
俊輔がサンシーロに来るのは久々だ。
きっと日本人が多いんだろうなぁ、とサンシーロに向う。が、メトロの中で見るのはイタリア人ばかり。結構日本からのサポーターツアーとか来るのかなと思っていたけどそうでもないみたい。と思っていたらCadornaの駅でメトロの緑線から赤線に乗り換える時に声を掛けられた。ミラノ在住のとしくんだった。うーん、久々だ。彼はクールなアーティスト。デザイナーと言った方が良いのかしらね。詳しくはGreeのLinkを見てくださいな。
さて、前置きは兎も角、観戦記を書きたい。結果から言えばミランが勝った。しかし、ミラニスタとしてはとても不満が残る試合だった。運に助けられた部分が結構多い勝ちだったと思われる。
スタメンは今回何故かアズーリにも選ばれたパンカロを差し置いて左サイドはカラーゼだった。それと中盤はガットゥーゾ、ピルロ、ルイコスタ、カカ、と僕の中では最高の組み合わせだった。正直、セードルフは嫌いだ。個人的な好き嫌いで言ってるのではなく、ミランに合わないと思うからである。
前半は比較的ミランが攻めていたと思う。開始早々いきなりマルディーニからカカ、そしてインザーギとボールが渡りそうになったがオフサイド。その後も攻め続けた。そして前半10分にいきなり先制点が生まれる。カフーからカカに渡った後、シェフチェンコが押し込んだ。泥臭い取り方のような気がしたが、ミランらしく細かいパスをつないで結果だと思う。その後も波状攻撃が続くが結果的に前半はこの1点止まりだった。ルイコスタは久々の先発だった。随所にボールに絡みに来るもののどうしても距離感が掴めないようで、どうも咬み合っていない様に思えて仕方なかった。ルイコスタ好きの僕としては、日本代表で言えば大久保と同じマーチで歌うミランのウルトラズと歩調を合わせてルイコスタのテーマを大声で歌った(笑)。頑張って欲しいよ、彼には…
そう、今日は俊輔がサンシーロに来ている。彼のことを少し書こう。前半7分に両チームを通じてのオープニングシュートを放つものの、力なかった。また、33分にゴール前、ペナルティーエリアからすぐのところでカラーゼがファウルを犯した後のフリーキックもゴールマウスを捉える事がなかった。しかし、正直、俊輔の王様ぶりには良い意味で驚いた。今やレッジーナを動かしているのは紛れもなく俊輔だ。これはもう間違いない。ほぼ全ての側面で大きな身振り手振りで見方に指示を出す。時に、ドフリーの時に自分にパスを出さない味方を大きな声で叱責する。またフィジカルで弱い分をカバーすべく、球離れをとてもよくしていると感じた。当たられる前にパスを正確に出すところは成長の現われか。往年のストイコビッチよろしく、かなり大きなストライドで切り返しを多用し、あわよくばファールを誘う。が、尽く抜いたり、きっちりボールキープをしていたと思う。ガットゥーゾには一度軽く格の違いを見せ付けられるようにボールを取られたが、それ以外はシュートにしても積極的に打つ姿が見られたし、監督が信用しているのがよく分かった。そう言う意味では何故あんなに早く交代させたのか、よく分からなかった。少々残念である。
それとレッジーナだが、22番のモザルトは正直な話、ボトルネックになっていると思う。はっきり言うと全く周りが見えておらず、シフトも俊輔を中心に廻そうとしている中、一人でかき回してリズムを狂わせている。あれではいない方がましだ。監督も考え直した方が良い。
前半のミランは20-30mの縦パスが全部で9本。サイドを変える20-30mのパスが4本。ロングボールの多用は前回のセルティックス相手のチャンピオンズリーグの観戦記でも書いたとおり、ミランのリズムが崩れた時に多用されると個人的には思っている。ピルロがきっちりDFラインに顔を出してボールを貰いにいく姿はいつも通り、と言うか去年の絶好調時と同じなのだが、時間が経つに連れてロングパスが多用されるのはどうも頂けない気がする。。。
後半、いきなりレッジーナがミランゴールに襲い掛かる。一緒に見ていた哲雄さんがハーフタイムの時に、後半はレッジーナが向こうに攻めまくったりして、、、(要は僕らが座っているのとは逆サイドに向って攻めるので俊輔が見れないと言う事)などと言うのが当たってしまった。いきなり立て続けにCKを二本得るなど立ち上がりからリズムがレッジーナ寄りだった。
しかし、ミランもシェフチェンコが前半からキレキレの動きを続け、レッジーナに攻められるものの、一人気を吐きシュートまで持っていくところは凄い。今日はシェバDayだった。
後半13分にゲームが再び振り出しに戻った。ゴールに向って左45度の位置でフリーキックを得たレッジーナが俊輔のアシストでミランのゴールマウスにボールをねじ込んだ。フランチェスキーニの頭に綺麗に合わせられたボールはディーダが殆ど反応できなかったと言える。その後はミラノも徐々に盛り返したがなかなかつながらなくなってきていた。
