障りのないこと。別にどっかが痛いわけでもなく、食事も普通、スポーツも旅行もまったくふだん通り。
 但し、お金だけはかかりました。
○ このお馬鹿な政治家達
 衆院議員運営委員長の要職にありながら、女子大生と1回4万円で数10回もラブホテルに行っていた国会議員。
 国会議員の政治資金パーティーに自分のお金ではなく、政務調査費から出費していた愛知県会議員。
 週刊誌からブラック企業ナンバー1と指摘され、金になりそうなら居酒屋でも学校で介護事業でも何でも手を出し、今度は国会議員に乗り出そうする某社長。
○ 「ひまわり」
 とは恐れ入りました。かの安藤美姫さんのお子さんの名前です。他のことは興味がありませんが、この名前には驚きました。
 他人の子の名前なんかどうでも良いようなものですが、これはちょっと可哀想過ぎませんか。10才ぐらいまでは良いけど、40、50才、いやもっと70、80才になって「ひまわり」ではね。子どもは親のペットじゃないんだから。
○ 石川啄木
 彼の盛岡中学(現盛岡一高)の入学試験の合格順位を表した文書が見つかった。10番で合格となっている(6日付、中日新聞夕刊)が、彼は1年早く受験しているのでこの順位は破格である。
 私は大学1年の時、この人にはまった。短歌、小説、書簡、日記、そして色々な評伝等とほとんど読んだ。一般的にはあの感傷的な短歌かが有名だが、私は日記が一番優れていると思いました。
 天才という言葉があるとしたら、彼こそそれにふさわしい人物でしょう。どこで修得したのか、中学生(現高校生)にしてあの語彙の豊富さには驚かされる。少々それを弄んだきらいもあるが。
 しかし、せっかく優秀な成績で入学した盛岡中学も中退してしまう。理由が振るっている。授業がつまらなかったからだ。国語の授業なんか「あんなもの、わからないヤツが受ければ良いんで、俺みたいにわかっている者にはつまらん」と言って盛岡城でサボって寝ている。そして、中退後上京して与謝野鉄幹の門をたたき、歌人としての道を歩むのである。
 またそれからが凄い。27才で夭折するまで東北、北海道を放浪する生活だが、最後まで貧乏との戦いの日々であった。
 私、彼のそういう破滅的な生き方に惹かれたが、実際は正反対の生活しかできなかった。  

古案の書斎 353

2013-07-07 19:26:35 | 日記・エッセイ・コラム
                 古案の書斎 353            如意古庵
 私の属するテニスクラブの一つ、如月クラブの1人が心臓の血管手術で入院することになった。そこでかれを励ます会を設けた。話題は当然病気のことになった。集まった8人のうち5人は男性、全員がかなりの病気持ち。
 糖尿病、C型肝炎、前立腺ガンは私も含めて2人、そして心臓病である。それでも全員テニスは止めない。ちなみに女性は膝や腰に爆弾を抱えた人はいるが内科の病人はいない。
○ M9の巨大地震が来た!
 6月23日、我が楠学区災害対策委員(自治会長)全員が地区コミセンに集まって、区役所防災担当者の指導のもと、南海トラフ巨大地震がおきた場合を想定して避難所開設及びその運営の図上演習が行われました。その様子をお伝えします。
 図上演習とは、大きな机の上にこの地区の避難所である楠小学校の略図と拡大した体育館の図を拡げ、そこへ必要事項を書き込んだり避難者を見立てたカードを置いていくという形で行うもの。
 時は某年12月2日の日曜日。ある家庭では夕ご飯の準備に、ある家庭は行楽から帰ったばかり、またある家では高齢者が1人テレビを観ている午後5時頃。突然M9.0、震度6の巨大地震が起きたとして想定。
 災害対策委員はかねて訓練していたとおり、楠小学校に集まってくる。この際、いくら災害対策委員であっても自分の命が1番、家族の安否が2番と言われたが、その次はわからない。自宅が全壊した場合はどうしたらいいのだろう。
 学校に集まってまずメインの避難所になる体育館の割り振り。受付と通路を確保、全体を6区画に分けてテープを貼る。その他教室、プレイルーム、保健室が使えるとのこと。仮設トイレや救援物資の置き場を予定する。避難所のスペースは1人3㎡、地域ごとに集めるのが良いだろう。校内のトイレは水が出ない場合は使用禁止の張り紙。
 その頃から続々と避難者がやって来る。演習では家族何人、高齢者、幼児といったことが書き込まれた小さなカードで実際を想定して割り振っていく。これがまた実に様々で難しい。
 ぜんそく患者がきたかと思えば、両親が家に下敷きになって死亡した2才の赤ん坊が隣の人に連れられてくる、102才の高齢者、人口透析の必要な人、ちょうど観光バスで通りかかった外国人客数十人と添乗員・運転手ともども避難してくる、アルコール依存症の人、自閉症の人と実に多種多様な人々がやって来る。
 その人達を受付カードに必要事項を記入してもらって、この人は第1区画へとか、熱がある人は保健室の近くへとか、仮設トイレの近くにとか割り振っていく。全員の希望を聞いていたらきりがない。
 その間に救援物資が届き始めるとその置き場の指示、テレビ取材車の駐車場、ペットの犬・猫のスペース、マイカーの中で寝泊まりしたいがどこに駐めたらいいか、近くの工場から避難所に解放しても良いが食事は届けて貰えるか、その間にも毛布・衣類・水・食糧・紙おむつ等がどんどんと届き始める。その置き場所を的確に指示、決定していかなければならない。
 ボランティアの受け入れ、テレビモニターが持ち込まれたがどこに置いたらいいか、安否確認の張り紙はどこにと、そんな時総理大臣が視察に来たなんてのもあってみんな目が点になる。
 今回は机上に図面を拡げての演習だが、それでもたっぷり2時間半、みんな真剣に取り組みました。終わってぐったり。実際に地震が起きたらこんなものではないだろう。
 こんなこと、役に立たないことを祈るばかりだが、しかし準備だけはしっかりしておかねばならないと強く思いました。 この秋には小学校に1泊して、さらに具体的な訓練が予定されているという。