古庵の書斎 198 如意古庵
先日、我が合唱団の団長氏から団員募集の文を作ってくれと言われて頭をひねった。そして、中日新聞の市内版の募集欄に投稿した。
すると、載ったその日のうちに2・3人から団長氏宅に電話が入り、次の金曜の練習日にはその3人が見学にやって来た。最近数人が来なくなったところなので、またちょうど良い人数になった。ヤレヤレ。
先週の土曜日には「ラ・ファミリア」という中川区の高齢者保健施設の慰問に行った。そこでの光景の一端。
老人ばかり200人は居たか、80才以上がほとんど。こっちは白のブレザーに赤のボータイという団のユニフォーム姿。いささか場違いの感じは否めない。
みんな半分眠ったような顔して表情がないのと顔色も冴えない。口をあんぐりと空けている人、眠っている人、演奏中に奇声を発する老人、調子っぱすれの声で歌いだすお婆さん。拍手も力がない。聞いていて楽しいと思ってくれているのだろうかと疑問に思う。
そんな中で、途中3曲「故郷」「夕焼けこやけ」「北国の春」をみんなで歌ったときだけは生き生きとした顔になった。
私もあと何年かしたら、こういう施設にお世話になるのかと思うと他人事に思えない。
○ 忖度政治
忖度とは他人の気持ちを推しはかるという意味の漢語表現。最近新聞等で忖度政治という言葉がよく使われる。
私はヒトラーとスターリンという2人の独裁者に強い興味を持っている。この名の付いた本ならたいていは目を通す。
この両人とも独裁者であった。当然側近や取り巻きが居て、彼等はいつも大将の顔色を見て自分の所作挙動を決める。つまり忖度である。それをうまく利用して2人の権力者は独裁を恣にし、ドイツとソ連のみならずヨーロッパの人々を塗炭の苦しみに陥れた。
北朝鮮の金正日とその側近達もそんな関係にあると見た。
ところで今の民主党も、小沢幹事長の意を汲んで側近の茶坊主議員達が右往左往している有り様は同じに見える。嘆かわしい。
○ 1年生議員
私が教員になったとき、先輩教師から言われた忘れられない言葉がある。それは教員の世界では一年生教師でもベテラン教師でも生徒の前では同じ先生、一年生教師と言って甘えは許されないというもの。私がベテランになったとき、同じ言葉を若い教員に言ったものだ。
ところで、最近私はテレビで嫌なものを見てしまった。
民主党の生方副幹事長の進退問題について、一マスコミが民主党のYという1年生議員に国会内で問いかけたときだ。Y議員が何かを喋ろうとしたら近くのベテラン議員が「Y、ちょっと待て」とか何とか言って強引に引っ張っていったのだ。それはまるで親が子どもを叱るような口振りだった。
国会議員は一億数千万人の命と生活を守る重大な責務を担っている。1年生議員もベテラン議員も責任は同じ。1年生だからといって今は勉強中なんて甘えてもらっては困るのだ。自分の信念に従って発言し行動するべきである。
Y議員の姿は国民の代表というより、会社に入ったばかりの、上司に言われるままに動く新入社員のそれでした。こんな議員のために私たちは多額のお金を与え、命を預けているのでしょうか。