後半20分、ミランが逆転する。中央付近でボールを奪ったピルロからDFラインの裏でパスを受けたシェフチェンコがボールをコントロールし、キーパーをかわした直ぐ後に詰めていたカカにパスを出し、カカが絶妙なボールコントロールでサイドネットに運ぶようなシュートを決める。これで2対1。
その後、レッジーナのFKが一度はミランのゴールを奪うものの、ネスタに対するエリア内のファールを取られてしまいレッジーナはゴールを認められなかった。その直後、センターサークルを越えたあたりからシェバがドリブルで持ち込み、バイタルエリアに入ったと同時に豪快にミドルシュートを右端に決める。圧巻だった。これこそプロのシュートである。恐らく、今年のベストゴールにノミネートされるのではないだろうか。全てのFWがお手本にすべきようなシュートだったと言える。
結果からするとミランは勝った。勝ち点も10点になり順位も3位となった。しかし、まだ不満が残る。今日のミランはDFがバラバラだったと思う。カラーゼのせいだとは思いたくないが、バランスが取れていなかったと思う。実際、カフーは上がり気味でDFラインは歪つになっていたし、ネスタとマルディーニのバランスも余りよくなかったと思う。事実、開幕後5試合を去年と比べると既に倍以上失点している。DFあってこその攻撃と言うとまた詰まらないサッカーとお叱りを受けるかも知れないが、ミランらしい攻撃を見せるためにはフォアチェックに入り、抜かれても万全の体制でボランチが待ち構え、それが仮に破られたとしてもDFラインがしっかりと閂を締める、と言う風になって欲しいものだ。
この次サンシーロで見るのは20日のバルサ戦。Abbonamento保有者の僕は、哲雄さんがその週アメリカに行くので二人分チケットを購入するつもりだ。楽しみだ。
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ポジションはFWですか?
いますよねぇ、よくそういう選手。
結果さえ出してくれればまた評価も違うのでしょうが。
しかし、KENさんて試合中のロングパスの本数まで覚えてらっしゃるのですね。。。すごい。かなり参考になりました。
あ、あとシェフチェンコってなぜシェバってニックネームなのですか??前から気になっていました。。
彼はMFなんですが自分で持ちたがりぃなんですよねぇ。。。(苦笑)結果に辿り着き難いチームとしては一先ず決め事を守ると言う事が重要だと思うんですよねぇ。けど、一人でかき乱しているんですよ、彼は…俊輔もぶっちゃけ嫌ってるんじゃないかなぁ。。。
シェフチェンコってAndriy SHEVCHENKOって書くんですけども、イタリア語読みだとシェヴケンコ(結構間抜け)ってなるんですよ。彼ら(イタリア人のこと)は自分たちの文法読み以外は受け入れられないんです、基本的に学が低い国民なので。。。(苦笑)
で、全部読むのは億劫だと(国民気質的にそれは容易に理解できると思いますが…)言う事で略してシェバ。皆歌いながら言うので
オーレー、オレオレオレー、シェーバー、シェーバー
となる訳ですな。。。(笑)
それにしても、シェフチャンコ、すごすきますね。キレまくってますね。
KENさんの観戦記、とても楽しく読ませてもらいました。モザルトは当たりの強さで、そこそこ監督に評価されているのかなーと思ってましたが、展開力など問題があるようですね。
あとセットプレー、
前半にモザルトが蹴ったのはどうして?って思ったシーンがありました。なかなか自己主張の強そうな選手ですね。(厄介)
でも、俊輔の変貌ぶりのレポートは、とても興味深いですね。俊輔が、レッジーナの王様ですか。身振り手振りでイタリアで自己主張する俊輔の姿、想像するだけでも、頼もしいですね。
(テレビでは、そこまでなかなかわからないもので)
確かに接触プレーを巧みに、ワンタッチで交わすなど判断力など格段に進歩しているように感じました。あとは、やはり試合の流れの中でゴールを脅かすプレイの頻度を増やしていく事が、イタリアで評価されるには大切なんでしょうかね。
mitsuさんの地元紙からのインタビューでは、結構俊輔のゴールに直結しないプレーの多さへの非難めいた質問もされていたように感じました。
とにかく俊輔、今年は1シーズンスタメンで是非、出場してもらいたいですね。
ルイ・コスタは自分も好きです。あの緩急をつけたドリブルとスルーパス。
そして、あの吹かしてしまうミドルシュートもある意味、彼らしいですね。(笑)
次のレポートを楽しみにしています!
ただ、やっぱりフィジカルが弱いのはご存知の通りです。これはちょっとやそっとじゃ変わらないと思います。ヒデがあれだけの体を作ったのは多分ベルマーレにいるころから気にしていたからだと思うんですよねぇ。俊輔はあれだけ昔からフィジカルが弱いと言われていたのに未だにあんまりケアしているとは思えないんですよねぇ。。。(だって相変わらず細い…)
モザルトは厄介ですよ、ぶっちゃけ。。。(苦笑)
何でもやりたがりーですからねぇ。
この前も一触即発でしたよ。
俊輔が監督に向って咆えてましたからね…(笑)
ルイコスタには頑張って欲しいです♪