ちぇろりすとの独り言

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イザイ?ウザクな~い♪(笑)

2005年12月23日 | おすすめクラシック


◆無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番(Y.イザイ)◆

弦楽器を少しでも嗜む者なら、無伴奏という響きには敏感でいられないはずがない・・・と思う。
バッハの《無伴奏ヴァイオリンソナタ》、《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ》、《無伴奏チェロ組曲》、バルトークの《無伴奏ヴァイオリンソナタ》、コダーイの《無伴奏チェロソナタ》、ブリテンの《無伴奏チェロ組曲》、パガニーニの《24のカプリース》、エルンスト編曲の《魔王》、《夏の名残のバラ》・・・
そして今日紹介する、ウジェーヌ・イザイの《無伴奏ヴァイオリンソナタ(全6曲)》。

うちのオケのコンマスが言うには、やはり最後の第6番がダントツでムズイらしい。それも近代(まあ、バルトークぐらいまでとは思うが)までに作曲された無伴奏ヴァイオリンのための曲のなかではこの第6番がずば抜けてムズイそうだ
バッハや、エルンストももちろん難しいが、イザイの第6番は飛びぬけている、と。
そして、コンマスは、あのラプソディックでこれまた超かっちょいー単一楽章形式の第3番で、この曲の中にちょっとだけ出てくる、楽譜を知っている者でもない限りわからないような微分音の存在についてもこないだ教えてくれた。はあ(=ρ=)、こりゃ言われなきゃわからんねっつーカンジの微分音(苦笑) 少なくともバルトークの第2コンチェルトのようなわかりやすい微分音ではなかった イザイはいったいどういう効果を期待してこの微分音を使ったのだろうか。。。隠し味にしたって、あまりにもわからなさすぎる

で、再び第6番。
この曲、ムズカしいとは思うんだけど、ワタシはこの曲にまるで魅力を感じないクチなので、いつもコンマスたちと室内楽で遊んでいるときには、自分が大好きな「第4番を弾いて~♪」とお子ちゃまのようにせがむのDEATH そしたらおにーさん、ホイホイ弾いてくれちゃうのですよこれが(苦笑) すごいねぇ♪さあっすが我らがコンマス!!以前も「シャコンヌ弾いて!!」ってせがんだらホントになんの準備もしてないのに、おもむろに最後まで弾いてくれましたよ(笑)
来週は、子供達の前で、パガニーニの《ラ・カンパネッラ》と、これまたワタシが大好きなヴィエニャフスキの《スケルツォ・タランテラ》を弾いてくるのだそうな♪カッケーぜ~コンマスゥ♪
やっぱひととおり勉強したひとはスゴい。なんでこの人がアマチュアなんだか不思議 
ワタシなんかねぇ、それにくらべりゃミジンコみたいなもんでして
あの人のあのテクニック、読譜能力、初見能力、透視力(ウソ)、リズム感、インプロヴィゼーション能力、作曲能力、どれか1つでもその能力をおすそ分けしてもらえたら、もう飛び上がって喜んじゃいますよ\(⌒▽⌒)/

ま、コンマスほめ殺し( ^ー^)σはここまでにしときましょ

で、イザイの6曲のソナタの中でワタシが最も好きなのが、第4番。
ラプソディックな第3番も、死の誘惑がただよう第2番(途中怒りの日の主題が歌われるところは絶品!)も大好きだが、やっぱり第4番のしっかりとしたたたずまいと美しいメロディーに何より心を奪われる。
この曲は、第1楽章Allemanda第2楽章Sarabande第3楽章Finale、と簡略化されたバロックの組曲形式をとってはいるものの、それらはすでにバッハが書いた数々の舞曲よりもはるかに形骸化した舞曲の集まりになっている。ほとんど化石といってもよい。でもその化石たちの美しさといったらこれがとびきりなのデス♪ 
そして、第1楽章の主題と、第2楽章の主題が第3楽章のあちこちで再現される、つまり循環形式が使われているので、これが全体的な統一感を強めている要素のひとつになっているのだと思う。
ま、なんにせよとにかくこの曲はメロディーがかっこいいし、美しい。第1楽章の勇壮で英雄的な主題もかっこいいし、第2楽章の“泣き”の主題も美しいし・・・あーもう全てがいい!!まずはそこから入ってまったく問題ナシ!酔って酔って酔いまくり!!テクニカルなフィナーレも最高~

演奏は、リーラ・ジョセフォヴィッツで。
彼女、最近あまり話題にならない気がするけどどうしてなのだろうか。
同じカーティス音楽院出の後輩、“21世紀の女ハイフェッツ”ことヒラリー・ハーンの勢いに押されている現実はあるにしても、ジョセフォヴィッツもテクニックの完璧さでは、ハーンと比肩しうるモノをもっていると思うのだが。。。
しかしまあ、ハーンのインパクトがデカすぎるというのは無視できないのかもしれれない。ハーンの超絶的にドライな感覚のほうが、ジョセフォヴィッツのエモーショナルな感覚よりも、現代には合っているのかもしれないし(苦笑)でも、もう少しがんばってほしいなぁ、ジョセフォヴィッツには

このジョセフォヴィッツも、ハーンも、ワタシがいつもことあるごとに嫌いだと言ってきた、弓の弦に対する圧力がかなり強い奏法の持ち主なのだけれども、不思議と、このジョセフォヴィッツの弾き方は好き。フレージングが自分の感覚に合うからなのだろうか。それに彼女は、ただエモーショナルなだけでなく、しっかりとした構築性も感じさせてくれるので、そのスマートさが気に入っている。いや、そりゃマッチョだろ!!って言う人もいるとは思うが
それに彼女、このディスクで2曲のイザイを弾くのに、イザイの弟子、ヨゼフ・ギンゴールド氏から直接教えを受けたそうですよ。その謙虚な心にハナマルあげちゃう!!

・・・そういや、レオニダス・カヴァコスのイザイも聴かねばな!!

<CDデータ>
【演 奏】リーラ・ジョセフォヴィッツ(Vn)
【曲 目】・無伴奏ヴァイオリンソナタ(バルトーク)
    ・レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース(クライスラー)
    ・うつろな心の主題による序奏と変奏曲(パガニーニ)
    ・無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番(イザイ)
    ・無伴奏ヴァイオリンソナタ第4番(イザイ)   
    ・魔笛の主題による大奇想曲(エルンスト)
【録 音】1995年、スイス
【レーベル】フィリップス
【品 番】PHCP-1495


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