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24/9/3火11:45雨 NTTドコモが5G無線アクセスネットワークでAWSを選定AVGO158.71$ BX138.62$

2024-09-03 11:45:07 | 米国株

NTTドコモが5G無線アクセスネットワークでAWSを選定_active.nikkeibp.co.jp様記事抜粋<

 2024年2月26日、AWSがNTTドコモに関する注目すべき発表を行った。オープンな5G無線アクセスネットワーク(オープンRAN:Radio Access Network※1)の国内での商用展開にアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)を選定した、というものだ。

 具体的には、コンテナ管理ソフトウエア「Amazon Elastic Kubernetes Service Anywhere(Amazon EKS Anywhere)」をNTTドコモの5GオープンRANに展開し、自動クラスター管理ツールで5Gネットワークの運用を簡素化する。Amazon EKS Anywhereにより、通信事業者が5Gコアネットワーク(5Gコア)からオペレーションサポートシステムおよびビジネスサポートシステム(OSS/BSS)までのエンド・ツー・エンドでのネットワークの革新を進める際に、AWSリージョン内のほかのAWSサービスとのインテグレーションが容易になる。世界的クラウドベンダーであるAWSのテクノロジーがオープンRANに採用されるということは、通信業界の大きな変化を象徴する出来事といえるだろう。

 またAWSは、ハイブリッドクラウド環境で実行されるドコモの5Gコアの開発も支援している。2022年にクラウドネイティブな5Gコアソフトウエアの技術検証を開始し、5Gコアの消費電力を平均72%削減。その後、オンプレミスとAWSの間のシームレスな切替を可能とする高度なキャリアグレードの冗長設計も完了している。

 さらに2023年には、Amazonが提供する低軌道衛星ブロードバンドネットワーク「Project Kuiper」が、NTTドコモを含む日本企業との戦略的提携を発表した。これらを組み合わせることで、これまで以上に強靭な通信インフラを提供するという。

 現在は、このような通信キャリアのクラウド活用が世界中で加速している。最新のクラウド技術は、通信業界にどのような革新をもたらすのか――。2024年2月に開催された世界最大級のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2024(MWC2024)」のレポートを通じて紹介する。

世界の通信事業者が注目するAWSの仕組みとは?

 まず目を引いたのが、コアネットワークやIMS(IP Multimedia Subsystem)※2の領域におけるクラウド活用だ。

 目玉は大きく2つ。1つ目は韓国の通信事業者であるLGユープラス(LG U+)と行った、コアネットワーク上でパケット処理を行うUPF(User Plane Function)をAWS上でスケールさせるデモだ

 「UPFはユーザーのパケット送受信処理などを担うコアネットワークの中核コンポーネントです。これをAWS上で動かすことで、トラフィック量に合わせたスケールアウト/スケールインを柔軟に行えるようになります」とAWSの山内 晃氏は紹介する。

 なお、時系列予測や異常検知のシミュレーションに用いたのが実際の商用トラフィックデータであることも注目したい。使用した2023年11月~12月の2カ月間のデータから時系列予測を行うとともに、時系列データからは予測が困難な大晦日の異常なトラフィック増なども、異常検知の機械学習モデルによって検知して、UPFをスケールアウトできることを確認した

 「これはインフラに物理的制限があるオンプレミスのUPF運用では難しかったでしょう。また、今回のデモでは時系列予測に加えて、異常検知も組み合わせた2段階のスケーリングを実現しています。ネットワークの状況を表す多様なメトリクスに基づき、イベント駆動でスケールできる点もクラウドネイティブな仕組みのメリットといえます」とAWSの中村 哲也氏は話す。

※2 従来の音声通信などのサービスをIP化し、統合されたマルチメディアサービスなどを実現するための規格や、それに基づいて構築されたシステム

即時のデータ分析でIMS運用を効率化する仕組みも

 そして2つ目は、カナダの通信事業者TELUSと行った、IMSの運用高度化に関する実証展示だ。ng-voiceが提供する軽量なIMSソフトウエアを、Amazon EKS上で稼働させた。

