MilanoからLondon、東京に移り住みましたが、変わらず日常生活を書き記そうかと。。
ミラノ通信 - 我が為すことは、我のみぞ知る



前日にニューヨークからミラノに帰国し、同日日本から両親がミラノに来たのだが、両親を連れてミラン対エンポリの試合を観戦した。

小生がミラノに帰ってきた日までどうやら雨が続いていたようだが、試合当日は快晴となった。ミランの先発は、小生が久々に観戦したせいか、DFラインに変化があった。difensoreは、右からカフー、ネスタ、マルディーニ、コスタクルタであった。また、Centrocampistaは、ピルロ、ルイコスタ、カカ、ガットゥーゾ、セードルフで、Attacanteはシェフチェンコの1トップであった。

後述するが、このシステム機能しているとは思えない。


試合の総括を先に述べると、この試合、決してエンポリが負けるような試合ではなかったと思う。逆にミランからすると、PKで棚ボタ的に勝利を得たように思えて仕方ない。実際、エンポリは速攻、遅攻を織り交ぜて効果的に試合を進めていたように思う。名前が分からなくて申し訳ないが、エンポリの81番のジョカトーレは非常にミランを苦しめていたと思う。Maldiniが上がった時にはネスタが一人で守る状態になるが(これが試合中しばしば見られる)それを機に、少ない人数ながらも一気にシュートまで持っていくケースが何度か見られた。ミラン相手に中盤でボールを何度も繋いでと言うのは非常に厳しいと思うが、それでも中でボールを渡された後、すぐに前線をボールを渡してマークを外したり、ペナルティーアークから多少遠めでも何度かシュートを試みるなど、王様相手の戦いとしては文句ない戦いだったと思える。


一方ミランであるが、前後半を通じて、カカがとても本調子とは言えず、正直ボールの出所としては全くと言って良いほど機能していなかったと思う。また、前半の半ば過ぎに、コスタクルタから上がったセンタリングをシェフチェンコが相手と競り合ったこぼれ球が、カカのところに落ち相手のポルティエーレのバーリと1対1になったが、がっかりするようなシュートで終わり、得点をあげることができなかった。

特にエンポリがずっと引き気味でシステムを構成していた訳ではないと思うが、セードルフからもピルロからも効果的にボールが配信されたとはとても思えなかった。そんな中、小生からすると唯一ルイコスタがドリブル、左右へのボールの配信、ワンタッチを織り交ぜた崩しを試みていたように思える。アンチェロッティーは後半途中にルイコスタを交代させたが、スタジアム全体も分かっていてルイコスタの交代にはブーイングだった。

後半、ガットゥーゾ、ルイコスタに変わり、トマソン、アンブロジーニが投入された、これで特にシステムが効果的に動いたとは思えなかった。カフーからのセンタリングをセードルフがボレーで得点を試みるも、ギリギリのところでコースが外れてゴールネットを揺らすことはできなかったり、ピルロからのボールをトマソンが頭で合わすものの左ポストに当たってラインを割るなど、若干運がなかったようにも思える。結果として(飽く迄も結果として)トマソンに対してエンポリのポルティエーレのバーリが飛び掛り?PKでミランは事なきを得たが、試合内容としては正直、凡戦の一言に尽きる。


システムの話であるが、やはりチェントロカンピスタが5人はキツイのだろうか。。カカ、ルイコスタが並存するシステムが機能不全と言う事は、ないと思う。実際、何度も良いコンビネーションを見せているように思える。これだけタレントがいると誰をどのように起用するかは監督にとっては非常に頭の痛い話かと思うが、やはり4-4-2のシステムに戻した方が機能するように思える。思い切って、セードルフを先発から外し、その代わりにアタッカンテをもう一枚入れる方が良いように思える。ただ、この試合に関しては言えば、カカの動きは明らかに悪く、逆に動きが良くパスの起点にもなっていたルイコスタを交代させたアンチェロッティーの采配には疑問符が付く。また、ガットゥーゾが何故交代したのか分からないが(怪我のようにも思える仕草はあった)、ガットゥーゾが離れると、機能していなかったシステムのパフォーマンスが更に低下したように思えた。ガットゥーゾはやはり非常に重要な位置を占めていると思う。


チャンピオンズリーグでデポルティーボに敗退した余韻が残っていた時だったので、この試合は負けなくて良かった。


正直、アンチェロッティーの采配には何かと強いチームならではの批評が付きまとうが、ここ最近の試合でたとえアウェーだったとしても勝ち星を挙げられてなかった采配に酷評されることも少なからずあったように思えたからだ。負けていれば一気に燃え上がるところだったと思う。1月ほど前の絶好調のミランと比べるととても同じチームとは思えず、ローマとの差は依然として9ポイント差ではあるが、少々今後に不安が残るゲーム内容だった。


また、余談ではあるが、ミランはホームチームであるにもかかわらず、スパイクの選択を間違えているジョカトーリが多く、非常に残念だった。実際、ガットゥーゾ、カカ、カフーなどは試合中に何度も雨で塗れたピッチに足を取られて滑っていた。試合全体を通してそうだったのは小生には謎である。。。



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コメント
 
 
 
Unknown (kntmr)
2004-06-11 08:56:58
GREEの"ACミラン"から来ました。

シーズンチケット・・・羨ましすぎです。



この試合は僕もビデオで観ましたが、同じような

感想でした。悪夢の敗戦の後にこのような試合を

見せられて、スクデットが相当不安になってました。



日本代表の観戦記も全部読みました。今後も特に

ミランの観戦記を楽しみにしています。



p.s. MBA・NTT・1973年と共通点が多くて、無茶苦茶

 びっくりしました。
 
 
 
最近ご無沙汰ですねぇ。。 (KEN@Milano)
2005-05-25 07:57:40
今頃もそちらも最終段階でお忙しいと思います。

アメリカでお子さんも産まれたのですしねぇ。。。



また是非お越しを♪
 
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