 IMSソフトウエアから上がってくるログやトレースを、オブジェクトストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」に蓄積し、「Amazon Athena」によるニアリアルタイム分析を行う。また、アプリケーションモニタリングサービス「Amazon CloudWatch」に連携されたログを、「Amazon SageMaker」を用いて構築した機械学習モデルを通じてリアルタイム分析することで、IMSソフトウエアの異常検知を実施している(図1)。

図1●TELUSと行ったIMSの運用高度化のシステム構成

 「生成AIサービス『Amazon Bedrock』を活用したNOC(Network Operation Center)の業務効率化の仕組みも展示しました。AIとのチャットベースの会話を基に、オペレーターが故障診断や状況診断を行うことで、迅速かつ効率的なIMS運用を可能にしています」と山内氏は語る。

通信ソリューションのワンストップ調達も可能に

 さらに、多様な産業における通信ソリューションのユースケースも紹介された。その1つが、AWSを活用したスマート農業ソリューションのワンストップオーダーの仕組みである。

 広大な農場では、ドローンなどのデバイスを使って全体を監視・管理する手法が普及しつつある。ただ、この仕組みを自前で構築する場合、ドローンの機体、ドローンと接続するための5Gネットワーク環境、収集したデータを蓄積するためのストレージ、データ分析を行うためのツールやオペレーターが使うチャットシステムなどを個別に揃えなければならない。

 「通信事業者がAWSやパートナーソリューションを統合することで、農業従事者はこれらすべてをAWS上に展開したマーケットプレイスで一元的に調達できます。資産を持たず、オンデマンドで調達してサービスとして利用できるのです」と山内氏は言う(図2)。

図2●マーケットプレイスを通じたワンストップ調達の仕組み(農場管理の例)

 「重要なのは、この仕組みは農業以外にも幅広い産業領域に適用可能だということです。多様なパートナーとの連携のもと、5G通信を使った様々なソリューションを、まるでAmazonで買い物するような感覚で簡単に調達して利用できる世界を実現します」と中村氏は強調する。

 加えて、もう1つ注目を集めていた産業ユースケースの展示が、コネクテッドホスピタルの事例である。プライベート5Gを展開する米Celona社が、病院内をくまなくカバーする無線通信環境を構築し、そのアプリケーション基盤を「AWS Outposts」上で稼働させている。AWS Outpostsは、AWSがクラウド上で提供している各種サービスをオンプレミスのサーバー上で実行できるようにするソリューションだ。

 ポイントは、AWS Outposts上に構築されたプライベート5Gネットワークとエッジアプリケーションによって、医療現場の要求を満たす高いセキュリティーを閉域網内で確保していること、およびキャリア通信との相互接続(初期段階ではT-Mobileがサービス提供予定)によって、パブリックネットワークのカバレッジも拡大している点である(図3)。

図3●コネクテッドホスピタルのシステム構成
米Stanford Medicineで構築した環境の例。アプリケーション基盤にAWS Outpostsを採用し、医療機関に求められる高いセキュリティーを実現している

 さらに、B to C向けのユースケースとしてはスマートホームの事例も展示。複数メーカーのデバイス/エージェントの統合運用を、通信事業者であるTELUSが代行する仕組みを紹介した。例えば、スーパーで購入したIoT電球をつなぎ、「Amazon Alexa」で点灯させたあと、「Google Home」で消灯させるといったことが可能。さらに日常のルーティンを生成AIとのチャットを通じて学習させるデモや、室内で倒れた人をセンサーで検知し、Amazonの家庭用ロボット「Astro」がカメラで状態確認をして通報するデモなども多くの人の関心を集めていた

 このように、通信業界では今、急速にクラウド活用が加速している。モバイル通信網そのものや、それを支えるシステムのクラウドシフトはもちろんのこと、各産業におけるユースケースにおいても今後は一層、クラウドが軸になっていくだろう。進化し続ける通信の世界で、その一翼を担うのがAWSであることは間違いない。AWSと通信企業各社のコラボレーションに、引き続き注目

 



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